講義名 人口経済論Ⅱ ≪大学院≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 水6
単位数 2

担当教員
氏名
小川 直宏

学習目標(到達目標) 少子化や高齢化などの身近な人口問題を,経済学的視点からとらえることができる。
授業概要(教育目的) 20世紀は「人口爆発の世紀」といわれたが,21世紀は「人口高齢化の世紀」となってきている。本講義の前半では,人口高齢化の人口学的なメカニズムの基軸である出生率の低下と死亡率の改善がもたらされる要因及びその結果を,経済社会的な変動の視点から考察していく。後半では,高齢化分析の画期的なアプローチとして注目される“National Transfer Accounts (国民移転勘定)”用い,少子化・高齢化による年齢構造転換が,マクロ経済に与える影響に加え,ミクロレベルで見た家計への影響を数量的に考察する。人口高齢化の問題を,人口と経済の視点から複眼的に考察・研究していくことが本講義の目的である。
授業計画表
 
項目内容
第1回人口高齢化と世代間経済:イントロダクション人口高齢化が世代間経済に与える影響を概観する。
第2回国民移転勘定(NTA):イントロダクション (1)NTAのコンセプトやアウトラインについて解説する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第3回国民移転勘定(NTA):イントロダクション (2)引き続き,NTAのコンセプトやアウトラインについて解説する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第4回NTAから見た消費・労働所得の変化消費と労働所得の年齢プロフィールの変化を解説する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第5回NTAから見た“ライフサイクル不足(余剰)” の変化“ライフサイクル不足(余剰)”の考え方とその変化を解説する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第6回NTAから見た公的・私的移転公的移転および私的移転の年齢プロフィールとパターンの変化を解説する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第7回NTAから見た子育てコストと少子化の関係子育てコストの変化と少子化の関係を検討する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第8回NTAから見た老後コストとその変化高齢化による老後コストの変化を検討する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第9回子育てコストと老後コストの関係子ども世代と高齢者世代の間にリソースの競合関係はあるのか検討する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第10回期末課題のテーマディスカッション期末課題のテーマ,アプローチ,およびデータソースについて検討する。

【準備学習】
期末課題のテーマ,アプローチを考えるほか,データソースなどをリサーチしておくこと。
第11回“fiscal support ratio”の考え方“fiscal support ratio”の考え方について解説する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第12回NTAから見える政策オプション第2次人口配当の創出,第1次人口配当やeconomic support ratioの活用などの高齢化に対する政策オプションのいくつかを紹介する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第13回価値観の変化価値観の変化とそれが世代間経済に及ぼす影響を検討する。

【準備学習】
授業で取り扱う論文・資料を,よく読みこんでおくこと。
第14回理解度の確認要点のまとめ

【準備学習】
これまでの授業のポイントを確認し,質問等があればまとめておくこと。
第15回まとめまとめ
授業形式 通常は演習形式で行う。各回の授業の終わりに,次週に取り扱う論文のコピーを配付する。受講者は確実にそれを読み,授業時にそのポイントを確認していく。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 50% 0% 0% 0% 100%
評価の特記事項 定期試験の方法は,受講者の人数によって,口頭発表,レポート,筆記試験の中から,決定する。
テキスト 適宜,論文・資料を配布する。
参考文献 R. Lee & A. Mason (2011) Population Aging and the Generational Economy: Edward Elgar.
オフィスアワー(授業相談) 事前予約制(日時は応相談)。授業初回に説明する指定のアドレスに連絡してください。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 日本のみならず,世界の少子化・高齢化現象に関心がある受講生が望まれる。論文およびその他配布資料はほぼすべて英語なので,英語力は必須。