講義名 人事労務管理論　≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日･時限 金２
単位数 4

担当教員
氏名
加藤　恭子

学習目標(到達目標) 　皆さんが企業や役所などの組織で働くには、まず採用試験を受けなければなりません。そこで無事採用されると、仕事を割り当てられ、割り当てられた仕事ができるよう教育訓練が行われます。その後、働きぶりを評価され、その結果で賃金が支払われます。人事労務管理とは、このような組織における人の管理のことをいいます。
　アルバイトをしている人はすでにその対象となっていますが、大学卒業後、社会人になれば、人事労務管理との関わりはより深くなっていきます。組織はどのように人を管理しているのか？なぜそのような管理が必要なのか？どのような管理をすれば人はやる気を出すのか？といったことをこの授業を通して学びましょう。
授業概要(教育目的) 　前期は、「人と組織の関わりについて見る」ことを目的としています。具体的には、経営学的な視点だけでなく、歴史的な視点、産業・組織心理学的な視点、労働経済学的視点、など様々な視点から人事労務管理についてマクロ的に説明していきます。
　後期は、「組織において人を管理する制度を知る」ことを目的としています。人事労務管理の様々な施策について、実際の企業例を挙げつつミクロ的に説明していきます。
　人事労務管理論を学ぶことによって、将来のキャリアについて考えられるようにしていきたいと考えています。
授業計画表
 
回項目内容
第1回なぜ人事労務管理が必要なのか。講義の進め方についての説明と、経営学、経営管理と人事労務管理の関係について解説する。
第2回人事労務管理とは何か。人事労務管理の概要について解説する。
【準備学習】
テキストChapter1,2を読んでおくこと。
第3回アメリカの人事労務管理はどのように生まれたのか。アメリカにおける人事労務管理の生成として、人間機械から人間関係論までを解説する。
第4回アメリカの人事労務管理はどのように発展してきたのか①。アメリカにおける人事労務管理の発展に影響を与えた、モチベーションの理論について解説する。
【準備学習】
テキストChapter6の1,2を読んでおくこと。
第5回アメリカの人事労務管理はどのように発展してきたのか②。アメリカにおける人事労務管理の発展に影響を与えた、リーダーシップの理論について解説する。
【準備学習】
テキストChapter6の3を読んでおくこと。
第6回アメリカの人事労務管理のまとめ。理論のまとめとケース・スタディを行う。
第7回日本の人事労務管理はどのように生まれたのか。日本の人事労務管理の初期である『ああ野麦峠』の時代から『ジャパン・アズ・ナンバー１』と呼ばれた時代まで解説する。
第8回日本の人事労務管理はどのように発展してきたのか①。三種の神器①終身雇用慣行とは何か、について解説する。
【準備学習】
テキストChapter3を読んでおくこと。
第9回日本の人事労務管理はどのように発展してきたのか②。三種の神器②年功序列慣行とは何か、について解説する。
【準備学習】
テキストChapter3を読んでおくこと。
第10回日本の人事労務管理はどのように発展してきたのか③。三種の神器③企業別労使関係とは何か、について解説する。
【準備学習】
テキストChapter3、8を読んでおくこと。
第11回多様な人材。ダイバーシティ・マネジメント：女性労働者、外国人労働者の管理について解説する。
【準備学習】
テキストChapter9を読んでおくこと。
第12回多様な働き方。コンティンジェント・ワーカー：パート、アルバイト、派遣社員、契約社員の管理について解説する。
第13回多様な職業人生①キャリアの理論について解説する。
第14回多様な職業人生②キャリアの理論の続きと日本の人事労務管理のまとめを行う。
第15回中間まとめ。まとめ。
第16回人を選ぶ①。後期の講義についての説明と採用管理について解説する。
第17回人を選ぶ②。採用管理について解説する。
【準備学習】
テキストChapter4の1,2を読んでおくこと。
第18回人の数を調整する。雇用調整と高年齢者の活用について解説する。
【準備学習】
テキストChapter4の3,4を読んでおくこと。
第19回人と仕事を結びつける。配置・異動の管理について解説する。
【準備学習】
テキストChapter5の1～3を読んでおくこと。
第20回人を育てる①。教育訓練・能力開発の基本について解説する。
【準備学習】
テキストChapter5の4を読んでおくこと。
第21回人を育てる②。教育訓練・能力開発の新しい取り組みについて解説する。
【準備学習】
テキストChapter5の1,2を読んでおくこと。
第22回人が働きやすい環境を作る①。勤務形態の管理：ストレスとヘンタルヘルスについて解説する。
【準備学習】
テキストChapter6の4を読んでおくこと。
第23回人が働きやすい環境を作る②。労働時間の管理について解説する。
【準備学習】
テキストChapter6の5を読んでおくこと。
第24回人を評価する①。人事評価の基本：昇格と昇進について解説する。
【準備学習】
テキストChapter7の1,2を読んでおくこと。
第25回人を評価する②。新しい人事評価制度について解説する。
【準備学習】
テキストChapter7の1,2を読んでおくこと。
第26回人に賃金を支払う①。賃金管理について解説する。
【準備学習】
テキストChapter7の3を読んでおくこと。
第27回人に賃金を支払う②。企業年金管理について解説する。
【準備学習】
テキストChapter7の3を読んでおくこと。
第28回人の生活を経済的に援助する。企業内福利厚生管理について解説する。
【準備学習】
テキストChapter7の4を読んでおくこと。
第29回人が働きやすい企業とは。働きたい会社は、入社後、働きやすい会社なのか？ホワイト企業とブラック企業について解説しながら、後期のまとめを行う。
第30回まとめ。まとめ。
授業形式 　黒板を使用し講義形式で行います。板書をかなりしますので、ノートに書き取るのが苦手な人には向かないでしょう。
　また、受け身の学習を減らすための工夫として、みなさんに話しかけたり、書いて提出してもらうような機会を増やしていきたいと思っておりますので、能動的に参加していただけると嬉しいです。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
（出席） 		その他 合計
40% 10% 40% 10% 0% 100%
評価の特記事項 小テストは学年末試験と同じ扱いですので必ず受けてください。小テストが未受験でも失格となります。就職活動などで受けられない場合は、必ず“事前に”教員に申し出てください。
テキスト 岩出博著『新・これからの人事労務　改訂版』泉文堂，2940円．
参考文献 岩出博著『LECTURE人事労務管理』泉文堂，4410円．
日本経団連労働政策本部編『人事労務用語辞典』日本経団連出版，2520円．
オフィスアワー(授業相談) 金曜日の4時限をオフィスアワーとします。事前にアポを取っていただけると助かります。アポは毎回の授業後に直接申し出てください。
事前学習の内容など，学生へのメッセージ 組織における人の管理を考えるということは、職業人生（キャリア）について考えることであり、さらには人生について考えるということです。

この授業を通して、自分自身のキャリア、そして人生について考えてみましょう。