講義名 労働経済論Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 水5
単位数 2

担当教員
氏名
牧野 富夫

学習目標(到達目標)  人間的な労働と生活を求めて。これが「学習目標」である。なぜ、このような目標を設定するのか。1990年代の後半から「構造改革」の展開のもとで、労働と生活の劣化が進行し、それが内需を冷え込ませ日本経済を低迷させているからである。前半で、「労働分野の規制緩和」が雇用・賃金・労働時間などの劣化を惹起し、「小さな政府」の追求が社会保障を後退させた経緯を検証する。後半で、それへの対応として、いかに「労働のルール」を確立し、憲法に立脚して社会保障を拡充するか、を検討する。
 人間的な労働と生活の改善にとって、雇用条件(雇用形態・賃金・労働時間など)と社会保障が柱なので、この2点が学習の中心になる。
授業概要(教育目的)  上記「学習目標」にそくして毎回レジュメを配布し、授業をおこなう。ポイントは、2点である。1つは、雇用・賃金・労働時間など雇用にかかわるテーマを取り扱う。いま1つは、福祉・社会保障に関するテーマである。
 いま、社会保障制度改革推進法にもとづく「国民会議」で検討され、8月までに取りまとめられる「改革案」についても、ホットな問題として、その動向も遡上にのせる。
授業計画表
 
項目内容
第1回本講義の問題意識・全体像をあきらかにする。労働経済とは「どのような学問なのか」を確認する。
第2回雇用の動向とその改善策失業・非正規雇用・派遣労働などの現状を解明し、改善策を提起する。
第3回賃金の動向と改善策賃金水準・賃金格差・賃金体系などの現状を解明し、改善策を提起する。
第4回労働時間の動向とその改善策労働時間・変則労働・残業などの現状を解明し、その改善策を提起する。
第5回労務管理の動向とその改善策日本的経営・人事労務管理の現状と今後を検討する。
第6回労使関係の動向とその改善策労使関係の現状と今後を検討する。
第7回労働運動の動向とその改善策労働運動の現状と今後を検討する。
第8回社会保障の全体状況とその改善策社会保障の現状と今後を検討する。
第9回年金の動向とその改善策公的年金の現状と今後を検討する。
第10回医療(保険)の動向とその改善策医療保険の現状と今後を検討する。
第11回介護(保険)の動向とその改善策介護保険の現状と今後を検討する。
第12回子育て・教育支援の動向とその改善策子育て・教育支援の現状と今後を検討する。
第13回憲法と労働法制の動向とその改善策労働法制の現状と今後を検討する。
第14回憲法と社会保障の動向とその改善策社会保障の現状と今後を検討する。
第15回まとめまとめ
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 0% 30% 70% 0% 100%
評価の特記事項 質疑など平常の受講態度と小テストで評価する。
テキスト とくに指定しない。
参考文献 牧野・石畑編著「新版・社会政策」(ミネルヴァ書房)、牧野・村上編著「格差と貧困がわかる20講」(明石書店)。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 雇用と社会保障は「人間的な労働と生活」のための2大支柱である。その「2大支柱」の現状と今後を解明するのが本講義である。自身の生活とかかわらしめて学習してほしい。