講義名 産業・組織心理学 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金2
単位数 4

担当教員
氏名
櫻井 研司

学習目標(到達目標) (1) 人事管理と評価場面での諸課題を挙げ,これらについて産業・組織心理学の見地から取り組む方法を提案できる。
(2) 組織発展・リーダーシップ・職務動機・組織行動に関する主要理論を背景に,労働者が意欲的に働く方法を提案できる。
(3) 生産的組織行動と非生産的組織行動の背景にある,労働者自身ならびに労働環境要因を説明できる。
授業概要(教育目的) 組織の運営やそのパフォーマンスを理解するうえで人を欠かすことは出来ません。この講義科目では,労働者個人およびグループの組織行動に関して,産業・組織心理学の立場から明らかにされた様々な事項について概説します。 個人としての人間、集団や組織を構成する人間,文化を共有する人間など,様々な側面から組織と労働者に関して学習します。
授業計画表
 
項目内容
第1回オリエンテーション自己紹介・シラバスの説明・講義のすすめ方
第2回産業・組織心理学の歴史スコット,ヤーキーズ,テイラーの学術的な貢献性について紹介する。 映像資料を交えながら,科学的管理法から人間関係論が展開された経緯について説明する。

[予め読んでおく読書課題 = 馬場ら(2005) 1章と13章の1節と2節]
第3回産業・組織心理学における研究・調査法科学と迷信・疑似科学の違いを説明する。 因果関係を支持する条件を説明したうえで,実験研究と相関(観察)研究それぞれの利点・欠点を明らかにする。

[予め読んでおく読書課題 = 高野・岡(2004) 1と2章;レイ (2012) 1章 ⇐ 第2回講義前に配布します]
第4回組織の選択・魅力と労働者の社会的順応休職者の職業選択,および新入社員の組織社会化を,職業選択理論とP-E Fit理論の枠組みから説明する。
第5回雇用の多様化と非正規労働非正規雇用のタイプと雇用条件について説明し,組織と労働者双方の観点から見た非正規労働のメリットとデメリットを明らかにする。

[予め読んでおく読書課題 = 産業・組織心理学ハンドブック (2009) pp.92-107]
第6回人事採用: 仕事の適正・能力・性格成員の募集計画から選抜までの諸課題を踏まえながら,職務分析,面接試験,認知能力,精神運動テスト,および性格テストの有用性ならびに注意点を説明する。

[予め読んでおく読書課題 = 馬場ら(2005) 4章]
第7回人事考(評)価の方法と制度人事評価の理論的な基準と測定基準の違いを明らかにしたうえで,評価の妥当性について説明する。

[予め読んでおく読書課題 = 馬場ら(2005) 5章]
第8回能力開発と教育研修シェインとスーパーのキャリア形成理論を紹介し,事例研究を交えながら教育研修のデザイン・実施・効果の検証方法について説明する。

[予め読んでおく読書課題 = 馬場ら(2005) 7章]
第9回職務動機諸理論 I職務動機の構成概念および測定方法について説明する。 欲求に基づく動機理論の評価について,事例研究を交えながら紹介する。

[予め読んでおく読書課題 = 馬場ら(2005) 3章の1節と2節]
第10回職務動機諸理論 II職務特性および職務環境に基づく動機理論の評価について,事例研究を交えながら紹介する。
第11回職務動機諸理論III認知過程に基づく動機理論の評価について,事例研究を交えながら紹介する。
第12回労働者の感情と組織行動職務満足感の構成概念および測定上の課題について説明する。 また実証研究から明らかとなった職務満足感と,文化,職場環境,および個人特性との関わりについて紹介する。

[予め読んでおく読書課題 = 馬場ら(2005) 3章の3節; ロビンス(2009) 2章と3章]
第13回生産的組織行動と非生産的組織行動生産的組織行動 (組織市民行動)と非生産的組織行動の構成概念を説明したうえで,それらの規定要因を紹介する。

[予め読んでおく読書課題 = 田中(2006); 田中 (2012)]⇐ 第11回講義の後、エコリンクに載せます。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回まとめまとめ
第16回前半の振り返りと後期の学習計画について前期試験を返却した後,学生の発表など後期講義の授業計画についての話し合いを行う。
第17回組織発展諸理論 I組織設計研究の歴史的経緯を簡潔に紹介したうえで,官僚制度組織の長所と短所を明らかにする。サーベイ法とMBOという近代的な組織設計の現状と課題を,事例研究を踏まえながら説明する。

[予め読んでおく読書課題 = 馬場ら(2005) 10章]
第18回組織発展諸理論 II職務設計の様々な手法を紹介し,実証研究に基づくこれらの有用性を検討する。

第19回組織の文化組織文化の構成概念を紹介したうえで,組織文化の創生,伝達,維持を事例研究を交えながら説明する。

[予め読んでおく読書課題 = ロビンス(2009) 14章]
第20回集団行動 I集団(グループ)の概念,集団に属する動機,集団行動に規範をもたらす心理的背景,および集団行動の問題について紹介する。


[予め読んでおく読書課題 = [ロビンス(2009) 7章]
第21回集団行動 II職務チームの概念,評価方法,およびパフォーマンスに影響を及ぼす組織ならびに個人要因について説明する。


[読書課題 = ロビンス(2009) 8章]
第22回職場のコミュニケーションコミュニケーションプロセス理論の枠組みから,コミュニケーションの促進要因と阻害要因について演習を交えながら検討する。


[予め読んでおく読書課題 = ロビンス(2009) 9章]
第23回リーダーシップ諸理論 Iリーダーとリーダーシップの構成概念を明らかにしたうえで,リーダーシップの特性理論を説明する。 特性理論では,特にリーダーの認知的機能と身体的特徴に焦点を絞ってリーダーの選出と機能を検討する。

[予め読んでおく読書課題 = ロビンス(2009) 10章]
第24回リーダーシップ諸理論 IIリーダーシップの行動理論と条件適合理論について説明する。 演習を交えながら,両論の妥当性を比較検討する。
第25回職務ストレス理論 I労働ストレス研究における基礎的な概念を紹介したうえで,現代社会で働く労働者が罹患しうる主な精神疾患について説明する。 また,これらの精神疾患との関連性が示された職務ストレッサーについても明らかにする。

[予め読んでおく読書課題 = 馬場ら(2005) 9章]
第26回職務ストレス理論 II職務ストレスが労働者に及ぼす否定的な影響を緩衝する資源を明らかにする。
第27回今日的な課題:ポジティブ心理学・ポジティブ労働心理学Iポジティブ心理学の概念とその発展の歴史的経緯について,映像資料を交えながら紹介する。
第28回今日的な課題:ポジティブ心理学・ポジティブ労働心理学IIポジティブ心理学と産業・組織心理学の学際的な研究から得た知見をもとに,より健康に,生産的に働く方法について検討する。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ

第30回まとめまとめ
授業形式 主に講義方式だが,講師による一方的な授業を避けるため,グループディスカッションなど学生参加型の授業を可能な範囲で行います。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
80% 20% 0% 0% 0% 100%
テキスト 馬場 房子・馬場 昌雄(監修)『産業・組織心理学』白桃書房,3990円.
スティーブンロビンス(著) 高木晴夫(訳)『組織行動のマネジメント』ダイヤモンド出版,2940円.
参考文献 産業・組織心理学会 (編集)『産業・組織心理学ハンドブック』丸善,13650円.
オフィスアワー(授業相談) 水曜日13:00~13:50
又はメールによるアポイントメント (sakurai.kenji@nihon-u.ac.jp)
事前学習の内容など,学生へのメッセージ シラバスに記載されている読書課題は,講義前に必ず読むようにして下さい。

テキスト以外の読書課題を与える場合は,講師が1週間前までにクラス内で通知し,読書課題を配布あるいはエコリンクにアップロードします。

試験中の不正行為に対しては、本学部の規定に基づき厳正に処置します。

授業中に他の学生へ迷惑をかける行動(私語など)があると教員が判断した場合、教室からの退室をしてもらったり、最終成績を減点をしたりすることがあります。