講義名 社会学 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火5
単位数 4

担当教員
氏名
明戸 隆浩

学習目標(到達目標) (1)現代社会に見られるさまざまな問題についての知識を習得し,それに対する社会学的な見方を学ぶ
(2)(1)で得た知識や見方を活用し,自分自身の考えをレポートにまとめたり,人前で発表したりする力を養う
(3)(1)(2)を通して,日常生活や将来の仕事で何か問題が生じたり,政策に対する判断が必要になった際に,的確に考えられる力を身につける
授業概要(教育目的)  社会学は,複数の社会現象のあいだの関係を,人々の「意識」や「行動」という観点から分析する学問です.
 この授業は大きく前半(第1回~15回)と後半(第16回~30回)に分かれます.まず前半では,現代の日本社会に見られるさまざまな問題を,「格差」「メリトクラシー」「差異」「コミュニティ」という4つのキーワードをもとに,広く見ていきます.また後半では,前半で扱った問題を「ナショナリズム」「エスニシティ」「マジョリティとマイノリティ」といった視点からとらえ直し,そこからどのようなものが見えてくるのかを考えていきます.
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション授業全体の流れについて説明します
第2回「教育」の社会学みなさんにとってもっとも身近であろう「教育」の問題を,「メリトクラシー」(能力主義)という視点から考えます
第3回「労働」の社会学みなさんにとってもっとも切実であろう「労働」(仕事)の問題を,前回に引き続いて「メリトクラシー」という視点から考えます
第4回「ジェンダー」の社会学みなさんにとってもっとも身近かつ重要な「差異」である「ジェンダー」(男女の違い)について考えます
第5回「家族」の社会学「コミュニティ」(共同体)は現代社会にとっても社会学にとっても最重要なテーマの一つですが,その一つとして「家族」について考えます
第6回「階層」の社会学2000年代以降急速に問題化した「格差」ですが,これについて社会学の伝統的なテーマである「階層」の観点から考えます
第7回「社会保障」の社会学前回の議論をふまえて,「格差」の問題の解決を考える上で避けて通れない「社会保障」の問題について,おもに「年金」に焦点を当てて考えます
第8回「地域」の社会学第5回の授業を振り返りつつ,もう一つの重要な「コミュニティ」である「地域」について,その「なじみの薄さ」も含めて考え直していきます
第9回社会学の方法(前編)社会学の基本的な考え方について,社会学の歴史を簡単に振り返りながら説明します
第10回社会学の方法(後編)(第9回と同じ)
第11回中間レポート&プレゼンテーションに向けて第14回の中間プレゼンテーションに向けて,自分の考えをどうまとめ,どう表現するかについてレクチャーします
第12回グループディスカッションⅠ中間プレゼンテーションに向けての「慣らし」として,グループディスカッションを行います.テーマはみなさんの希望もふまえて開講後に決定します
第13回グループディスカッションⅡ(第12回と同じ)
第14回中間プレゼンテーション前半に扱ったさまざまなテーマの中から自分の興味のあるものを選んで社会学的な検討を行い,その結果をレポートにまとめた上で、その概要についてのプレゼンテーションおよびコメント交換をグループワーク形式で行います
第15回中間のまとめまとめ
第16回後半イントロダクション後半の授業の流れについて説明します
第17回「国籍」の社会学「国籍」という制度を概観しながら,「国民」と「外国人」を隔てる制度的な違いについて考えます
第18回「在日コリアン」の社会学日本で「国籍」や「外国人」について考える上でもっとも重要なテーマである「在日コリアン」の歴史と現在について考えます
第19回「外国人と労働」の社会学前半で扱った社会学的なテーマのうち,外国人に関わるものとしてはもっとも重要な「労働」について考えます
第20回「外国人と地域」の社会学引き続き前半で扱った社会学的なテーマから,「地域」と外国人のかかわりについて考えます
第21回「外国人と教育」の社会学引き続き前半で扱った社会学的なテーマから,「教育」と外国人のかかわりについて考えます
第22回「アイヌ」の社会学「国籍」の違いではなく「エスニシティ」の違いにかかわる事例として,「アイヌ」の人々について考えます
第23回「ナショナリズム」の社会学自分が所属する国に愛着をもつこと(「ナショナリズム」)について、ワールドカップサッカーなどを事例に考えます
第24回「排外主義」の社会学「国民」と「外国人」の違いに過剰に意味を見出し、後者を排除しようとすること(「排外主義」)が、どのような問題を引き起こすのかについて考えます
第25回「多文化社会」の社会学後半に扱ってきた国籍やエスニシティの差異,さらにはそうしさ差異に対する考え方の違いもふまえて,今後何が必要かについて考えます
第26回最終レポート&プレゼンテーションに向けて第29回の最終プレゼンテーションに向けて,自分の考えをどうまとめ,どう表現するかについてレクチャーします
第27回グループディスカッションⅢ最終プレゼンテーションに向けての「慣らし」として,グループディスカッションを行います.テーマはみなさんの希望もふまえて開講後に決定します
第28回グループディスカッションⅣ(第27回と同じ)
第29回最終プレゼンテーション後半に扱ったさまざまなテーマの中から自分の興味のあるものを選んで社会学的な検討を行い,その結果をレポートにまとめた上で、その概要についてのプレゼンテーションおよびコメント交換をグループワーク形式で行います
第30回まとめまとめ
授業形式  講義形式ですが,毎回のリアクションペーパー,グループディスカッション,まとめのプレゼンテーションなど,授業への積極的な参加が必要となります.
 なお毎回の授業は,基本的に次のような要素から構成されます.(1)関連する資料を読んだり,映像を見たりする.(2)背景となる基礎的な知識についての講義を聴く.(3)みなさん自身が考えたことをリアクションペーパー(A4一枚程度)に書く.
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
0% 50% 0% 30% 20% 100%
評価の特記事項 「その他」はプレゼンテーションの配点です。レポートとプレゼンテーションは中間・最終合わせて2回の提出および参加が必要です。講義態度は,毎回配布するリアクションペーパーで判断します
テキスト 毎回資料を配布します
参考文献 長谷川公一・浜日出夫・藤村正之・町村敬志『社会学』有斐閣,3675円.
宮島喬編『現代社会学』改訂版,有斐閣,3045円.
アンソニー・ギデンズ『社会学』第5版,松尾精文ほか訳,而立書房,3780円.
オフィスアワー(授業相談) 授業後に対応します
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 毎回のリアクションペーパー,グループディスカッション,まとめのプレゼンテーションなどを通じて,授業に積極的に参加したい学生の受講をお待ちしています