講義名 マルクス経済学Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 木4
単位数 2

担当教員
氏名
斎藤 重雄

学習目標(到達目標) 本講義は年間を単位とし,3部構成とする。前期はⅠ部とⅡの前半からなる。まず,Ⅰ部において,自然と社会の階層的関係を捉える。つぎに,社会に関して経済とその他として捉え,それぞれの基本的な仕組みを,階層性と2側面において把握する。これは,社会を立体的構造として,同時に変化し展開するものとして捉えることを意味する。これを前提に資本制経済の本質と各国の固有性,国際化,今後の展開方向を捉える。経済の中心は生産にあるが,消費を規定する分配,つまり所得の固有性も注目に値する。理論的には,分配を規定する要因を巡って,見解の違いが際立っている。本講義では,分配の3つの領域に分けて捉える。
授業概要(教育目的) 研究者を目指す場合,基本的観点が不可欠である。上記の学習内容を題材にして,この観点の養成を目標とする。その際に,研究生に混乱をもたらす物質と意識の関係,また意識の固有性にも立ち入る。研究において肝心なものは,通説,つまり学界的な常識に潜む問題を摘出する姿勢である。かくして,疑問を抱き,これを大事にする姿勢の涵養にも努める。
授業計画表
 
項目内容
第1回開講に当たって学習計画と院生の関心度の確認
第2回Ⅰ部1 自然と社会の階層性自然と社会の基本的関係
第3回  2 経済の構造経済の重層性と2側面
第4回  3 社会の構造社会の重層性と2側面
第5回  4 経済と社会立体的構造と展開
第6回  5 資本制経済(1)本質と動因
第7回  6 資本制経済(2)諸相と国際化
第8回  7 資本制経済(3)展開
第9回  8 Ⅰ部のまとめと課題
第10回Ⅱ部1 所得の概念と経済的位置分配領域の固有性
第11回  2 所得の諸形態所得の分類
第12回  3 所得の発生要因(1-1)謬論(1)
第13回  4 所得の発生要因(1-2)謬論(2)
第14回  5 所得の発生要因(2-1)諸要因の区別
第15回  6 所得の発生要因(2-2)諸所得の存在要因
授業形式 院生の関心や認識の度合に即して授業を進める。その際に,一方交通的なではなく相互交流的な授業を採用し,問題意識と研究意欲が高まるように努める。最終的には,院生が新たな問題を発掘できる能力を養えるように心掛ける。つまり,研究対象とこれを巡る先行研究(諸見解)を多面的かつ批判的に捉え,問題や論理矛盾,空白部分に気付く能力の涵養に努める。そのためにも,「授業概要」に記したように,新見解であると確信する私見を検討材料として提示する。その際,私見を忌憚なく批判的に検討し,自由に発言できる雰囲気作りにも努める。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 0% 0% 90% 10% 100%
テキスト 斎藤重雄著『現代サービス経済論の展開』創風社
参考文献 斎藤重雄編『現代サービス経済論』創風社,櫛田豊著『サービスと労働力の生産』創風社
オフィスアワー(授業相談) 授業の前後に随時
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 院生の主体的取組みを期待する。