講義名 公共経営論 ≪□第一部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 月2
単位数 2

担当教員
氏名
田中 啓

学習目標(到達目標) 1.公共経営の概念と基礎理論を理解し、その理解に基づき公共経営のあり方を論じたり、公共経営の実態を批判的に検討したりすることができる。
2.公共経営をとりまく条件変化とそれに伴う公共経営の変化の動向を把握し、公共経営の具体的な取り組みをそうした変化の中に位置づけて理解することができる。
3.公共経営における評価の意義とその基本原理を理解し、具体的な評価結果を見てその内容を解釈できるだけでなく、みずから簡便な評価を実施することができる。
4.日本社会が直面する人口減少高齢化の原因・実態・影響等を理解した上で、人口減少社会における公共経営のあり方を論じることができる。
授業概要(教育目的) 本コースでは、公共経営を伝統的な行政管理に対置するものとしてとらえ、現代的な公共経営の概念とその基礎理論を解説する。さらに近年、公共経営のあり方が大きく変容していることから、その変化の動態を明らかにする。また最近の傾向として、公共経営における評価の必要性が強調されているため、公共経営における評価の意義や原理・手法を解説する。最後に、日本が人口動態上の歴史的転換点にあることを踏まえ、人口減少社会における公共経営のあり方について検討する。
なお公共部門に属する多様な主体の営みが公共経営の射程に含まれるが、その中心が地方自治体であると目されるため、主に地方自治体の現状や取り組みに焦点を当てていく。
授業計画表
 
項目内容
第1回コース・イントロダクション本コース(科目)のねらい・内容・進め方・成績評価方法等について説明する。
第2回Ⅰ.公共経営の概念と基礎理論(1)
 公共経営の特徴と領域
公共経営と民間部門の経営とを比較し、公共経営の特徴を明らかにする。さらに公共財という概念を取り上げ、公共経営を適用可能な領域について考察する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第3回Ⅰ.公共経営の概念と基礎理論(2)
 公共経営の基礎理論
公共経営の基礎となっている理論にはどのようなものがあり、それらの理論が公共経営においてどのように利用されているかを検討する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第4回Ⅱ.公共経営の新潮流(1)
 公共経営をとりまく条件変化とNPM
公共経営をとりまく条件変化の状況を整理した上で、近年の公共経営に大きな影響を与えてきたNPM(新公共経営)の理論的背景や応用の実態を解説する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第5回Ⅱ.公共経営の新潮流(2)
 公共経営の新しいアプローチ①
近年公共経営分野に登場した新しいアプローチのうち、主に指定管理者制度とPFIを取り上げ、その制度的概要と導入・実践の実態を説明する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第6回Ⅱ.公共経営の新潮流(3)
 公共経営の新しいアプローチ③
近年公共経営分野に登場した新しいアプローチのうち、ファシリティマネジメント(資産経営)の手法や実践状況を説明する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第7回Ⅲ.公共経営と評価(1)
 公共部門の評価の基礎①
公共部門における評価の意義・役割や基礎的概念を解説する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第8回Ⅲ.公共経営と評価(2)
 公共部門の評価の基礎②
公共部門における評価の基本原理や主要な手法について解説する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第9回Ⅲ.公共経営と評価(3)
 公共部門の評価の実態
公共部門における評価の実施状況とその課題・問題点を整理する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第10回Ⅲ.公共経営と評価(4)
 評価の実践
受講者がグループに分かれ、グループごとに具体的な施策や事業を対象として、評価を実践する。
【準備学習】
あらかじめ配布した資料を読み込み、授業で実施する評価の演習に備えること。
第11回Ⅳ.現代日本における公共経営―人口減少社会における公共経営を考える―(1)
 人口の減少高齢化の実態
日本の人口減少高齢化の現状を整理した上で、人口減少高齢化が今後の日本社会に与える影響や政策的対応の可能性を考察する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第12回Ⅳ.現代日本における公共経営―人口減少社会における公共経営を考える―(2)
 人口減少社会における公共経営①
人口減少社会への対応としての公共部門(主に地方自治体)の具体的な取り組みを取り上げ、その意義・有効性・課題等を議論する。
【準備学習】
あらかじめ配布(あるいは入手を指示)したレジュメや文献を読んでおくこと。
第13回Ⅳ.現代日本における公共経営―人口減少社会における公共経営を考える―(3)
 人口減少社会における公共経営②
人口減少社会への対応としての公共部門(主に地方自治体)の具体的な取り組みの事例を受講者が探して持ち寄り、その内容について発表したり、クラス内で議論をおこなったりする。
【準備学習】
前もって地方自治体の具体的な取り組みを探しておき、その資料や情報をクラスに持参すること。
第14回理解度の確認要点のまとめ
第15回まとめまとめ
授業形式 講義形式が中心となるが、受講者カが発言する機会をできるだけ数多くもうける。また学期中に数回、受講者をグループに分けて、グループ単位で議論や演習を実施してもらう予定である。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 20% 40% 40% 0% 100%
テキスト 特定のテキストは使用しない。
参考文献 宮脇淳『公共経営論』PHP,1,800円.
田中啓『自治体評価の戦略―有効に機能させるための16の原則―』東洋経済新報社,4,000円.
松谷明彦『「人口減少経済」の新しい公式』日本経済新報社,1,900円
※上記以外の参考文献は授業中に紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 授業でアナウンスした連絡先に電子メールで連絡してください。