講義名 国際貿易論 ≪□第一部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火4
単位数 4

担当教員
氏名
本多 光雄

学習目標(到達目標) 現代はグローバル化の世界といわれ、国内の経済問題の解決だけでは経済は動かない。そのためには世界の経済の動きを知ったうえで、国内経済の動きをどのようにするべきかを考えなければならない。この授業での目標は、グローバル化が人々に繁栄をもたらすのかあるいはまた格差をもたらすのかという問題に対して、どのように答えればいいのかを学ぶことを目標とする。そのために、国際貿易が行われるとどのような問題を国内経済に与え、あるいは貿易相手の諸国に与えるかを実際の動きを解きほぐしながら考え、そのうえで何ができるのかを考える。そのためにはまず国際経済の理論的な側面と政策的側面、それに現実どのような動きを歴史的に行ってきたのかなどを実際の動きを考えて、上述したような問題自らが解けるようにすることを学習の目的とする。
授業概要(教育目的) 学習の目的のところでも述べたが、問題を解くための手法をこの授業ではまず、考えてみる。まず理論的にこれまでの研究者がどのように考え、一国の厚生を高めるためには何をしてきたかについて理論的考え方を学び、次にはその考え方を実行するためのそれらの理論を使い、また政策論的にどうすべきかなどを考えて世界の厚生が貿易がいかなる役割を持つのかを考えられるようになってほしい。もちろん、これまでの世界の動きと日本の国がその中でどのような政策を立て、どのように解決してきたかという実際化された問題を学んで、一人一人が現実な問題としてどの理論を駆使し、どのような政策論を実施することが可能であるかなどを自分なりに考えられるような学生になってくれることを願って、授業をすすめる。
授業計画表
 
項目内容
第1回経済学と国際貿易論の守備範囲貿易論には商務論的な考えがあるが、ここでは経済学の一部としての貿易論を捉えるので、貿易論の守備範囲と基本的なスタンスをここでは考える。
第2回貿易の利益貿易の利益とはいったい何なのかについて勉強し、学生に理解度を図るために質問する。
第3回現実の世界経済の動向とりわけここでは第二次世界大戦の教訓を学び、戦後の世界経済の動きを知ることに重点を置いて勉強し、何が問題であったかを問う。
第4回国際貿易論の特徴国内経済と貿易をすることによる相手諸国や自国がどのように動くのかを学ぶ。
第5回国際貿易論の基本モデルここからはこれまで専門の学者たちが述べてきた貿易論を幾何学を使って、部分均衡分析や一般均衡分析などを使って、モデルを説明し、理解を求める。
第6回国際分業の基礎Ⅰ実際に行われている貿易の形態を学び、なぜそのような形態が貿易で利用されるのかを考えていく。一回の授業では終わらないので、次回もその続きを行う。
第7回国際分業の基礎Ⅱここでは前回の講義の続きとして世界の国々がどの様な特徴を持ちながら、貿易をしているのかを学ぶと同時に、それらがどのような影響を国内経済及び相手国に与えているかを研究する。
第8回小テストこれまで7回にわたり講義した事柄に関するテスト
第9回古典派の貿易論リカードを中心とする理論の説明と理解及び応用
第10回新古典派の貿易論ヘクシャー・オリーンの理論の説明と理解及び応用
第11回レオンティエフ・パラドックスレオンティエフパラドックスの説明とその理論による近代的論の展開とその意義づけ
第12回新理論の展開レオンティエフパラドックスの役割と近代理論の展開を理解し、これまでの古典派理論や新古典派理論との相違を解明し、新しい理論の問題点をさぐる。
第13回プロダクトサイクル論経営学にも応用されるプロダクトサイクル論と赤松理論の総意とその役割を研究する。
第14回代表的需要理論この理論の後世に与えた影響を研究し、現代の近代モデルへの役割と展開を考える。
第15回中間まとめまとめ 前期の試験を行う。
第16回企業内貿易と産業内貿易現代の貿易の新しい展開を学ぶ。これまでの国同士の理論から産業を中心とする貿易への転換の理論とその役割を考える。
第17回企業の非同質性近代の新しい貿易の見方をメリッツモデルを中心として、貿易における企業の問題を考える。
第18回フラグメンテーションと貿易近代問題になっているオフショアリングやアウトソーシング問題を考え、その役割を検討する。
第19回貿易政策論貿易政策がなぜ必要で、そのような影響を貿易諸国に与えるかを検討する。
第20回貿易政策の学説史的アプローチ保護貿易がなぜ行われ、それら政策がどのような影響を貿易諸国に与えているかを検討する。
第21回関税の役割政策論の中でとりわけ重要な関税についてその役割や影響を検討していく。
第22回幼稚産業保護論を中心とした貿易政策論の役割関税以外の政策論の役割とその影響を検討する。
第23回後期の小テストこれまでに学んできた政策論についての一般的な理解力を知るためのテスト
第24回輸出政策と輸入政策各国で行われている輸出政策と輸入政策の内容を勉強し、その果たしている役割と各国に与える影響を戦後と戦前に分けて検討し、それらが果たした役割を調べていく。
第25回政策論の中で重要と思われる手段を取り上げて検討する。これまでに学んだ政策論の持つ意味をより詳しく検討し、貿易の保護論と国内の諸政策の違いは何かを検討し、とりわけ輸出自主規制やダンピング論の持つ意味合いを正確にとらえ、一般的なダンピング論と比較する。
第26回国際貿易論の現代的動向Ⅰ時間的流れによる動向と学際的流れによる動向を検討し、現時点でも問題点を洗い出してみる。
第27回国際貿易論の現代的動向Ⅱ前回の授業でできなかった部分を再度説明し、あたらしい貿易論の流れを頭に叩き込む。
第28回国際貿易と国民所得論外国貿易乗数を使って、マクロ的視点から貿易を再考してみる。
第29回国際貿易と経済成長経済成長と貿易論の間の問題点を整理し、貿易が格差を作り出すのか、厚生を増やすのかなどを検討する。
第30回まとめ16回以降の要点まとめ
後期テスト
授業形式 講義形式と授業中に問題を出し、学生たちにやってもらう。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 10% 20% 20% 0% 100%
評価の特記事項 筆記テストだけでは単位は取れず、出席を重視している。
テキスト 未使用
参考文献 授業中にその都度報告する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ミクロ経済学をマスターしてきてほしい。ミクロ経済学が分からないと授業にはついていけません。