講義名 経営学AⅠ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 火6
単位数 2

担当教員
氏名
平野 文彦

学習目標(到達目標) 「経営(management)」に関する一般的体系的理解を超えて、経営学が固有にもっているミッションを理解することができ、かつその実現のためには、何をどうすることが求められているのかを理解できる力を養うことを目標とする。特に、現実の社会における一つの重要な要請としての「高品質化」に着目し、経営学のあるべき体系を理解できる力を養うとともに、実際の経営の現場において、具体的にどのような変革が必要であるかを理解できる能力を養うことを目標とする。これにより「責任感のある有能な経営者」として、一定規模以上の事業をマネジメントに従事できるための知識と能力を身につけることを目標とする。
授業概要(教育目的) 「経営の品質」に関する基礎的な理解については、開講後に指定するテキストにしたがって理解を進めるとともに、いくつかの先行研究をとりあげて学習していただく。またこれと並行して、これまでの経営学(知識体系)がこの課題にどう関わってきたかについて理解するための議論を重ねる。以上のようなプロセスを経ることにより、「経営」と「経営学」の現状と方向を理解できる力を養うことを目標とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回Ⅰ.序論
(1)経営学の方法
経営学とはいかなる学問か。経営学が目指すもの(目的)は何か。
経済学との違いは何かについて理解する。
キーワード:経営学の意義と独自性
第2回(2)経営学の歴史と主要な学説経営学が誕生してきた経済的・社会的背景に立ち帰ってその歴史を概観するとともに、その後において経営学が担ってきた役割や意義にについて理解する。
キーワード:F.W.テーラー、能率、科学的管理法、経営管理過程論、
C.I.バーナード経営学
第3回(3)経営の「実践と理論と学」 何を(対象)を、どのようなアプローチ(方法)を用いて、どのような組み立て(体系)になっているかについて理解する。
キーワード:経営者の行動、競争、哲学、説明体系、エクセレント・カンパニー
第4回(4)ドラッカー経営学の仮説と展開P.F.ドラッカーの経営論について、その体系を理解する。
キーワード:顧客の創造、利益、企業、経営管理者、経済的機関・社会的機関・公的機関としての企業
第5回Ⅱ.経営学の新展開
(1)マネジメントとその品質
マネジメントの役割(role)と仕事について理解する。特に、組織参加者に対する行動規制なのか、それとも自由の確保なのかについて理解する。
キーワード:事業目的、組織的行動、人々の欲求充足と問題解決、創造的行為
第6回(2)マネジメントとオートメーションオートメーションの普及がマネジメントを不要化するかのような事態について解説する。
キーワード:新たな産業革命、オートメーション,異常への対処、ビジネス・プロセス・リエンジニアリング(BPR)
第7回(3)経営の戦略と意思決定すぐれた企業におけるビジネス・マネジメントの姿からビジネスの本質を学ぶ。
キーワード:社会的信頼性、変化と変革、選択と集中、事業コストと投資、ビジネスモデル、事業の目標、市場の分析と予測、高付加価値化、経営管理者の育成、ビジネスの高質化
第8回Ⅲ.ビジネス・マネジメント
(1)ビジネスとその近代化
シアーズ社の設立から変革の経緯から、マネジメントの本質を学ぶ。
キーワード:市場、顧客、近代企業、イノベーション
第9回 (2) 現代ビジネスの基本「ビジネス」とは何か。どうあるべきか。どうあってはならないか」について現実を踏まえた考察を行う。
キーワード:企業の目的、マーケティング、イノベーション、生産性向上、利益、「不」の解消、後ろめたいビジネス・悪徳商法
第10回(3)ビジネスでめざすべきものそれぞれの企業にとっては、「いかなるビジネスを目指すのか」が最も基本的な課題であることを理解する。
キーワード:ビジネス(事業)、経営資源(物、人、財、情報、時間)、市場地位(マーケットシェア、マーケットポジション)、付加価値創造
第11回(4)ビジネスの柱としての生産ビジネスには「モノの販売」、あるいは「市場の開拓」という局面が典型的に意識されるが、その根底には「モノまたはサービスの生産」という局面が存在している。ここでは「生産の原理」と「マネジメント」の関係について考える。
キーワード:個別生産、大量生産、プロセス生産、オートメーション化、ものづくりの哲学
第12回Ⅳ.経営管理責任者のマネジメント
(1)古典的事例としてのフォード物語
フォードの歴史から学ぶべき真理を整理して解説する
キーワード: 経営資源としての経営管理者、マネジメント(経営)不在、経営管理者のマネジメント
第13回(2)目標とセルフ・コントロール経営管理責任者のマネジメントに関して、「支配のマネジメント」と「協働のマネジメント」について考える。
キーワード:マネジメントの方向、自己管理による目標管理、マネジメントの哲学
第14回(3)経営管理責任者という概念とその意義「経営管理責任者」(manager)の本質的意味とその仕事について考える。
キーワード:仕事、責任、権限、上司と部下、リーダーシップ、雇用、人事・労務管理、人間組織、経営組織論、組織の文化、評価と報酬、動機づけ(モティベーション)、人材の育成(教育・訓練)と開発
第15回 まとめ前回までの講義を振り返り、要点の確認等うを行う。
授業形式 基本的に文献ないしは資料に関する説明・報告とディスカッションの形式で行う。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 50% 0% 0% 50% 100%
評価の特記事項 「その他」は「教室におけるプレゼンテーションの内容とディスカッションへの参加度」とする。
テキスト 開講後に指示する
参考文献 P.F.ドラッカー著、邦訳『現代の経営』ダイヤモンド社刊
オフィスアワー(授業相談) 月曜日 10:40~12:10 事前にアポイントを取ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 日常的に専門知識を増やすための指導を行うが、教室においては資料等に基づく各自の研究を重視したディスカッションに重点をおく。したがって受講者には企業と経営に関する強い関心と研究意欲が期待される。