講義名 経済地理学 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 木5
単位数 4

担当教員
氏名
宮地 忠幸

学習目標(到達目標) 経済地理学の見方・考え方を理解し,経済現象の地域的差異の特徴やその要因を説明できるようになる。また,立地論と経済地誌の視点から,日本における産業立地の地域性,地域問題の諸相を理解し,説明できるようになる。
授業概要(教育目的) 本講義では,次のような流れで経済地理学的見方、考え方を解説していく。前期は,経済地理学の方法論の特性を解説したうえで,経済現象の地域的差異を具体的に捉えていく。また,経済地理学の方法論の一つである立地論を軸に,経済現象の地域的差異を理論的に解説する。後期は,日本の経済地域の多様な展開と特性を経済地誌の視点から学んでいく。教科書に沿って,アクティブラーニングの手法を取り入れ,日本の地域性や地域構造を理解するとともに,今日の日本が抱える地域問題の多様性を学んでいく。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス経済現象の地域的差異を把握することの重要性を考える。あわせて,講義の進め方,出席カードの取り扱い等についても説明する。
第2回「経済地域」の捉え方
経済地理学の特性(対象,方法論)とその変化,課題について解説する。
【準備学習】
テキストの第1章を読んでおくこと。
第3回日本の人口分布とその変化日本における人口分布,人口移動の変化と現局面を解説する。
【準備学習】
テキストの第2章第1節を読んでおくこと。
第4回日本の農業の特徴とその変化日本農業の全般的な特徴を解説する。
【準備学習】
テキストの第2章第2節を読んでおくこと。
第5回農産物産地の立地特性とその要因(1)
 
農産物産地の立地特性と変化,その要因を解説する。
【準備学習】
第4回の授業時に紹介する参考文献を読んでおくこと。
第6回農産物産地の立地特性とその要因(2)「自由化時代」の日本農業が直面する課題と可能性を解説する。
【準備学習】
第5回の授業時に紹介する参考文献を読んでおくこと。
第7回農産物産地の理論的整理
農業立地論(チューネンモデル)の特徴と現代農業への適用可能性を考察する。
【準備学習】
参考書(富田)の第1部を読んでおくこと。
第8回日本の工業の特徴とその変化日本工業の全般的な特徴を解説する。
【準備学習】
テキストの第2章第3節を読んでおくこと。
第9回工業の立地特性とその要因(1)基礎素材型産業の立地特性について,鉄鋼業と石油化学工業,造船業を事例に,その動向と立地要因を解説する。
【準備学習】
第8回の授業時に紹介する参考文献を読んでおくこと。
第10回工業の立地特性とその要因(2)加工組立型産業の立地特性について,自動車産業を事例に,その動向と立地要因を解説する。
【準備学習】
第9回の授業時に紹介する参考文献を読んでおくこと。
第11回工業分布の理論的整理工業立地論(ウェーバーの工業立地論)の特徴と現代工業への適用可能性を考察する。
【準備学習】
参考書(富田)の第2部を読んでおくこと。
第12回日本の流通業の特徴とその変化日本の流通業の全般的な特徴を解説する。
【準備学習】
テキストの第2章第4節を読んでおくこと。
第13回小売業の立地特性とその要因商店街,ショッピングセンターの立地展開の特徴と立地特性の背景を解説する。
【準備学習】
第12回の授業時に紹介する参考文献を読んでおくこと。
第14回都市立地の理論的整理中心地理論から都市立地の特性を理論的に考察する。
【準備学習】
参考書(富田)の第3部を読んでおくこと。
第15回前期のまとめ(前期試験〔小テスト〕実施)前期の内容に関するテストを実施する。
※必ず受験すること。
第16回経済地誌と経済地理学経済地誌を学ぶ今日的意義を解説する。また、次々回(第18回)から始まる発表形式の授業の方法,班分け,担当部分の決定,発表上の注意点などを説明する。
※第18回目以降の授業の順番は,便宜的に並べている。実際の授業ではこの通りであるとは限らない。
第17回日本の地域構造の特徴と地域区分地域間不均衡の考え方と地域区分の方法について解説する。
【準備学習】
テキストの第2章第5節を読んでおくこと。
第18回「中心地域」の特性(1)東京大都市地域受講生による発表を通して,東京大都市地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第3章第1節を読んでおくこと。
第19回「中心地域」の特性(2)京阪神地域受講生による発表を通して,京阪神地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第3章第2節を読んでおくこと。
第20回「中心地域」の特性(3)中京地域受講生による発表を通して,中京地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第3章第3節を読んでおくこと。
第21回「中間地域」の特性(1)北関東受講生による発表を通して,北関東地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第5章第1節を読んでおくこと。
第22回「中間地域」の特性(2)東海受講生による発表を通して,東海地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第5章第3節を読んでおくこと。
第23回「中間地域」の特性(3)北陸受講生による発表を通して,北陸地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第5章第4節を読んでおくこと。
第24回「中間地域」の特性(4)北九州受講生による発表を通して,北九州地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第5章第6節を読んでおくこと。
第25回「周辺地域」の特性(1)北海道受講生による発表を通して,北海道地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第4章第1節を読んでおくこと。
第26回「周辺地域」の特性(2)東北受講生による発表を通して,東北地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第4章第2節を読んでおくこと。
第27回「周辺地域」の特性(3)四国受講生による発表を通して,四国地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第4章第3節を読んでおくこと。
第28回「周辺地域」の特性(4)南九州受講生による発表を通して,南九州地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第4章第4節を読んでおくこと。
第29回「周辺地域」の特性(5)沖縄受講生による発表を通して,沖縄地域の特性を,人口,産業,地域開発の諸側面から学ぶ。
※発表後に,教員から解説を加える。
【準備学習】
テキストの第4章第5節を読んでおくこと。
第30回まとめ日本の地域構造の特徴を再確認するとともに,新たな地域システムの構築へ向けた課題,論点を整理する。
【準備学習】
テキストの第6章を読んでおくこと。
授業形式 本講義は,前期と後期で授業形式が異なります。前期は,教科書に沿って講義形式で行います。適宜,視聴覚教材を活用しながら,日本の人口,農業,製造業,流通産業の特質を講じていきます。後期は,アクティブラーニングの手法を用いて,日本の経済地誌を発表形式+教員による解説を通して学んでいきます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
40% 0% 40% 5% 15% 100%
評価の特記事項 前期と後期の学期末に試験を実施します。後期の発表内容も評価に加えます。出席は毎時間とります。受講生には,2/3以上の出席を求めます。出席は,試験の欠格条件をみるために使用します。
テキスト ・竹内淳彦編(2014):『日本経済地理読本 第9版』東洋経済新報社,2300円(税別).
参考文献 ・富田和暁(2006):『新版 地域と産業-経済地理学の基礎-』原書房,2000円.
・松原宏編(2013):『現代の立地論』古今書院,2800円.
・矢田俊文編(1990):『地域構造の理論』ミネルヴァ書房(絶版)
※朝倉書店から刊行されている『日本の地誌』,二宮書店から刊行されている『日本地誌』シリーズなども適宜参照してください。授業中にも紹介します。
オフィスアワー(授業相談) 木曜日昼休み,4限の時間帯とします。ただし,受講生の要望に応じて,適宜対応します。メールアドレスを公開しますので,メールでの問い合わせにも対応したいと思います。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 極力,木曜日3時限目の「都市・農村システム論」とあわせて履修してもらいたい。シラバスや授業時に明示したテキスト,参考書から主体的に学習してください。