回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 講義の目的・内容・試験、講義の進め方や、講義を受ける際の諸注意等について説明する。
【事前学習】
シラバスで講義の目標や目的、注意事項などを確認しておくこと。 |
第2回 | 「(近代)文学」とはなにか | 明治維新期における「文学」概念について解説する。特に、福沢諭吉の著述活動の社会的役割を明らかにする。
《言及予定作品》
福沢諭吉『学問のすゝめ』『西洋事情』「かたは娘」など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第3回 | 啓蒙と戯作 | 明治10年代の啓蒙主義の流行と、戯作文学の関係について解説する。
《言及予定作品》
福沢諭吉『窮理図解』仮名垣魯文『胡瓜遣』『西洋道中膝栗毛』など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第4回 | 「新聞」の発達 | 明治初期の「新聞」という媒体が果たした社会的役割を解説する。特に、戯作文学の従事者が、新聞メディアの発達にどのように寄与したかを明らかにする。
《言及予定作品》
久保田彦作『鳥追阿松海上新話』など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第5回 | 国会開設と「言文一致」 | 坪内逍遥や二葉亭四迷によって提唱された「言文一致」運動が、国会開設に先立って「国民」をどのようにデザインしようとしていたかについて解説する。
《言及予定作品》
坪内逍遥『小説神髄』二葉亭四迷『浮雲』「あひゞき」国木田独歩『武蔵野』尾崎紅葉『多情多恨』森鴎外「舞姫」など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第6回 | 「貧民」ルポルタージュ | 日清戦争前後に現れた下層社会ルポルタージュ(松原岩五郎『最暗黒の東京』など)を取り上げ、そこに住む人々が「文学」の中でどのように可視化されていったかを明らかにする。
《言及予定作品》
松原岩五郎『最暗黒の東京』泉鏡花「貧民倶楽部」など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第7回 | 日清戦後文学 | 日清戦争後に現れた「悲惨(観念)小説」の流行について解説すると共に、泉鏡花の「海城發電」を踏まえて、この時期に現れた「人間」を描けという要請の意味を明らかにする。
《言及予定作品》
泉鏡花「海城發電」「夜行巡査」広津柳郎「変目伝」など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第8回 | 「個」と「ヒューマニチー」の希求 | キリスト教(主としてプロテスタント)の移入と共に発露した「ヒューマニチー」=人間性尊重の機運が、日本文学に与えた影響について、特にハインリヒ・ハイネの受容に着目しつつ解説する。
《言及予定作品》
内村鑑三『余は如何にして基督信徒となりし乎』泉鏡花『風流線』など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第9回 | 日露戦後文学 | 日露戦争後に台頭した島崎藤村・田山花袋ら自然主義の一派が担った役割を中心に解説する。
《言及予定作品》
島崎藤村『破戒』徳田秋声『黴』夏目漱石『吾輩は猫である』『坊ちゃん』『三四郎』森鴎外『青年』など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第10回 | 三越という「文化」事業 | 三越百貨店が、その独自の消費文化を成立させる際、文学者・芸術家をどのように動員していったかについて解説する。
《言及予定作品》
尾崎紅葉「むそう裏」泉鏡花「月下園」など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第11回 | 表現規制と芸術 | 日露戦後に特に厳しくなった風紀統制の下、文学者・美術家たちがどのような表現を行い、その統制に抵抗しようとしていたのかについて、雑誌『明星』などの動向を中心に解説する。
《言及予定作品》
与謝野晶子『みだれ髪」「君死にたまふことなかれ」など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第12回 | 他者としての「女」 | 樋口一葉ら「閨秀作家」から、日露戦後に現れた「新しい女」までの系譜を解説し、近代化の過程で、女性がどのように文学に関わり、また、小説等の中でどのように描かれたのかを明らかにする。特に、田山花袋の「蒲団」に現れる「女学生」(少女)については、詳しく検討する。
《言及予定作品》
樋口一葉「たけくらべ」田山花袋「蒲団」「少女病」小杉天外『魔風恋風』泉鏡花『婦系図』など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第13回 | 「時代閉塞の現状」 | 石川啄木による自然主義批判と、「大逆事件」に関わる詩などを踏まえ、明治末期に生じた「時代閉塞」の意味について解説する。
《言及予定作品》
石川啄木「時代閉塞の現状」永井荷風「花火」夏目漱石『こゝろ』森鴎外「かのやうに」など
【事前学習】
前回講義に配布された資料に目を通し、質問に答えられるようにしておくこと。 |
第14回 | 「明治」という時代 | これまでの講義を総括し、明治期における文学が、日本の近代において、どのような役割を果たしたのかについてまとめる。
【事前学習】
これまでの講義の内容を復習し、整理しておくこと。 |
第15回 | まとめ | まとめ |