回 | 項目 | 内容 |
第1回 | 第 1講 公共経済学の概観1:ミクロ経済学やマクロ経済学とはどう違うか? | 公共部門の経済学である公共経済学とすでに学んだミクロ経済学やマクロ経済学との違いを通じて学科全体の基本的な考え方を理解する。
【準備学習】テキスト1章を読み、また各自が使用したテキスト等の該当部分を参照しておくこと。 |
第2回 | 第 2講 公共経済学の概観2:公共経済を扱う部門の現状
| 公共部門の具体的な全体像を紹介し、公共経済学が財政活動に果たす意義と財政活動の全体像を把握する。
【準備学習】各自、財政学等のテキストで公共部門を復習して授業に臨むこと。
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第3回 | 第 3講 公共経済を扱う部門の課題:予算編成と厳しい財政状況の実態(外部講師)
| 財政実務に携わる方から、財政の現状と課題を講義していただく。懸案の問題点のほか、実務上当面する課題、現在社会的にも注目をあびている課題など広範な内容をご説明いただき、質疑応答を通じて公共部門のダイナミクスと具体的理解を高める。
【準備学習】各自、新聞記事などで財政に関する事前学習を行い、自分なりの質問を用意するなど関心を持って授業に臨むこと。 |
第4回 | 第 4講 ミクロ経済学の基本概念の復習
| 1年次に学んだミクロ経済学及びマクロ経済学の基本事項を確認し習熟を深める。
【準備学習】テキスト第1部1章及び2章を読み、各自の使用したテキストの基本項目に目を通しておくこと。 |
第5回 | 第 5講 ミクロ経済学の復習:理想的な交換経済の基本定理
| 公共経済学の出発点となるミクロ経済学で学んだ理想的な交換経済の妥当性を再確認し、その前提条件の理解を深める。
【準備学習】テキスト第1部3章を読んでおくこと。 |
第6回 | 第 6講 なぜ公共経済学が必要なのか1:公共財とただ乗り問題(完全競争市場の条件と市場の失敗)
。 | 理想的な交換経済が前提とする条件が成り立たない「ただ乗り問題」の具体例を通じて、政府が不在の場合の公共財供給がどのようになるのかを理解する。
【準備学習】テキスト第1部3章及び4章を読んでおくこと |
第7回 | 第 7講 なぜ公共経済学が必要なのか2:サミュエルソン・ルール
。 | 政府による公共財供給がなぜ望ましいのかを基準となるサミュエルソン・ルールとの関係で理解する。
【準備学習】テキスト第1部4章を読んでおくこと |
第8回 | 第 8講 公共財問題の解決法1: リンダール・メカニズム
| 「ただ乗り問題」が存在する場合の解決策のひとつであるリンダール・メカニズムを理解し、その意義と限界を理解する。
【準備学習】テキスト第1部4章を読み、経済辞典等でもリンダール・メカニズムについて予習すること。
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第9回 | 第 9講 公共財問題の解決法2: クラーク・メカニズム,クラブ財
| 「ただ乗り問題」におけるリンダール・メカニズムの課題を解決するクラーク・メカニズムを理解し、その意義と限界の理解を深める。
【準備学習】テキスト第1部4章でクラーク・メカニズム,クラブ財について予習しておくこと。 |
第10回 | 第10講 公共財問題の解決法3: 復習とまとめ
| 「ただ乗り問題」が存在する場合の解決策についての基本的な考え方を確認し、比較検討を通じて、一層の理解を深める。
【準備学習】テキスト既習部分及び講義レジュメを復習すること。 |
第11回 | 第11講 市場の不在による「市場の失敗」:外部性
| 理想的交換経済が前提とする条件が成り立たない「外部性」についての理解を深め、外部性が存在する場合の課題を確認する。
【準備学習】テキスト第1部3章で外部性と「市場の失敗」を予習しておくこと。 |
第12回 | 第12講 外部性問題の解決法1: ピグー税
| 「外部性」が存在する場合の別の解決策であるピグー税を理解し、その意義と限界を理解する。
【準備学習】テキスト第1部3章でピグー税を予習しておくこと。 |
第13回 | 第13講 外部性問題の解決法2: コースの定理
| 「外部性」におけるピグー税の課題を解決するコースの定理について理解し、その意義とさらなる限界を理解する。
【準備学習】テキスト第1部3章でコースの定理を予習しておくこと。
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第14回 | 第14講 外部性問題の解決法3
。 | 「外部性」存在する場合の解決策の基本的な考え方を確認し、両者を比較検討しながら一層の理解を深める。
【準備学習】テキスト既習部分及び講義レジュメを復習しておくこと |
第15回 | 第15講 中間のまとめ
| 前期講義を全体的に概観し、公共部門の必要性と課題について、基本的理解を定着させる。
【準備学習】テキスト既習部分及び講義レジュメを復習しておくこと。 |
第16回 | 第16講 資金調達の課題1:資本所得課税と労働所得課税
| 政府の活動資金である税についてその仕組みと効果を学び、特に資本所得税及び労働所得税の概要と基本的課題を理解する。
【準備学習】テキスト第3部9章を予習しておくこと。
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第17回 | 第17講 資金調達の課題2:消費税の課題(ラムゼイ・ルール)
| 間接税である消費税の概要と基本的課題及び超過負担の問題点を含め望ましいあり方について理解する。
【準備学習】テキスト第3部9章を予習しておくこと。 |
第18回 | 第18講 資金調達の課題3:公債の役割と問題点
| 財政状況は極めて深刻な状況にあり、中でも国債の占める割合は大きい。金融政策とも密接に関連し、特に金利の動向が財政の持続可能性と連動するだけに、重要な減債制度を含めた国債管理政策を理解する。
【準備学習】テキスト第3部10章を予習しておくこと。 |
第19回 | 第19講 資金調達の課題4:財政規律と持続可能性
| 膨大な借金を抱えた我が国の財政運営において、財政規律の維持と政府支出の持続可能性の保持は喫緊の課題である。公共政策を継続する上での財源の確保と財政構造を理解する。
【準備学習】均衡予算主義、財政赤字、基礎的財政収支などについて財政学のテキスト等でも予習しておくこと。 |
第20回 | 第20講 政策決定の問題点1:予算決定の実態と問題点(外部講師)
| 財政民主主義は社会的意思決定を議会に委ねた。立法府において政治と経済の接点で働く実務家から、予算決定のメカニズムと現在の議論の焦点及び審査の実態などについての話を伺う。
【準備学習】各自、新聞記事などで予算問題などに関する事前学習を行い自分なりの質問を用意するなど関心を持って授業に臨むこと。 |
第21回 | 第21講 政策決定の問題点2:国民と投票(中位投票者モデル)
| 民主主義国家における「政府の失敗」の探求には政治過程の分析が欠かせない。選挙と国民の投票行動について経済学的視点で分析し、コンドルセのパラドックス、中位投票者定理などを理解する。
【準備学習】テキスト第2部5章、6章及び7章を予習しておくこと。 |
第22回 | 第22講 政策決定の問題点3:政党と政策
| 議会制民主主義国家で行われる政治家の意思決定を経済学的視点から分析し理解する。
【準備学習】テキスト第2部5章、6章及び7章を予習しておくこと。 |
第23回 | 第23講 政策決定の問題点4:公共部門の業績評価
| 最適な公共支出を行うには評価が必要となる。公共支出の評価手法として一般的な費用便益分析を理解し、その他の評価手法についても学ぶ。業績評価の実態と活用の限界について解説する。
【準備学習】費用便益分析のほか、トラベルコスト法、ヘドニック・アプローチ、仮想的市場評価法などについても予習しておくこと。 |
第24回 | 第24講 再分配政策1:社会保障(生活保護)
| 公定扶助の主要な柱である生活保護制度の意義を確認し、労働へのインセンティブを考慮した上での効果的な活用と課題を理解するとともに、現金給付と現物給付のメリット・デメリットについても検討する。
【準備学習】テキスト第3部8章及び10章を予習しておくこと。
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第25回 | 第25講 再分配政策2:社会保障(年金と財政問題)
| 世代を超えて支えあう年金制度の意義とそのための国債発行に伴う深刻な財政問題に対する理解を深める。
【準備学習】テキスト第3部8章及び10章を予習し、年金制度についても理解を深めておくこと。 |
第26回 | 第26講 再分配政策3:地方自治の意義と地方分権(オーツの地方分権化定理)
。 | 中央政府から地方政府への所得移転の現状を理解し、地方分権へ移行することの経済政策的意義とあるべき姿への理解を深める。
【準備学習】テキスト第1部4章及び第2部7章を読み、オーツの地方分権化定理及び三位一体改革について予習しておくこと |
第27回 | 第27講 個別分野の課題1:補助金問題
| 財政支出の重要な役割を有する補助金の機能と現状を理解し、補助金政策の是非と改善策についての理解を深める。
【準備学習】テキスト第2部7章を読み、また各自財政学のテキスト等で補助金について予習しておくこと。 |
第28回 | 第28講 個別分野の課題2:公的規制
| 政府の重要な役割である公的規制の便益と費用とそのあり方を検討し、規制についての理解を深める。
【準備学習】参入規制、価格規制、レント・シーキング、X非効率性について予習しておくこと。
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第29回 | 第29講 後半講義のまとめ
| 後期講義を全体的に概観し、個別項目の質疑等を通じて、公共部門の必要性と課題について、基本的理解を定着させる。
【準備学習】テキスト既習部分及び講義レジュメを復習しておくこと。 |
第30回 | 第30講 全体のまとめ
| 本講義の全体像を確認し、さらなる習熟を深める。
【準備学習】テキスト既習部分及び講義レジュメを復習しておくこと。 |