講義名 経営財務論 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 月5
単位数 4

担当教員
氏名
山田 仁志

学習目標(到達目標) 経営財務の基本的な仕組みや役割について説明し、その方法や現象について学ぶ。具体的には、企業の資金調達行動、投資の決定、配当政策の諸問題についての基礎知識を習得し、日本企業の財務活動における特徴、M&Aやコーポレートガバナンスの諸問題について財務論的視点でとらえることができるようにする。
授業概要(教育目的) 経営財務論では、企業活動における資金の動きにかかわる問題を取り扱う。つまり、資金調達の方法、資金の効率的な運用と管理、投資の決定、そして利益配分(配当政策)などである。かつてのように売上高や市場シェアの拡大だけを目標として、会社の成長を維持していくことができる時代は、過去のものであるという認識が広がり、株主や他の利害関係者(ステイクホルダー)から受け入れられる経営を行うことが求められている。今日では、事業環境や資本市場も急速に変化している。このような状況の中で、適切な財務的意思決定を行うための方法を解説する。
授業計画表
 
項目内容
第1回この講義について、財務とは何かこの講義の内容、スケジュール、評価方法などについて説明する。財務とは何かについて解説する。
第2回会社制度とその特徴株式会社の制度とその特徴について学ぶ。とくに財務にかかわる問題として重要な、資本市場と株式会社、株主と株式会社の関係について解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第3回株式会社と財務会計の基礎知識(損益計算者や貸借対照表など)を活用した、資金調達や利益配分の考え方について学習する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第4回現在価値の計算方法単利計算や複利計算の方法、将来価値や現在価値の計算方法など、財務論の理解に必要な基礎知識について学ぶ。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第5回現在価値の評価前回に続き、現在価値について学ぶ。現在価値の考え方に基づき、将来のキャッシュ・フローの評価、期待収益率とは何か、リスクと期待収益率の関係について学ぶ。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第6回投資決定について①投資の決定について、それぞれの計画をどのように評価し、順位付けするか、その方法について学ぶ。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第7回投資決定について②前回に続き、投資の決定について、それぞれの計画をどのように評価し、順位付けするか、その方法について学ぶ。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第8回リスクとリターン財務論におけるリスクとはどのように定義されるのか、リスクとリターンの関連はどのようなものか、リスクにどのように対処していくことができるのかを解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第9回ポートフォリオ理論とCAPM前回に続き、リスクとリターンの関連について学習する。今回は特に、ポートフォリオ理論と資本資産評価モデル(CAPM)について学習する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第10回資本コストと企業価値債権者と株主の期待収益率(資本コスト)の違い、企業の資本コストの計算方法、資本コストと企業価値の関係などについて学ぶ。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第11回資本コストと企業経営債権者や株主との良好な関係を築くために、資本コストを利用した経営指標の導入等が求められる。この回では、そのような企業経営の事例について取り上げ、解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第12回企業の資本構成とMMの命題企業の資本構成とは何か、資本構成の違いは企業価値に影響するかについて、MMの命題(資本構成無関連命題)を中心に学習する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第13回負債の利用とその影響財務レバレッジとは何か、負債を利用することの影響(メリットやデメリット)を学び、企業の資本構成について改めて考える。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめを行う。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第15回前期の復習前期に学習した内容を振り返り、後期の学習に備える。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第16回株価と配当
株式の価格はどのように計算されるのか、株式時価総額と株価の関係、利益留保と配当の関係について学ぶ。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第17回証券市場株式市場や債券市場、発券市場、流通市場など、証券市場の特徴、機能について学習する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第18回株式の発行株式発行による資金調達、株式公開やその意義などについて説明する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第19回株式発行とその問題前回に続き、株式の発行について学習する。今回は、株式発行による資金調達に伴う問題について解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第20回社債の発行社債(債権)とは何か、社債発行による資金調達の特徴、格付けの問題などについて解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第21回社債の発行とその問題前回に続き、社債の発行について学習する。今回は、社債発行による資金調達に伴う問題について学習する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第22回新株予約権新株予約権とは何か、新株予約権を活用した資金調達とその諸問題について学習する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第23回日本企業の財務戦略の事例①日本企業の財務戦略について、有利子負債の削減を行った企業の事例を取り上げ、その内容を解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第24回日本企業の財務戦略の事例②日本企業の財務戦略について、有利子負債の積極的な活用を行った企業の事例を取り上げ、その内容を解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第25回配当政策とその概要企業の配当に関する基本的な方針である。配当政策について、日本企業の配当についての動向、配当政策についての考え方、MMの配当無関連命題について解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第26回配当政策とその問題前回学習したMMの命題は、いくつかの前提条件のもとで成り立つ基礎的なもであるである。今回は、現実的な状況下での配当政策について考えるモデルを解説する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第27回自社株買い株主への配分(ペイアウト)は前回まで学習した配当と自社株買いに分けられる。今回は、自社株買いの動向や株価との関係、配当との関係について学習する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第28回M&Aと財務企業の合併買収(M&A)とは何か、その特徴、合併買収の方法等について学習する。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第29回理解度の確認これまでの要点のまとめを行う。
事前学習として、前回授業で指示した内容について、各自調べておくこと。
第30回まとめこれまで学習した内容を整理し、ふり返る。
事前学習として、これまでの資料・ノートを整理し、問題点等を確認しておくこと。
授業形式 基本的には講義形式による授業を行うが、資料等の補助教材を活用し、学生への質問や意見を求め、学生がわかりやすく理解できるよう双方向の授業を行っていく。また、授業内容の理解度を把握するため、レスポンスシート等を活用した質疑応答を活用する予定である。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 0% 0% 40% 0% 100%
評価の特記事項 以上の評価方法を基本に、総合的に判断する。
テキスト 授業時に指示する。
参考文献 リチャード・ブリ―リー、スチュアート・マイヤーズ、フランクリン・アレン著『コーポレートファイアナンス』第10版、日経BP社、2014年
砂川伸幸ほか著『日本企業のコーポレートファイナンス』日本経済新聞社、2008年
オフィスアワー(授業相談) 授業時に指示する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ・問題演習のときなど電卓が必要になるので、用意し、毎回持ってくること。