講義名 日本語表現B ≪□第一部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 月5
単位数 2

担当教員
氏名
富山 由紀子

学習目標(到達目標) 高校までの教育で身につけた読書感想文や小論文の書き方と、大学以降で身につけるべきレポートや論文の書き方は、似ているようで全く違います。本講義では、その違いを把握できるようになることをまずは目指します。その上で両者をきちんと書き分けるための諸技術を、実際に短い文章を書きながら学びます。また、他者の文章を読み批判的に検討するための訓練も行います。
授業概要(教育目的) 本講義における「良い」文章とは、何よりもまず「客観的」な文章のことです。客観的な文章を書くためには、自分の思考というものを、さまざまな視点から検討する必要がありますが、そのためには「他者の視点」が大切になってきます。本講義では、自分の文章を作成するだけでなく、他者の文章を読み、意見交換をし、あるいは授業担当者による添削を受けるなど、双方向的なコミュニケーションを通じて文章をブラッシュアップしてゆけるよう指導します。卒業論文執筆時に使えるライティングの技術を身につけることを授業終了時の目標とします。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス本講義の意義と目的について解説します。受講上の注意点、授業の進め方についても説明します。授業の最後に自己紹介文を作成します。
【準備学習】シラバスをよんでおくこと。
第2回主観的な文章、客観的な文章とは何か
レポートや論文を書くときに意識すべき「客観性」について解説します。主観性をできるだけ排除した、客観的な文章とはどのようなものなのか、履修者の自己紹介文を具体例に分析しながら学びます。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第3回文章作成の基礎的ルールを知るレポートや論文を書くための基礎的なルールを学びます。「感想文」「小論文」「レポート」「論文」の何が違うのかについても学びます。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第4回資料を集め、資料を読み、資料をまとめる方法資料の基本的な取り扱い方について学びます。図書館や各種データベースを利用して、自分の文章の助けとなるような資料を入手し、読み込むことは、客観的な文章を書くための第一歩です。また、他者の文章を自分の文章の中で紹介する「引用」にも一定のルールとマナーがあります。正しい引用方法を知り、身につけます。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第5回資料を収集しレビューを書く①「面白い」「他のひとにも読んで欲しい」と感じる資料を探し、当該資料に関する短いレビューを書いた上で、簡単なプレゼンテーションをします。資料とレビューを比較して、どうすればより良いレポートになるかを全員で討議します。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第6回資料を収集しレビューを書く②第5回の続き。「面白い」「他のひとにも読んで欲しい」と感じる資料を探し、当該資料に関する短いレビューを書いた上で、簡単なプレゼンテーションをします。資料とレビューを比較して、どうすればより良いレポートになるかを全員で討議します。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第7回資料を収集しレビューを書く③第6回の続き。「面白い」「他のひとにも読んで欲しい」と感じる資料を探し、当該資料関する短いレビューを書いた上で、簡単なプレゼンテーションをします。資料とレビューを比較して、どうすればより良いレポートになるかを全員で討議します。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第8回完成版レビューの提出ブラッシュアップしたレビューを全員で読み、人気投票を行います。さまざまな文章に内在する長所・短所を知ることで、自分の文章を書くときの参考にします。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第9回批判的検討とはなにか批判をするということは、喧嘩を売ることではありません。建設的な批判とは何かについて、実際に資料を読みながら学んでいきます。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第10回配付資料をもとに2種類の小レポートを書く①配布された複数の資料からひとつを選んで、それを肯定するレポートと否定するレポートの2種類を書きます。否定と肯定、主観と客観のバランスを実際に文章を書くことによって学びます。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第11回配付資料をもとに2種類の小レポートを書く②第10回の続き。小レポートに関するプレゼンテーションの後、全員で討議します。最終的に肯定・否定のどちらのレポートを書くか、どのような参考文献から引用すれば持論が補強できるかについても考えます。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第12回配付資料をもとに2種類の小レポートを書く③第11回の続き。小レポートに関するプレゼンテーションの後、全員で討議します。最終的に肯定・否定のどちらのレポートを書くか、どのような参考文献から引用すれば持論が補強できるかについても考えます。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第13回配付資料をもとに2種類の小レポートを書く④第12回の続き。小レポートに関するプレゼンテーションの後、全員で討議します。最終的に肯定・否定のどちらのレポートを書くか、どのような参考文献から引用すれば持論が補強できるかについても考えます。
【準備学習】講義用に準備したプリント等を読んでおくこと。
第14回理解度の確認課題の提出に向けて、本講義のまとめと質疑応答を行います。
【準備学習】過去に配布したプリント類を再読すること。
第15回まとめまとめ
授業形式 前半は座学形式で文章表現の要点を把握してもらい、後半は実際に文章を書いたりプレゼンしてもらう中で実践的に文章表現の諸技術を身につけていきます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 20% 0% 30% 0% 100%
評価の特記事項 提出する課題は、内容だけでなく形式も評価の対象です。形式が整っていないものは減点の対象となる場合がありますので気をつけてください。
テキスト 必要に応じて資料を配付します。課題や単位取得についての詳細が記されたプリントを配布しますので必ず入手してください(初回欠席の場合は、2回目以降で構いませんのでなるべく早く取りに来ること)。
参考文献 必要に応じて指定します。
オフィスアワー(授業相談) 授業終了後に質問を受け付けます。事前予約等は不要です。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 文章を書くことは教えてもらったことを知識として蓄えるだけでなく、自分で読み、自分で書き、自分で編集することがどうしても必要になってきます。逆に言えば、より多く手を動かした人の文章が上達してゆくということです。したがって、まずは授業への積極的な参加が文章上達の近道と心得てください。