講義名 空間経済学Ⅱ ≪大学院≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 月5
単位数 2

担当教員
氏名
呉 逸良

学習目標(到達目標) 空間経済学の基本的な考え方,重要なモデルおよび分析手法について学習することによって,現実的な経済現象の空間的な側面で現れる特徴などに対し,より深く理解する。また,最近の研究動向や実証研究の成果を紹介し,院生の独創的なアイディアの創出能力を科学的な研究能力を発達し,独自で問題解決能力を養いながら,身につける。
授業概要(教育目的) 空間経済学Ⅰの内容を復習する上で,空間経済学のいくつかの重要モデルを解説し,最近の研究動向や実証研究の成果を紹介する。これによって,院生自身で新たな問題の発見,解決,論文作成ができることを目標とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回序論(1)空間経済学の発展
空間不可能性定理とその意味
第2回序論(2)伝統的国際貿易理論
産業内貿易と新貿易理論
経済地理学
収穫逓増と産業集積
第3回核-周辺モデル(1)CES型効用関数を用いるモデル:Krugman(1991a)参照
第4回核-周辺モデル(2)準線形の効用関数を用いるモデル(a):Ottavinao et al.(2002)参照
第5回核-周辺モデル(3)準線形の効用関数を用いるモデル(b):Ottavinao et al.(2002)参照
第6回核-周辺モデルの拡張(1)中間財を含めたモデル:Krugman & Venables (1995),Puga (1999)参照
第7回核-周辺モデルの拡張(2)地理的優位性:Krugman (1993a),Ago et al. (2006)参照
第8回核-周辺モデルの拡張(3)都市の誕生と都市階層:Fujita & Krugman (1995)など参照
第9回核-周辺モデルの拡張(4)同質財の輸送費
異質性
第10回実証分析:輸送費と都市化輸送費の低下と都市化の関係
第11回空間経済学と単一中心都市モデルvon Thueneの農業立地論からAlonsoの住宅立地論
新経済地理学の単一中心都市構造モデルとポテンシャル関数
非単一中心都市構造モデル
第12回空間経済学と動学的分析経済成長理論と空間経済学
経済成長と集積のモデル
第13回空間経済学と租税競争企業誘致政策分析
第14回空間経済学と地域開発貧困削減,地域開発および実証研究:園部・藤田(2010)参照
第15回まとめまとめと最近の研究動向
授業形式 講義形式としますが,参考文献の輪読と発表報告の形式をも併用して,授業を進める。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 80% 0% 15% 5% 100%
評価の特記事項 授業中やレポートの中で示した独創的な考え方を高く評価する。
テキスト 最初の授業で受講生と相談してから選定する。
参考文献 藤田昌久他『空間経済学―都市・地域・国際貿易の新しい分析』東洋経済新報社,2000。
佐藤泰裕他『空間経済学』有斐閣,2011。
松原宏『立地論入門』古今書院,2002。
中村良平,田渕隆俊『都市と地域の経済学』有斐閣,1996。
伊藤元重,大山道広『国際貿易』岩波書店,1999。
園部哲史,藤田昌久『立地と経済発展』東洋経済新報社,2010。
オフィスアワー(授業相談) 研究室:3号館7Fの373室,1Fの受付で連絡を取った上で気軽に来てください。
e-mail: go.itsuryou@nihon-u.ac.jp
メールで連絡する場合,迷惑メール対策として,件名に科目名,学生番号とお名前を記載してください。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ミクロ経済学,貿易論,立地論に関する基礎的な知識が必要で,多少数式やEXCELを使って講義する。常に問題意識を持って受講して欲しい。また,空間経済学Ⅰを先に受講することを勧める。
授業用URL http://www.eco.nihon-u.ac.jp/~go/