講義名 ベンチャービジネス論Ⅱ ≪大学院≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 木6
単位数 2

担当教員
氏名
池田 光男

学習目標(到達目標) 1ベンチャー企業の栄光と挫折について、その要因が説明できる。また、成長への過程において何が重要かが参考にできる。
2事業計画書について自分自身で作成できる。
3創業資金の資金調達について多角的な説明により、将来自立した際に実務に役立つ。
4難解な資金繰りについて理解し、説明ができる。
授業概要(教育目的) 本講義は、ベンチャー企業を含めた創業者に関して、実務的な面を主体に構成されている。講義の内容を大別すると、①成長を左右する創業期の動機や諸計画の在り方、②創業の内容を網羅した事業計画書の策定方法、③創業の可否を決める創業資金調達の方法、④金融による資金調達の方法、⑤企業の成り行きを支配する資金繰り手法からなる。いずれも実務的であり、授業終了時にはすぐに活用ができる内容になることを目標にしている。
授業計画表
 
項目内容
第1回ベンチャー企業の栄光と挫折栄光と挫折の分岐点は創業期にある。創業の障害である曖昧な動機、安易な事業計画、不透明な資金計画について説明する。
第2回国民金融公庫がベンチャー企業発掘期に、ベンチャー企業と認定した29企業のその後のトレース昭和44年当時は「能力発揮型」企業として評価されたが、半世紀弱経過した今日の実態を追跡してみると意外な結果が。
第3回29企業のうち1社のみ1部上場を成し遂げたベンチャー企業の実例分析【事例研究】中小企業用コンピューターがないのに着眼して、4畳半工場から一部上場を成し遂げた「日本デジタル研究所(JDL)」
第4回創業者の「開業費用」の調達と「事業計画書」の作成状況の実態について【実態調査による解説】「開業費用の調達と事業計画書の作成状況の実態」(日本政策金融公庫・総合研究所調査)
第5回事業計画書はどのように作成するのか優しいようで難しい事業計画書の作成について説明する。
【事例研究】ある起業家により策定され事業計画書の内容を検討する。
第6回創業資金の調達方法以下について具体的に説明する。
1開業資金のうち自己資金はどの程度保有すべきか
2なぜ自己資本は多いほどよいのか
3なぜ長期借入金に依存すべきなのか
第7回ベンチャー企業の成長段階の資金需要と資金調達種まき期から安定成長期までの資金需要と資金調達方法を説明する。
第8回資金繰りを左右する与信与信の定義と与信の前提について解説する。個別には以下の3項目を具体的に説明する。
1金融機関からの与信
2販売先への売掛による与信
3仕入れ先からの与信
第9回金融機関との良好な関係の構築1すぐには間に合わない金融機関と、すぐに間に合う金融機関の使い分けの方法を解説する。
2銀行の「企業格付け制度」について説明する。
第10回創業資金の融資に注力の日本政策金融公庫の融資審査への対応について国民金融公庫(現日本政策金融公庫)勤務の経験から融資審査への対応方法を具体例で説明する。また融資審査はどのように行われるのかも具体的なケースを取り上げて説明する。
第11回公庫の業務内容の変遷が内外に及ぼす影響【リポートで解説】日本政策金融公庫・国民事業部の与信の変遷と現状
第12回株式公開による資金調達株式公開の効果を解説する。
【事例研究】群馬キャピタルの指導で株式の公開に踏み切り、多額の設備資金を株式市場で調達し、成長を遂げた赤城水産について研究する。
第13回決算書から資金繰りを見極める方法数字の羅列から簡単に資金繰りを見極める方法を説明する。
【事例検証】小売業のベンチャー企業として成長したダイエーが、なぜは資金繰りに窮したのか、ダイエーの決算書から読み取る。
第14回経常運転資金により資金繰りを判定する方法運転資金の見方や正味運転資本などを解説する。
【事例検証】ベンチャー企業として急成長した株式公開企業「テスコン」の突如の破綻原因を検証する。


第15回理解度の確認これまでの要点の説明
授業形式 講義が主体だが、毎週、翌週のテキストや資料を作成し配布します。必要に応じてブレーンストーミング形式で、受講生同士で討議を行います。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 40% 0% 60% 0% 100%
評価の特記事項 出席日数や講義態度を重視します。
テキスト 市販のテキストは使用しません。
参考文献 高橋徳行他訳『アントレプレーナーシップ』日経BP社,4500円
池田光男他著『現代の中小企業ー本質論からベンチャービジネス論まで』中小企業リサーチセンター,2718円
池田光男研究論文「生活衛生関係営業の経済学」URL,http://mitsuo-ikeda .la.cococan.jp
オフィスアワー(授業相談) 相談は授業終了後、教室で対応します。E-mailアドレスと携帯電話番号は最初の授業時に説明します。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 研究心をもって受講してください。新聞や経済雑誌などにより、ベンチャー企業に関する記事に注目してください。