講義名 マクロ経済学Ⅱ ≪□第一部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 水3
単位数 2

担当教員
氏名
大内 雅浩

学習目標(到達目標) 「マクロ経済学Ⅱ」では,「マクロ経済学Ⅰ」に引き続き,国際マクロ経済学,短期モデルと長期モデルの比較,物価水準の決定,インフレとデフレを中心に講義を進める。この講義では,現実のマクロ経済現象を読み解くマクロ経済学の構造を理解するため,最低限必要な「基礎知識」,「経済学の考え方」,「分析手法」を習得することが目標となる。
授業概要(教育目的) マクロ経済学Ⅱでは,共通テキストの第3章,第7章~第10章を講義範囲とする。

ただし,共通試験範囲は下記の内容とする。
第3章の3-1,3-2節
第7章の7-1節 ~ 7-4節
第8章の8-1節,8-2節と8-4節
第9章の9-1節 ~ 9-3節
第10章の10-2節,10-4節~10-6節

なお,講義範囲が共通試験範囲を超える部分の扱いについては各担当教員のシラバスに従う。また,マクロ経済学Ⅱの履修はマクロ経済学Ⅰの単位取得を前提としている。また,他の経済系科目と基礎となるため早期に単位取得が望ましい。高校までの数学の基礎知識の予習復習を強く勧める。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス
国際マクロ経済学①
「マクロ経済学Ⅱ」の概要・講義方針・評価等について説明します。履修者は単位取得の大事な説明があるので必ず出席してください。状況により,国際通貨制度:固定相場制と変動相場制の講義に入ります。
第2回国際マクロ経済学②国際収支統計の仕組み/ISバランスから見える国際資本移動
【準備学習】第7章
【学習目標】国際収支統計(経常収支+資本収支+外貨準備増減=0)の仕組みをマスターする。
第3回国際マクロ経済学③IS/LMモデルのオーバー・ヴュー
【準備学習】第7章
【学習目標】1年次で学習したIS/LMモデルに為替レートを組み込む前にIS/LMモデルを簡単にオーバー・ヴューする。
第4回国際マクロ経済学④変動為替レートを組み込んだIS/LMモデル=変動相場制のマンデル=フレミングモデルと財政・金融政策の効果
【準備学習】第7章
【学習目標】変動相場制におけるマンデル=フレミングモデルの仕組みをマスターする。
第5回国際マクロ経済学⑤固定為替レートを組み込んだIS/LMモデル=固定相場制のマンデル=フレミングモデル と 財政・金融政策の効果
【準備学習】第7章
【学習目標】固定相場制におけるマンデル=フレミングモデルの仕組みをマスターする。
第6回予備日小テスト等
第7回短期モデル(ケインズモデル)と長期モデル(古典派)の世界の違い①ケインズモデル(IS/LM)のメカニズムと考え方:硬直的な物価
【準備学習】第3章と第8章
【学習目標】価格の調整速度という見方からケインズモデルを見直す。
第8回短期モデル(ケインズモデル)と長期モデル(古典派)の世界の違い②古典派モデルのメカニズムと考え方:伸縮的物価と完全雇用の達成
【準備学習】第8章
【学習目標】ケインズモデル(過少雇用均衡のケースもありうる)とは異なる伸縮的な価格調整をもつ古典派モデル(常に完全雇用均衡のケース)をマスターする。
第9回短期モデル(ケインズモデル)と長期モデル(古典派)の世界の違い③古典派の物価の決定:貨幣数量説とは
【準備学習】第8章
【学習目標】古典派の物価メカニズムをマスターする。
第10回予備日小テスト等
第11回物価はどのように決まるか(AD/ASモデル)①AD/ASモデルで物価決定を考える。
【準備学習】第9章
【学習目標】ある物価水準の下で均衡するGDP水準を表す「総需要曲線(AD曲線)」の導出とシフトの仕組みをマスターする。
第12回物価はどのように決まるか(AD/ASモデル)②AD/ASモデルで物価決定を考える。
【準備学習】第9章
【学習目標】AD/ASモデル(極端なケインジアンのケース)/ AD/ASモデル(古典派のケース)をそれぞれマスターする。
第13回物価はどのように決まるか(AD/ASモデル)③AD/ASモデルで物価決定を考える。
【準備学習】第9章
【学習目標】極端なケインズジアンのケースと古典派のケースの中間である「標準的なAD/ASモデル」についてマスターする~この標準的なケースで,デフレと不況という同時進行の状態はサプライ・ショックが原因か。/ 小テスト
第14回物価はどのように決まるか(AD/ASモデル)④物価・賃金と失業との関係を考える-フィリップス曲線/ 自然失業率という考え方(この回は第10章にあたる内容)
【準備学習】第10章
【学習目標】物価/賃金上昇率と失業のトレードオフの関係を中心に,物価と失業の関係ついてマスターする。
第15回まとめまとめ
授業形式 講義形式
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 0% 0% 0% 50% 100%
評価の特記事項 学年末に行われる定期試験(60分)で、共通試験と個別試験が同時に実施されます。成績評価については、50%は共通試験,残り50%は定期試験での個別試験及び各教員の配点とします。
テキスト 中谷巌『入門マクロ経済学』第5版 日本評論社
参考文献 適宜,資料・プリントを配布する。

※授業に関して
 万が一,無用な私語等で真面目な学生の学習を妨げる学生はそれ相応に対処します。
オフィスアワー(授業相談) 火曜日13:00- 事前にアポイントをとること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ マクロ経済学Ⅱは、Ⅰに引き続き、一国規模の経済をアカデミックに理解する基礎文法です。Ⅰはベースなので復習・自主学習は要です。学習の近道は,(1)授業毎の予習によって理解が容易となるのでテキストを最低1回は読む,(2)マクロ経済学の科目は積み木のように論理を積み重ねていく。欠席するとその後の理解が非常に困難になるので出席をする。(3)講義中にその場で理解しようとすること。特に、(3)ができなければ単位取得はかなり困難となる。学生自身が新たな知識を習得する楽しみを何より見出して新聞やニュース等の媒体から,自己の知識を積極的に広げてください。