講義名 教育相談≪教職科目≫ ≪□第一部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 火2
単位数 2

担当教員
氏名
山﨑 晴美

学習目標(到達目標) 本講義の目標は、受講生が教育相談(教育カウンセリング)の理論とその方法について理解を深めていくことにある。
1.教育相談の歴史的展開と今日における必要性と目的を知る。
2.生徒の発達課題と学級への適応について知る。
3.指導的かかわりとは異なる教育相談の理論と方法を理解し、生徒と関わる際の基本的態度について説明できる。
4.カウンセリングについて学び基礎的な相談技法を用いることができる。
5.教育現場における相談活動の特徴と方法について理解する。
授業概要(教育目的) 教育相談(教育カウンセリング)とは、教育の現場において、生徒の抱える問題を理解し、生徒とともに問題を考え、生徒が問題を乗り越えていくことが出来るように援助していくことである。そのような意味で、カウンセリングは教育であることを踏まえ、どのように生徒の問題を捉え、生徒にどのように関わっていくのか、その理論と方法、現在の教育の現場での課題について触れていく。
授業では、一部演習形式を交え、体験的理解を進めていくことにする。
授業計画表
 
項目内容
第1回教育相談(教育カウンセリング)とは何か:その定義と生い立ち なぜ教育カウンセリングを学ぶ必要があるのか理解する。
ここではカウンセリングとは何か、教育相談(教育カウンセリング)の定義、発展の歴史、理論的背景について理解する。
第2回発達的視点から問題を捉える(1):教育としてのカウンセリング生徒とその抱える問題を理解していく時、その状況だけでなく、発達的視点で見ていくことの大切さを理解する。すなわち、生徒を「育てる」と言う教育的視点からのかかわりを考える。
思春期までの発達の概要と課題について理解する。
第3回発達的視点から問題を捉える(2):自分とは何かを求めて思春期 から青年期後期における発達課題を理解する。
生徒の発達に伴い、どのような発達課題が浮上してくるのか理解する。
第4回生徒の抱える問題:修学上の問題と学校への適応学習に対する動機付け、集団への適応および発達障害などの問題について理解する。
第5回生徒相談の基礎:どのように面接を始めるのかカウンセリングの理論を学ぶことにより、教育場面でのコミュニケーションの基礎的な方法について理解する。
第6回生徒の話を聞く:傾聴の技法(1)演習形式を交え、「質問」「うなずく」「くり返し」などの技法について理解し確認する。
第7回生徒の話を聞く:傾聴の技法(2)演習形式を交え、生徒の話を聞きながらメモをとり、「要約」することの大切さを理解し確認する。
生徒の問題を把握することの重要さを理解する。
第8回生徒の気持ちを理解することとは:欲求・感情・価値演習形式を交え、生徒の「気持ち」、すなわち「欲求」「感情」「価値」について、体系的な理解を行う。
生徒の気持ちを「明細化」して聞いていくこと、生徒の気持ちを「感情の反映」などで確認していくことの大切さを理解し確認する。
第9回生徒の気持ちを理解することとは:フラストレーションと葛藤演習形式を交え、辛さ、悩みなど、生徒の抱えるフラストレーション(欲求不満)や葛藤を、生徒との話し合いの中でどのように理解し、それに対応していくかを学び確認する。
第10回生徒の問題にどのように関わっていくのか:問題の解決を目指し、また生徒の成長を目指した相談において、どのように生徒とその問題に関わっていくのか理解する。
第11回生徒との関係性について教育相談における生徒との関係性のあり方はどのようなものであるのか理解する。
第12回教育現場における相談活動の特色と課題教育現場での相談活動のあり方について理解する。とくに教育の現場で展開される相談活動の特徴について理解する
第13回教育現場における相談活動の方法学校という環境の中で、教師と生徒という立場から相談活動を展開していく方法について理解する。
第14回理解度の確認要点の確認 
第15回まとめまとめ
授業形式 本授業は、教育相談(教育カウンセリング)の理論と方法について講義を中心に行っていくが、一部演習方式の授業を行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
70% 5% 0% 25% 0% 100%
評価の特記事項 定期試験だけではなく、レポート、授業への参加態度も評価対象となる。定期試験はB試験による。
テキスト 1.中西信男・那須光章他著 『カウンセリングのすすめ方 あなたもカウンセラー』 有斐閣新書 有斐閣
2.文部科学省 『生徒指導提要』 教育図書株式会社

事前学習の内容など,学生へのメッセージ 将来、教師として教育の現場に立つものとして授業を展開する。講義だけではなく、レポート、演習形式の授業にも積極的に参加して欲しい。