講義名 工業経済論 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金5
単位数 4

担当教員
氏名
草原 光明

学習目標(到達目標) 工業経済論の課題と研究方法が分かることを目指します。資本制的工業の基本的な性格はどのようなものか、工業にはどんな種類のものがあるか、工業は経済の再生産においてどのような役割を果たすか、他の産業とどのような関係にあるか、工業は地域的に・国際的にどのような分業関係におかれているか、工業の担い手である企業はどのような状況にあるかについて、基礎的な知識が身につくようにします。
授業概要(教育目的) 1.現代工業の状況と工業経済論の性格 2.産業革命と工業化の進展 3.資本制的工業が分かるための基礎理論 4.工業における資本蓄積と独占 5.現代日本の工業経済(企業・産業・産業構造)6.グローバル化とアジアの工業化という具体的な事柄を学習し、講義を熱心に聴くことによって、大学生として恥ずかしくない学力が身に付きます。
授業計画表
 
項目内容
第1回経済指標と現代の工業工業の位置(GDP,就業者数、資本ストック、設備投資、研究費、法人企業数、資本構成、規模別構成)工業経済論の課題、工業経済論の研究方法論を学びます。[準備学習:教科書の第1章を丁寧に読みましょう。]
第2回資本主義工業の基本的性格 工業生産一般  特殊歴史的性格ーー資本制的生産方法がいかなるものかをその内的連関を把握できることで学生としての能力が身に付きます。[準備学習:教科書の第1章第二節を熟読するとよいでしょう。流し読みはだめです。]
第3回工業活動の分類と統計 産業分類 統計調査と統計表 再生産の2部門分割ー工業活動の現実をみる力が付きます。どんなデータがあるかもわかってきます。[準備学習:統計学の基礎を復習しておきましょう。]
第4回産業革命の諸説 アドルフ・ブランキ F.エンゲルス A.トインビー
クラッパム アシュトン ランデス ロストウ
ディーン コール クラフツ モキア バーグ ハドソン ケイン-=ホプキンス[準備学習:教科書第2章第一節を読みましょう。教科書の参考文献を読みましょう。]
第5回産業革命の前提条件 農業革命 国内市場の拡大・深化 輸送手段の統一 手形市場 流通組織 市民革命[準備学習:教科書の第2章第二節を読んでおきましょう。]
第6回産業革命の展開 労賃水準 原綿価格 海外市場 綿工業 羊毛工業と技術の連関 生産工程と技術革新 動力機 機械制大工業
素材産業 燃料転換 [準備学習:教科書の第2章第2節を熟読しましょう。]
第7回農業革命の終了 ノーフォーク型輪作農法 開放耕地制度 農業技術
土地所有制度 資本の本源的蓄積 [準備学習:教科書の第2章第二節を読みましょう。アダム・スミスの「国富論」を読んでおくとさらによいでしょう。とくに原始的蓄積について]
第8回交通革命 鉄道 運河 ターンパイク 大洋航路
所有制度とパートナーシップ [準備学習:教科書の第2章第2節第4項を学習しておきましょう。]
第9回産業資本の確立 自律的な再生産の機構 工業化 資本賃労働関係 産業革命と市民生活 金融機構 労働法 原生的労働関係 穀物法の廃止 エネルギー革命 (準備学習:教科書第2章第2節第5項をじっくりと読みましょう。総合する見地から読みましょう。)
第10回「世界の工場」イギリス 国際分業関係の成立 自由貿易帝国主義説 補完体制(信用力 輸送力)[準備学習:教科書の第2章第2節第6項を読みましょう。中国の世界の工場という評価との比較も面白いですよ。]
第11回労働過程商品生産(使用価値と価値の統一) 労働過程と価値形成過程の統一 労働過程の単純な諸契機 労働 労働対象 労働手段 [準備学習:全体としてマルクスの『資本論』第1巻を読みましょう。ピケティの『資本論』ではありません。教科書の第3章をじっくり読んでおきます。]
第12回価値増殖過程 労働力の消費過程 労働力商品と生産手段商品の消費
交換価値の生産 剰余価値の生産 労働力商品の特殊性
商品生産の資本制的形態 [準備学習:教科書の第3章を読みましょう。こま切れではなく第3章全体です。]
第13回不変資本と可変資本 労働過程での価値の移転 価値の移転の仕方の違い
価値形成過程での新価値の形成 不変資本概念と可変資本概念 [準備学習:教科書の第3章を読みます。]
第14回剰余価値率と労働日(労働日の限界) 剰余価値の源泉 剰余価値率 必要労働 剰余労働 一労働日の構成 一労働日の大きさの決定 労働日の最大限度 標準労働日 労働日をめぐる権利の対立 賦役労働 工場法 交代制 [準備学習:教科書の第3章を読みましょう。]
第15回剰余価値率と労働日(標準労働日) 絶対的剰余価値の生産 相対的剰余価値の生産 生産様式の変革 個別価値と社会的価値の乖離 特別剰余価値
実現条件 標準化の結果 [準備学習:教科書の第3章を読みましょう。]
授業形式 講義の順序に沿って教科書を用いながら講義形式で授業する。
注意:上記講義回は実際には、それぞれ2回の講義時間でそれぞれの講義内容を完結する。したがって、通年30回分の講義内容となる。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
70% 0% 0% 30% 0% 100%
評価の特記事項 試験問題は記述式で出題する。その狙いは、専門書が読めるようになることと、専門的な事柄を文章で説明できるようになることを目指すからです。
テキスト 金田重喜 編著 『新版・ 現代工業経済論』 創風社、3500円 
参考文献 授業中に指示します。
オフィスアワー(授業相談) 本授業終了後、本館2階講師室にて20分間は対応しています。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 入学したときにもらった「学部要覧」を読んで学習計画を立ててください。