講義名 日本語表現A ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火3
単位数 4

担当教員
氏名
佐藤 温

学習目標(到達目標)  大学生に求められるレポート執筆の技術を中心に,日本語による表現について学びます。大学以前にも作文や小論文,読書感想文といった文章を作成する機会はあるものの,大学で書くレポートはそのいずれとも異なる性質を持っています。すなわち,レポート執筆は自身の意見を明確な根拠に基づきながら示す必要があるという点において,自身の経験や感想を書く作文とは決定的に異なっていると言えます。そこで,本授業ではその執筆に必要となる知識や作法について,前期では基本を身につけ,後期にはより本格的なレポートの執筆とプレゼンテーションについて学び,それぞれ最終レポートを作成します。
授業概要(教育目的)  レポート執筆に必要な技術と考え方を段階的に教授していくことによって,学術的な文章の書き方,論理的な思考を身につけることを目標とします。はじめに文章の基礎的な決まり事を学んだ上で,第一段階として一般的な文章とレポートの違いを形式・思考法の両側面から解説します。その上で,資料の調査,まとめ,考察,執筆といった段階を順次実践していくことで,レポート執筆の手順を身につけていきます。また,プレゼンテーションについても効果的な資料の作成法や,明確に情報を伝えるための発表法などを実践の中で教授していきます。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス授業の進め方,受講にあたっての注意事項などについて説明します。
第2回文章執筆の基本原稿用紙の規則,段落の決まり事など,文章を書く際の基本事項を確認します。
【準備学習】
前回授業の課題(あるテーマについての短い文章を書く)に取り組んでください。
第3回執筆の実践(1)  与えられたテーマについて意見文を書きます。前回の授業時に確認した基本事項に従って,テーマに沿った内容を書くことができているかという点に注意しながら執筆します。
【準備学習】
前回の課題の修正点を確認しておいてください。
第4回執筆の実践(2)前回書いた意見文について,修正点を確認します。特に「文のねじれ」や句読点の打ち方,段落の分け方などについて注意点を学びます。
【準備学習】
前回授業の課題(意見文を完成させる)に取り組んでください。
第5回執筆の実践(3) 再修正した意見文の添削結果を確認して,初回執筆時との違いを見ながら文章執筆における今後の注意点を確認します。
【準備学習】
前回授業時に修正した意見文を完成させておいてください。
第6回レポートとは何か前回までに執筆した意見文とレポートの違いについて,テーマに対するアプローチの方法から執筆方法まで両者を比較しながら学び,レポート執筆に必要な事柄について理解します。
【準備学習】
前回授業時に返却された意見文を添削に従って修正しておいてください。
第7回資料の読解と要約(1)レポート執筆に不可欠な作業である資料の読み込みについて練習するため,雑誌記事や研究論文などの一部について要約文を作成します。
【準備学習】
前回授業時に配布された資料プリントをあらかじめ読んでおいてください。
第8回資料の読解と要約(2)前回に引き続き要約文の作成を練習し,資料の内容を的確に読み取り,それを自身の言葉でまとめる方法を学びます。
【準備学習】
前回授業の課題(要約文)を完成させておいてください。
第9回資料を探す(1) レポートを執筆する際に用いる資料を自らの力で探す方法について,図書館の使い方や各種データベースの利用方法などを中心に学びます。
【準備学習】
自身で大学図書館に足を運び,使い方や本の探し方を復習しておいてください。
第10回資料を探す(2) 前回の授業で学習した資料探しを実践し,重要な点を再確認します。
【準備学習】
レポートのテーマに相応しい資料を独力で探しておいてください。
第11回レポートの執筆(1)レポート課題の様式や,実際に書く際の注意点,また執筆に関わるルールなどについて学び,執筆作業に取りかかります。
【準備学習】
レポート課題の構想を具体的に考えておいてください。
第12回レポートの執筆(2)レポート本文中への資料の引用の方法や,参考文献の提示の仕方を中心に,自らの論の根拠を明確に示す方法について学びます。
【準備学習】
レポート課題執筆に際して自分が使用する資料の出典や書誌情報を確認しておいてください。
第13回レポートの執筆(3) レポート本文の内,本論の前後で導入と結びの働きをする序論と結論について,それぞれの役割と執筆の際の注意点について学びます。
【準備学習】
ここまで執筆したレポートの本論を読み直し,序論と結論に必要な内容について考えておいてください。
第14回レポートの執筆(4)完成に近づいたレポート課題を見直す際のポイントや,提出に際して整えるべき体裁などについて学びます。
【準備学習】
ここまで執筆したレポート全体を読み直しておいてください。
第15回中間のまとめまとめ
第16回後期の導入前期の授業を振り返りながら,より本格的なレポートの執筆を目指す後期の授業内容について説明します。
【準備学習】
前期授業のノートやプリントを読んで復習しておいてください。
第17回文章執筆の基本の再確認前期の学習内容の復習を兼ねて,文章の執筆を通して基本事項について再確認します。
【準備学習】
前回授業の課題(あるテーマについての短い文章を書く)に取り組んでください。
第18回テーマの選定後期のレポートを執筆する際のテーマを考えます。題材の選定方法や,注意すべき点などについて理解します。
【準備学習】
自分がレポートで扱いたいテーマについて考えておいてください。
第19回先行研究の調査各自のテーマに従って先行研究を調査する方法について考えます。前期に学習した資料調査の方法を復習しながら,より確実に適切な資料を見つける方法について理解します。
【準備学習】
前回授業の課題(自身のテーマに基づいて資料を探す)に取り組んでください。
第20回プレゼンテーションの方法調査内容について口頭発表を行う際の方法や、配付資料の作成方法および注意点について学びます。
【準備学習】
前回授業の課題(先行研究の調査)に取り組んでください。
第21回プレゼンテーションの準備次週以降のプレゼンテーションを準備するにあたって注意すべき点や確認すべき点について学びます。
【準備学習】
前回授業の課題(プレゼンテーションの大枠を組み立てる)に取り組んでください。
第22回プレゼンテーション(1) 受講者全員によるプレゼンテーション(第1グループ)を一人ずつ実施します。発表後は受講者からの質問などを行い,今後の発表やレポート執筆に役立てていきます。
【準備学習】
プレゼンテーションの方法、注意点について学んだことを復習しておいてください。
第23回プレゼンテーション(2)第2グループによるプレゼンテーションを前回同様に実施します。
【準備学習】
第1グループ発表者の資料を読んで復習しておいてください。
第24回プレゼンテーション(3)第3グループによるプレゼンテーションを前回同様に実施します。
【準備学習】
第2グループ発表者の資料を読んで復習しておいてください。
第25回プレゼンテーション(4)第4グループによるプレゼンテーションを前回同様に実施します。
【準備学習】
第3グループ発表者の資料を読んで復習しておいてください。
第26回プレゼンテーション(5)第5グループによるプレゼンテーションを前回同様に実施します。
【準備学習】
第4グループ発表者の資料を読んで復習しておいてください。
第27回レポートの執筆(1)プレゼンテーションの結果を踏まえながら,調査内容をまとめてレポートの執筆を行います。
【準備学習】
プレゼンテーション後の改善点を反映させつつ,前回授業時に指示のあった箇所までレポートを完成させておいてください。
第28回レポートの執筆(2)レポートの執筆において重要となる自身の意見と他者の意見(資料の内容)との区別についてあらためて学びます。
【準備学習】
前回授業時に指示のあった箇所までレポートを完成させておいてください。
第29回理解度の確認要点のまとめ。レポートの形式として不可欠な引用箇所および資料の明示,参考文献一覧の作成といった事柄が適切な形で備わっているかを再確認します。
【準備学習】
前回授業時に指示のあった箇所までレポートを完成させておいてください。
第30回まとめまとめ
授業形式 講義を受講する→課題に取り組み提出する→課題の修正点を見直す,というサイクルを基本とします。受講者はほぼ毎週のように文章の執筆に関連した作業をすることとなります。また,プレゼンテーションの練習では全員に発表を行ってもらいます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 40% 0% 30% 30% 100%
評価の特記事項 毎回の出席と課題への取り組みを基本とし,それらに加えて最終レポートによって評価を行います。
テキスト 特に指定しません。必要なプリント等はこちらで配布します。
参考文献 適宜指示します。
オフィスアワー(授業相談) 火曜日14:40~15:40を原則としますが、事前にアポイントをとってください。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 本授業は文章執筆の練習という性格上,継続的な努力が求められます。従って,原則として欠席は認められません。(ただし,必要書類がある場合は考慮の対象となります。なお,欠席時に配布プリントを入手できなかったとしても,後日の再配布には一切応じません。)
また,遅刻・途中入退室・飲食・私語・携帯電話やスマートフォンの操作など授業の進行を妨げる行為は禁じます。その他ルールなどについては第1回目のガイダンスで説明するので,受講希望者は必ず出席してください。
なお,留学生の受講希望者は日本語に関する一定の学力を備えていることが望まれます。