講義名 アメリカ経済論 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 火1
単位数 4

担当教員
氏名
坪内 浩

学習目標(到達目標) 次の3つの点の理解を目標とします。1)アメリカ経済の特徴,2)マクロ・ミクロ経済学の理論と実践,3)2000年代以降のアメリカ経済の変化。
授業概要(教育目的) 本講義では,アメリカ経済の様々な制度がどのように形作られてきたか,またアメリカにおいて経済学という学問がどのように発展し実践されてきたか講述します。その際,日米の経済関係についても触れる予定です。
制度や考え方は歴史に依存しており,アメリカ経済の様々な制度はアメリカの歴史の中で形作られてきました。それらは日本経済の制度にも多大な影響を与えています。また,我々が学んでいる経済学という学問もアメリカ経済の仕組みを理解するための物差しとして発展してきたものです。
授業計画表
 
項目内容
第1回はじめに~アメリカ経済を学ぶために~講義の進め方,評価方法などを説明します。
第2回アメリカ経済と取り巻く最近の諸問題(1):リーマンショック【準備学習】テキスト第9章1.及び参考文献(小野・安井)第1章を読むこと。
第3回アメリカ経済と取り巻く最近の諸問題(2):財政の崖問題他【準備学習】テキスト第9章2.と3.と4.及び参考文献(小野・安井)第2章1.と2.と3.を読むこと。
第4回アメリカの政治経済システム(1):建国の理念独立戦争,政党政治の系譜

【準備学習】テキスト第1章1.を読むこと。
第5回アメリカの政治経済システム(2):分断されたアメリカ"Red States"と"Blue States",三権分立と州権主義

【準備学習】テキスト第1章2.を読むこと。
第6回19世紀から20世紀初頭の経済発展(1):小さな政府インフラ整備,土地制度,奴隷制度と南北戦争

【準備学習】テキスト第2章1.を読むこと。
第7回19世紀から20世紀初頭の経済発展(2):金融制度の確立中央銀行の興廃,農民運動と金本位制の確立,資本市場の発達と連邦準備制度の設立

【準備学習】テキスト第2章2.を読むこと。
第8回19世紀から20世紀初頭の経済発展(3):大恐慌とニューディール政策大恐慌の原因,政策・制度の不備,ニューディール政策、産業復興政策の挫折,公共事業と財政政策

【準備学習】テキスト第2章3.と「大恐慌は再来するか」を読むこと。
第9回マクロ財政・金融政策(1):マクロ経済政策ケインジアン経済政策,財政政策,金融政策

【準備学習】テキスト第3章1.を読むこと。
第10回マクロ財政・金融政策(2):マクロ経済政策の理論総需要・総供給曲線,フィリップス曲線

【準備学習】テキスト第3章2.(1),(2)と「数学付録」を読むこと。
第11回マクロ財政・金融政策(3):マクロ経済政策の理論(続き)スタグフレーションとケインジアン理論への批判,マネタリズムの台頭,ルールか裁量か

【準備学習】テキスト第3章2.(3),(4),(5)を読むこと。
第12回マクロ財政・金融政策(4):マクロ経済政策の実際1950年代―1970年代の政策,レーガノミクス,1990年代の経済成長

【準備学習】テキスト第3章3.を読むこと。
第13回マクロ財政・金融政策(5):金融システムの規制と金融革新金融政策のターゲット,銀行の出店規制と金利規制,証券と銀行の分離,新たな金融商品の登場

【準備学習】テキスト第3章4.を読むこと。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回ミクロ経済学と競争政策(1):反トラスト法の経済学反トラスト法の成立,競争の形態,独占の弊害

【準備学習】テキスト第4章1.を読むこと。
第17回ミクロ経済学と競争政策(2):反トラスト法の経済学(続き),支配的企業の役割ハーバード学派とシカゴ学派,企業分割,価格差別

【準備学習】テキスト第4章2.を読むこと。
第18回ミクロ経済学と競争政策(3):支配的企業の役割(続き),合併・カルテルの規制略奪的価格,抱き合わせ販売,水平合併

【準備学習】テキスト第4章3.を読むこと。
第19回ミクロ経済学と競争政策(4):合併・カルテルの規制(続き)垂直合併,混合合併,カルテルと企業間連携

【準備学習】テキスト第4章3.を読むこと。
第20回ミクロ経済学と競争政策(5):垂直的取引制限再販売価格維持,テリトリー制,専売制(排他的特約店契約)

【準備学習】テキスト第4章4.と「反トラスト法の域外適用」を読むこと。
第21回企業システムと産業構造(1):アメリカの企業システムアメリカの産業技術の特色,垂直統合型大企業の誕生

【準備学習】テキスト第5章1.を読むこと。
第22回企業システムと産業構造(2):モノづくりの盛衰製造業の苦境,工学教育,産業政策論争,アメリカ産業の復活とモジュール化,サービス産業化

【準備学習】テキスト第5章2.を読むこと。
第23回企業システムと産業構造(3):コーポレートガバナンスアメリカ型の特徴,株価重視経営の功罪

【準備学習】テキスト第5章3.と「買収防止策」を読むこと。
第24回所得格差と貧困問題(1):所得格差の拡大とその要因,貧困の深刻さとその特徴各国における格差の高まり,近年の格差拡大要因,アメリカンドリームは霧消したか,貧困の定義と基準,貧困の現状

【準備学習】テキスト第6章1.と2.を読むこと。
第25回所得格差と貧困問題(2):経済学と格差・貧困問題,格差縮小に向けて格差に関する経済学理論,貧困問題と都市経済学

【準備学習】テキスト第6章3.と4.と「最低賃金の引き上げは貧困層にプラスか?」を読むこと。
第26回地域発展の歴史と都市化(1):地域発展の基盤,都市化の進展領土拡張の歴史,交通網の整備と移民,工業化と都市の誕生

【準備学習】テキスト第7章1.と2.を読むこと。
第27回地域発展の歴史と都市化(2):都市化の進展(続き),産業集積地の盛衰都市の存在と経済学,都市の空間構造の変化,都市と製造業,フロストベルトとサンベルト

【準備学習】テキスト第7章3.と「なぜデトロイト市は財政破綻したのか?」を読むこと。
第28回貿易・国際金融体制の変化(1):近年の貿易の特徴マクロ面での傾向,ミクロ面での傾向

【準備学習】テキスト第8章1.を読むこと。
第29回貿易・国際金融体制の変化(2):戦後の貿易・国際金融体制の構築,ニクソンショック以降の動きブレトンウッズ体制の成立,ブレトンウッズ体制の崩壊

【準備学習】テキスト第8章2.と3.と「大航海時代と海賊」を読むこと。
第30回まとめ16回以降の要点のまとめ
授業形式 1)講義は基本的には板書形式ですので,ノートをとりながら聴いてください。
2)グラフや表などのプリントを配布することがあります。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 0% 0% 0% 50% 100%
評価の特記事項 定期試験を50%,その他(講義態度(出席)やレポート,小テストなど)を50%として,合計して評価を行う。
授業時間内に,小テスト(小レポート)を行う場合がある。
テキスト 宮田由紀夫・玉井敬人『アメリカ経済論入門』晃洋書房,2016年,2400円+税.
※毎回の授業に,この授業のテキスト(教科書)を持参することが望ましい。
参考文献 小野亮・安井明彦著『やっぱりアメリカ経済を学びなさい』東洋経済新報社,2013年,1600円+税.
村山裕三・地主敏樹・加藤一誠編著『現代アメリカ経済論』ミネルヴァ書房,2011年,3500円+税.
オフィスアワー(授業相談) 他の履修学生の理解にもつながるので,授業内容に関する質問は,基本的には授業時間内に答えます。積極的な質問を期待します。
質問が授業内容の範囲を超える場合には,授業終了時にアポイントメントを取り,指示された時間帯に本館2階講師室に来ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ※私語厳禁。
※撮影(写真、動画、写メ)厳禁。
※スマートフォン・携帯電話を机の上に置かず片づけること。
※(学期末)試験では,計算問題や論述式の問題を中心に出題予定です。「マークシート式」の問題を出題する予定はありません。

1)私たちの生活はアメリカの政治,経済,文化から多大な影響を受けています。アメリカ自体に関心をもつことを期待します。
2)アメリカ経済について実感してもらうため,経済の状況を示す統計数字を定期的に記録して提出してもらう予定です。
3)毎回の授業に出席するだけでなく,事前にテキストに目を通して授業に臨む,勉強意欲が高い学生に向いています。