講義名 マルクス経済学 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金5
単位数 4

担当教員
氏名
佐々木 隆治

学習目標(到達目標) 1 マルクス経済学の基本的な考えを方を身につけ,商品、貨幣、資本などの基本概念について正確に説明できる。
2 資本主義的生産が、人類史の到達点であると同時に,その通過点でもあるという理解の仕方を身につけ,経済的諸現象を批判的に分析する能力を獲得する。
3 現代社会の経済的諸問題を,資本主義的生産の持つ対立的な性格と関連づけて理解し,説明することができる。
授業概要(教育目的) 本講義では,マルクスの経済学批判体系の基礎部分について解説する。マルクス経済学の方法論について講義した後,前半では,賃労働という特殊な労働形態に焦点をあて,商品,貨幣,資本などの基礎概念について解説する。後半では,資本主義的生産様式に固有な恐慌という現象に焦点をあて,資本蓄積,社会的総資本の再生産,利潤,利子,信用などを扱う。必要におうじて,現代的問題との関連についても解説する。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンスマルクスの経済学批判の基本的見地を確認する。
第2回マルクスの方法マルクスの唯物論的方法について解説する。
第3回商品①商品の使用価値、交換価値、価値、価格について解説する。また、労働価値説の基本的な考え方についても解説する。
第4回商品②労働の二面的性格と生産力、さらには市場メカニズムとの関連ついて解説する。
第5回商品③なぜ商品が存在するのかについて解説する。物象化と物神崇拝についても扱う。
第6回貨幣①商品の価値表現と価値形態について扱い、貨幣の生成について説明する。
第7回貨幣②交換過程論について扱い、物象の人格化について説明する。
第8回貨幣③貨幣の機能(価値尺度、流通手段、蓄蔵貨幣、支払い手段)について扱う。
第9回資本①労働力商品、賃労働、資本の価値増殖のメカニズムについて解説する。
第10回資本②労働過程と価値増殖過程の関連、可変資本と不変資本について解説する。
第11回絶対的剰余価値労働日の延長による絶対的剰余価値の生産について解説する。
第12回相対的剰余価値①生産力の上昇による相対的剰余価値の生産について解説する。
第13回相対的剰余価値②生産力上昇のための労働過程の技術的変革とその特殊な性格について解説する。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回資本蓄積①商品生産の所有法則、資本主義的取得法則について解説する。
第17回資本蓄積②資本蓄積と相対的過剰人口との関連について解説する。
第18回資本主義の歴史的起源とそのゆくえ本源的蓄積と資本主義的蓄積の歴史的傾向、未来社会としてのアソシエーションについて解説する。
第19回資本の循環と回転循環論と回転論のポイントについて簡潔に解説する。
第20回社会的総資本の再生産①単純再生産表式とその意味について解説する。
第21回社会的総資本の再生産②社会的総資本の再生産を流通手段としての貨幣が媒介する必要性、さらには拡大再生産についても扱う。
第22回利潤①舞台が本質論から現象論へと転じたことを確認したうえで、剰余価値の利潤への転換について解説する。
第23回利潤②平均利潤率と生産価格の成立について扱う。
第24回利潤③利潤率の傾向的低下の法則について解説する。
第25回利潤④利潤率の傾向的低下の法則と産業循環及び恐慌との関連について扱う。
第26回利子生み資本①利子生み資本について解説する。
第27回利子生み資本②銀行制度の二つの側面について解説する。
第28回利子生み資本③架空資本、高度に発展した信用システムと産業循環及び恐慌との関連について扱う。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 レジュメを配布し、講義形式でおこなう。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
90% 0% 10% 0% 0% 100%
テキスト 佐々木隆治『私たちはなぜ働くのか』旬報社,1404円.
参考文献 大谷禎之介『図解 社会経済学』桜井書店、3240円.
佐々木隆治『カール・マルクス』ちくま新書、929円.
オフィスアワー(授業相談) 授業で説明したアドレスに連絡して、アポイントメントをとってください。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 指定したテキストおよび参考文献をもちいて、事前に予習しておくことが望ましい。