講義名 ミクロ経済学Ⅱ　≪◇学部≫
講義開講時期 後期
曜日･時限 水３
単位数 2

担当教員
氏名
宋　永圭

学習目標(到達目標) 我々はミクロ経済学Ⅰにおいて，完全競争市場の下では最も効率的な資源配分が達成されることを学んだが，現実にはさまざまな理由から「市場の失敗」が発生し，必ずしも効率的な資源配分が保証されるとは限らない。「ミクロ経済学Ⅱ」では，こうした「市場の失敗」を生む諸要因を中心に学び，市場メカニズムの限界を認識すると同時に，それをどのように克服していくかについての理解を深める。ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱを通じ，ミクロ経済学全般の幅広い「基礎知識」を身につけ，その中で「経済学的な考え方」と「分析手法」を養い，応用・展開科目を学ぶ土台を築くことを目標とする。
授業概要(教育目的) ミクロ経済学Ⅱは，不完全競争市場における経済主体の行動，資源配分の効率性及び市場の限界に関する問題の学習を主とする。下記の共通テキスト（ミクロ経済学Ⅰと共通）を用い，9章～13章と4章の4.3節を講義範囲として，半期の授業を通じて学ぶ。

定期試験で実施される共通試験が，評価の５０％となる。
共通試験は，下記の共通テキストの
9章の9.1～9.3節 （但し，P.268～272とP.272～273の「劣加法性」を除く）
10章の10.1～10.4節 （但し，P.297～299の「支配される戦略」，P.301の「コイン・ゲームと混合戦略」，P.306～308を除く）
11章の11.1～11.4節と11.7節
12章の12.1～12.2節と12.4～12.5節
4章の4.3節

（但し，各Column，Case study，Close Upを除く）

なお，講義範囲が共通試験範囲を超える部分の扱いについては各担当教員のシラバスに従う。また，ミクロ経済学Ⅱの履修はミクロ経済学Ⅰの単位取得を前提としている。高校までの数学の基礎知識の予習復習を強く勧める。
授業計画表
 
回項目内容
第1回ガイダンス・独占・寡占、ゲームの理論、外部性、不確実性とは何か
・完全競争市場と不完全競争市場との違いについて
第2回第１部：独占・独占①：独占企業の特徴、独占企業の利潤最大化
・準備学習：教科書の「生産の決定」を復習しておくこと
第3回第１部：独占・独占②：独占の弊害（独占の超過負担）と独占度
・準備学習：教科書の「市場と均衡」を復習しておくこと
第4回第１部：独占・独占③：自然独占、セットアップコスト、２部料金制度
・準備学習：教科書の「企業と費用」を復習しておくこと
第5回第２部：ゲームの理論・ゲーム論①：プレーヤーと戦略、囚人のディレンマ、ナッシュ均衡
・準備学習：ゲーム論について自ら調べてみること
第6回第２部：ゲームの理論・ゲーム論②：動学的なゲーム、部分ゲーム完全均衡
・準備学習：ゲーム論について自ら調べてみること
第7回第２部：ゲームの理論・ゲーム論③：有限回の繰り返しゲーム、無限回の繰り返しゲーム
・準備学習：ゲーム論について自ら調べてみること
第8回小テスト持ち込み可の論述式テスト
第9回第３部：寡占・寡占①：屈折需要曲線の理論、カルテルの誘因とゲーム
・準備学習：5,6,7回目の講義を復習しておくこと
第10回第３部：寡占・寡占②：クールノー・モデル、クールノー均衡と囚人のディレンマ
・準備学習：5,6,7回目の講義を復習しておくこと
第11回第３部：寡占・寡占③：参入阻止行動、独占的競争
・準備学習：5,6,7回目の講義を復習しておくこと
第12回第４部：外部性・外部性①：市場の失敗、公害の超過負担、最適な資源配分
・準備学習：教科書の「市場と均衡」を復習しておくこと
第13回第４部：外部性・外部性②：公共財の最適供給、フリーライダー（ただ乗り）の問題
・準備学習：教科書の「市場と均衡」を復習しておくこと
第14回第５部：不確実性・不確実性：リスク分散、期待値、期待効用
・準備学習：リスクの定義について自ら調べてみること
第15回まとめまとめ
授業形式 講義形式
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
（出席） 		その他 合計
50% 0% 35% 15% 0% 100%
テキスト 井堀利宏『入門ミクロ経済学』第2版，新世社.
参考文献 梶井厚志，松井彰彦『ミクロ経済学 戦略的アプローチ』日本評論社.
川西諭『ゲーム理論の思考法』中経出版.
オフィスアワー(授業相談) 授業終了後に教室で相談に乗ります。
事前学習の内容など，学生へのメッセージ ・ミクロ経済学２では、ミクロ経済学１で学んだ合理的分析手法をさらに発展させて行きます。
・ミクロ経済学は積み重ねの学問であり、段階的に学習していくことが何よりも重要です。授業後には復習を徹底にしながら、教科書の該当する節をしっかりと読んで行きましょう。
・授業では、数式やグラフを用いることが多いです。授業中には、必ずノートを取り、定期試験と小テストに備えなければなりません。