講義名 歴史学 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水2
単位数 4

担当教員
氏名
武廣 亮平

学習目標(到達目標) 歴史を研究するさまざまな視点や素材(資料)をもとに「歴史とは何か」、「日本史とは何か」という大きなテーマを具体的に探究する。学生各自が現代社会の歴史的位置づけを把握するとともに、自らを「歴史的世界」の構成者として自覚できるようになる。
授業概要(教育目的) 前期は歴史学の方法や考え方について、代表的な歴史書、歴史を認識するためのさまざまな区分の方法(時代や地域など)といった観点から、それぞれ具体的な事例をもとに講義を行う。後期は現代における日本の歴史の諸問題を項目別に取り上げ、関連史料を中心に歴史に対する探究能力を深める。
授業計画表
 
項目内容
第1回オリエンテーションと授業概要1年間の授業概要とポイントなどを明示する
第2回歴史的世界のはじまり世界各地における歴史的世界の成立をたどる
〔準備学習〕
古代の諸文明(メソポタミア文明、古代エジプト文明など)
第3回歴史叙述の誕生(ギリシア)ペルシア戦争を題材としたヘロドトスの『歴史』を中心に世界各地の歴史書を取り上げる
〔準備学習〕
古代ギリシアのポリス社会、ペルシア戦争
第4回「西暦」の誕生キリスト紀年の成立と普及
〔準備学習〕
キリスト教の成立と発展
第5回ヨーロッパとは何か「ヨーロッパ」の成立過程と本質を考える
〔準備学習〕
ローマ帝国、ゲルマン民族の移動
第6回中華世界の成立とその構造「中華」という世界観とその構造、日本における中華思想の影響
〔準備学習〕
中国大陸とその周辺地域の地理的把握
第7回中国における歴史叙述司馬遷の『史記』と班固の『漢書』を素材として
〔準備学習〕
中国王朝の変遷概観
第8回王朝の支配と儒教思想中国における王朝支配の論理を考える
〔準備学習〕
中国の儒教思想
第9回干支と元号漢字文化圏に独自の紀年法の特徴
〔準備学習〕
日本における年号の使用
第10回イスラム世界ムハンマドの布教とその後継者による支配の拡大
〔準備学習〕
現在世界におけるイスラム教国家の確認
第11回ヒジュラ暦と世界の暦法イスラム世界の暦法であるヒジュラ暦と、世界のさまざまな暦法を学ぶ
〔準備学習〕
太陽暦と太陰暦の違い
第12回時代区分論1三区分論による区分と発展段階説による区分など
〔準備学習〕
ヨーロッパの古代から中世への歴史
第13回時代区分論2日本における時代区分とその特徴
〔準備学習〕
日本史における時代の流れ
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回日本史のさまざまな史料日本の歴史を明らかにする上で重要な歴史書や記録などを概観する
〔準備学習〕
日本の代表的な歴史書とその内容
第17回『日本書紀』の神話と天皇最初の体系的な歴史書である『日本書紀』の成立の経緯とその特徴
〔準備学習〕
7世紀後半の政治と戦争
第18回木簡を読む藤原京や平城京から出土した木簡に記された古代の人びとの生活
〔準備学習〕
日本古代の都城とその変遷
第19回『続日本紀』に見る8世紀の政治8世紀(奈良時代)の政治と権力構造を政変記事から見る
〔準備学習〕
奈良時代の政治と氏族
第20回歴史史料としての呪詛奈良~平安時代の呪詛に関する事件の史料から、政治と呪詛の関係を考える
〔準備学習〕
御霊信仰、摂関政治
第21回平将門と『将門記』平将門を素材に成立期の武士(兵)と東国社会の特質を探る
〔準備学習〕
承平・天慶の乱、前九年・後三年合戦
第22回『往生要集』と日本人の他界観『往生要集』が描く地獄・極楽の世界と極楽往生の思想
〔準備学習〕
奈良~平安時代の仏教
第23回『吾妻鏡』にみる源頼朝武家政権である「幕府」とそのリーダーである「征夷大将軍」の性格
〔準備学習〕
鎌倉幕府の成立、征夷大将軍について
第24回『愚管抄』と承久の乱
『愚管抄』が描いた歴史像と著者慈円の立場
〔準備学習〕
後鳥羽上皇の院政、承久の乱
第25回『信長記』と『信長公記』『信長記』と『信長公記』という織田信長の2つの伝記の比較
〔準備学習〕
織田信長の天下統一事業
第26回『読史余論』の政治思想新井白石が論じた徳川幕府の正当性とその根拠
〔準備学習〕
幕藩体制、正徳の治
第27回ビゴーの挿絵に見る近代日本フランス人ジャーナリストの目から見た近代日本の実像
〔準備学習〕
明治期に日本で活躍した外国人
第28回戦前の歴史教科書を読む明治から敗戦までの尋常小学校の歴史教科書にみられる歴史観
〔準備学習〕
近代の教育制度
第29回理解度の確認これまでの要点の確認
第30回まとめまとめ
授業形式 講義形式で行う
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
60% 10% 0% 30% 0% 100%
評価の特記事項 授業の理解度を問う試験やレポートの評価を重視する。
テキスト 特に使用せずプリントを配布する。
参考文献 授業中に適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 金曜日3講目または水曜日3講目(研究室)
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 次回以降の資料(プリント)をあらかじめ配布する場合もあるので、資料を事前に通読すること。