講義名 会社法 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水2
単位数 4

担当教員
氏名
酒巻 俊之

学習目標(到達目標) 広義の会社法は,起業・倒産の増加・減少に密接に関係するため,経済政策の重要なツールであるととともに,経営機構の選択や法令遵守体制の構築の程度は,経営における費用負担と不祥事等の発生を未然に防ぐリスク回避システム導入のバランスを必要とする.こうした経済学的見地や経営学的見地から会社を捉えることができる.また,株式・新株予約権・社債といった金融商品の性質を学ぶことができる.この授業により常に変動する社会に対応した法の頻繁な改正を理解し,実務においても常に現行法を確認する等,現在のシステムを確認する性質を身に着ける.
授業概要(教育目的) 広義の会社法は,好況・不況時における経済対策のため,企業不祥事を防ぐため,より簡便かつ迅速なシステム導入のため,頻繁に改正される.この分野では,制定法である会社法・金融商品取引法などのハード・ローのみでなく,コーポレイト・ガバナンス・コードなどのソフト・ローも相俟って機能している.社会に出でからも会社法の知識を活用することができるよう,また,単に資格取得のみで満足したり,一つの本からのみ知識を得ることのないよう,今回限りの勉強や単に単位習得のための勉強ではなく,常に最新の規制や関連規制を確認する性質を身に着けることを目標とする.
授業計画表
 
項目内容
第1回講義ガイダンス・法学入門 講義の進め方,出席について,テストについてのガイダンスを行う.残りの時間は,法学入門を講義する.
第2回会社法の位置づけ 商法・会社法の位置づけ,改正の歴史・用語を講義する.
第3回本講義全体像を講義本講義の全体像を講義する.テストの出題傾向についても言及する.
第4回会社法通則(1)会社法の基本的な用語を講義する.以降,用語を知っていることを前提に講義するので(ただし,度々確認する),復習を繰り返して用語をしっかり覚えて欲しい.
第5回会社法通則(2)商法との重複部分を講義する.どのような場合に会社法が適用され,どのような場合に商法が適用されるか理解すること.
第6回株式会社の設立(1)株式会社の設立の全体像及び定款の作成について講義する.
第7回株式会社の設立(2)定款の作成,特に変態設立事項について講義する.
第8回株式会社の設立(3) 設立についてのまとめ.預合い・見せ金について講義する.
第9回株式会社の設立(4)設立についてのまとめ,機関設計についてもプレ講義する.
第10回株式・新株予約権・新株予約権付社債(1)株式・新株予約権・社債・新株予約権付社債の概念・全体像について講義する.
第11回株式・新株予約権・新株予約権付社債(2) 種類株式について講義する.
第12回株式・新株予約権・新株予約権付社債(3) 株主名簿の記載(譲渡制限株式の譲渡,上場株式の譲渡,共有株式)、新株予約権原簿について講義する.
第13回株式・新株予約権・新株予約権付社債(4) 自己株式・自己新株予約権の取得,公開買付けについて講義する.
第14回株式・新株予約権・新株予約権付社債(5) 株式・新株予約権・新株予約権付社債全体のまとめ(テスト要点解説を含む)
第15回中間のまとめ まとめ
第16回機関(1) 機関設計を講義する.役員・各機関の性質も個別に解説する.取締役会非設置会社,取締役会設置会社など.
第17回機関(2) 機関設計を講義する.役員・各機関の性質も個別に解説する(前回の続き).監査役設置会社・監査等委員会設置会社・指名委員会等設置会社等.
第18回機関(3) 株主総会の招集・性質等について講義する.
第19回機関(4) 少数株主権について講義する(特例有限会社との対比).
第20回機関(5) 株主総会決議取消し・無効・不存在の訴え,代表訴訟について講義する.
第21回機関(6) 監査指針,コーポレイト・ガバナンス・コードなどを講義する.
第22回機関(7)取締役の義務と責任(対会社責任)
第23回機関(8)取締役の義務と責任(対会社責任・対第三者責任)
第24回機関(9) 違法行為差し止め請求権,代表訴訟などを講義する.
第25回事業譲渡・組織再編(1)事業譲渡・組織再編総論(組織変更・合併・分割・株式交換・株式移転)
第26回事業譲渡・組織再編(2)各論(組織変更・合併・分割・株式交換・株式移転の手続き)
第27回事業譲渡・組織再編(3)まとめ(略式組織再編・簡易組織再編)
第28回その他(1) 罰則・雑則・解散・清算の中から重要と思われる事項を講義する.
第29回その他(2) 全体の中から重要と思われる事項を講義する.
第30回まとめ16回以降のまとめ
授業形式 導入教育やガイダンスを板書を用いて行った後,教科書・資料を書画カメラやPCで参照しながら授業を進めるので,講義内容を積極的にノートに書き込んだり,教科書の要点にアンダーラインしたりして欲しい.テストは参照可だが,単に教科書・ノートを写して受かる内容ではないため,講義において板書で要点を整理したり,解答方法を解説したりするので,ちきんと毎回出席すること(テストは複数問題出題のため,テスト前に全ての問題の解答方法を講義する訳ではない).
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
80% 15% 0% 5% 0% 100%
評価の特記事項 昼間に就職活動の4年生や試合等で公欠の多い保体審の学生,その他一発テストに弱い学生は出席点・レポート点の多い火曜日6限の講義を選択すること(この講義の出席はテスト付きで毎回はとらない).
テキスト (仮題)酒巻俊之・新株式会社法要説(中央経済社)(未発売のため価格未定だが,昨年までの価格を超えないものとする).
参考文献 資格試験受験者は各種六法(判例付き可,最新版が望ましい)を持つことが望ましい(一般の学生は授業時はモバイル端末によるデータ検索可.ただし,テストでは使用不可).以下,商事法務発行の会社法コンメンタール全集,中央経済社発行の逐条解説会社法の全集,東京地方裁判所の解説書等は図書館の酒巻俊之指定図書に常備してある.
オフィスアワー(授業相談) 火曜日6限会社法授業終了後及び水曜日2限会社法授業終了後は,その教室において会議等の予定がない限り予約なく対応.火曜日4限・水曜日3限・木曜日諸会議後は,研究室で対応(ゼミ及び卒論指導や図書館等での調査や会議等の予定もあるので原則として下記メールにて予約が望ましい).sakamaki.toshiyuki@nihon-u.ac.jp
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 授業終了前に次回の内容告知をするので,資料・教科書で予習しておくこと.その授業終了時に理解できなかった事,疑問点はすぐ質問してもらいたい.板書やスクリーンに投射した資料は携帯で撮影して構わないが,整理・復習して,できるだけ早く理解できなかった事・疑問点を質問してもらいたい.決して,テスト前に初めて見て,独自の解釈でテストに解答しないようにして欲しい.テストでは,独自の解釈,勘違い,設問と合わない解答もよく見かける(良くできていても設問に合わない解答は点にならない).なお,テスト解答以外の陳情を答案に書くことを禁止する.できる限り解答すること.
参考URL 1 http://law.e-gov.go.jp/cgi-bin/idxsearch.cgi
参考URL 2 http://www.moj.go.jp/hisho/shomu/syokan-horei_syorei.html