講義名 生物学 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火4
単位数 4

担当教員
氏名
中嶋 康裕

学習目標(到達目標) 私たちの周囲にはさまざまな生物があふれているにもかかわらず、それらのことをほとんど知らずにいるのがふつうだろう。そこで、前期は既に地球上から姿を消した動物、姿を消しつつある動物などを含め、地球上にはどんな生き物がいた(いる)のかを具体的にイメージできるようになることを目指す。後期は私たち自身、すなわちヒトに焦点を当て、私たちが歩んできた進化の道のりを知り、私たちが登場する前に地球上で暮らしていたヒトの仲間と私たちとはどこが異なりどこが同じなのかを知り、私たち自身はどんな生き物であるのかを踏まえて自分を見つめ直すことができるようになる。
授業概要(教育目的) 前期は、人間の知っているさまざまな生物たちの全体像を概観するところからまず始めて、次に生物がどのような点でよくできていて、どのような点でそうでないのかを検討し、さらに最新の進化理論に至るまでを紹介してゆく。後期は、長い進化の過程で成立した生物学的存在としての人間を考察する。進化の過程で適応してきたのは人間の身体だけではない。知性や感情といった精神活動もまた進化過程の産物なのである。この講義は基礎知識がなくてもリラックスして理解できる入門的性格の講義である。
なお、火曜日の4時限目および水曜日の4時限目と5時限目に開講される講義はまったく同じ内容である。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション〜人間はどんな生き物を知っているのか?前期の講義内容を概観
第2回想像上の動物(1)想像上の動物と実在の動物ははっきり区別できるのか
第3回想像上の動物(2)ハナアルキドイツの動物学者が創作した動物と復活した「幻の動物」
第4回絶滅した動物(1)カンブリアの世界古生代の最初に爆発的に現れた動物たち
第5回絶滅した動物(2)陸上の覇権争い海洋から陸上への進出で覇権を握った動物の変遷
第6回絶滅した動物(3)恐竜の時代恐竜とはどんな動物だったのか
第7回絶滅した動物(4)恐竜が滅びたあと初期の哺乳類はどんな姿だったのか
第8回絶滅は避けられない?繁栄している生物が次々に交替するのはなぜなのか
第9回現存する動物 さまざまな生き物たち生物学者による地球上に現存する生物の区分
第10回生き物はよくできている?(1)動物の例カモメの生活の詳細
第11回生き物はよくできている?(2)植物の例花と動物との相互関係
第12回生物進化をどうとらえるか(1)ダーウィン以前の進化論中世の人たちの考え方
第13回生物進化をどうとらえるか(2)ダーウィン以降の進化学説現代の生物学者の考え方
第14回生物進化をどうとらえるか(3)進化の起こり方オオカミはいつからペットになったのか
第15回中間のまとめまとめ
第16回イントロダクション〜生物学的存在としての人間後期の内容紹介とサルの仲間について
第17回類人猿たちの暮らし(1)チンパンジー子育てから見たチンパンジーの行動
第18回類人猿たちの暮らし(2)ボノボ姿はチンパンジーそっくりでも、行動はまるで違う
第19回類人猿の知性類人猿はどれくらい賢くて、どんなことができるのか?
第20回人類の成立(1)類人猿から猿人へ最初のヒトはどれほどサルだったのか
第21回人類の成立(2)原人ヒトへの階段の大きなステップ
第22回人類の成立(3)旧人私たち以外にも「ヒト」がいた!
第23回人類の成立(4)新人の進出私たちはどうやって新世界に進出したのか
第24回文明の成立と動植物文明成立を助けた動物や植物
第25回婚姻システム現代の男女はどういうシステムで結びついているのか
第26回配偶者選択どんな基準でパートナーを選んでいるのか
第27回ヒトの子育て子供は誰が育てているのか? 子育てのリスクとは?
第28回進化医学文明が生んだ病気とは? 病気はなぜあるのか?
第29回文明の生態学的危機少子化は危機なのか、それとも絶妙の解決策なのか?
第30回まとめまとめ
授業形式 主に講義で、前後期とも動画を多用して視覚的なイメージの形成を助ける
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
90% 0% 0% 10% 0% 100%
評価の特記事項 試験で不合格だった場合でもレポートなどによる救済処置はない。4年生であるとか保体審であるとかの理由で採点を甘くすることももちろんない。出席点の比重は小さいが、出席しないで合格することは難しい。
テキスト 指定なし。授業中に資料を配付する。
参考文献 講義中に紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 前期:木曜日2時限目、後期:火曜日3時限目。事前にメールでアポイントを取ることを求める。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 高校時代に「生物」を履修していなくても理解することができるが、動物の名前がたくさん出てくるので日本で育っていない学生は多少難しく感じるかもしれない。昨年度の本講義の合格率は約70%だった。