講義名 広告コミュニケーション論 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 月2
単位数 4

担当教員
氏名
雨宮 史卓

学習目標(到達目標) 1.広告及び宣伝、PR、プロモーション等の意義を理解し、マーケティング戦略の中でこれらが、どのように機能しているかを説明できる。
2.広告が様々な企業、組織、及び個人の間に存在するコミュニケーション活動であることを理解できる。
3.新たな製品・サービスを発売する際に、どのような広告活動によって消費者に認知されるべきかを検討し、そのブランドをどのように育成していくかを立案できるようになる。
4.ブランド力を強化し、当該ブランドを拡張する場合、どのような広告戦略を行うべきかを企画・検討できるようになる。
授業概要(教育目的)  マーケティングのフレームワークの一要素である「広告」、及び製品戦略の一領域を超え、独立した領域を築いている「ブランド」に対する研究の重要性が高まっている。テレビを見ない日はあっても広告を見ない日はないと言っても過言でないくらい、広告は我々の生活に深く浸透し、もはや広告は生活の一部である。
 そのため、本講義では広告の基本的機能・役割の理解を目指し、広告とブランド・コミュニケーションに焦点をあてる。企業の広告戦略及びブランド戦略を学びながら、人々の欲求を創造するコミュニケーション活動である広告を生活全体や文化といった広い視点で理解できる事を心掛ける。
授業計画表
 
項目内容
第1回授業の進め方 
オリエンテーション 広告とは何か?
まずは、通年での本授業の進め方を説明する。次に、広告の歴史、意義を説明し、何故広告の研究の重要性が高まって来たかの背景を解説する。
第2回広告の基本的機能と役割広告の基本的機能と役割を踏まえて、広告とは何か、広告によって何ができるか、どうあるべきかを解説する。

【準備学習】
テキストの序章の部分を予め読んでおくこと。
第3回マーケティング戦略とプロモーション戦略マーケティング戦略におけるプロモーションの位置づけを論じ、プロモーションの役割、種類を解説する。

【準備学習】
テキスト36頁の図表を見て、マーケティングとプロモーションの関係を把握しておくこと。
第4回プロモーション戦略と広告プロモーション戦略における広告の役割を説明し、広告の種類、広告戦略の種類と使い方等を解説する。

【準備学習】
前回の授業のノートと配布資料を確認し、テキスト36~38頁をよく読んでおくこと。
第5回製品・サービスの違いと広告製品の類型、サービスの種類を解説し、それぞれいかなる広告戦略が有効かを説明する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、テキスト81~85頁をよく読んでおくこと。
第6回製品ライフ・サイクルと広告戦略新製品を市場に導入する際に、いかなる広告戦略が有効かを、製品ライフ・サイクル、ブランド・ライフサイクルの概念と共に解説する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、テキスト85~95頁をよく読んでおくこと。
第7回データ分析と広告露出広告露出(GRP)の算出方法をTVCM等を例にして、解説する。また、ABC分析についても検討する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認しつつ、配布資料に目を通しておくこと。
第8回日常品の広告戦略日常品(コモディティ製品)の特徴を明確に示し、これらの製品には、いかなる広告戦略が有効かを解説する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、テキスト49~57頁をよく読んでおくこと。
第9回高価格製品の広告戦略高価格製品には、いかなる広告戦略が有効かを認知不協和の概念と共に解説する。実際の事例も紹介する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、テキスト39~46頁をよく読んでおくこと。
第10回商品ベネフィットと広告インターネットでの商品購入、通販での商品購入といった無店舗型販売には、いかなる広告理論が必要かを商品ベネフィットの概念と共に解説する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、配布資料に目を通しておくこと。

第11回広告コミュニケーションと経験価値マーケティングにおける経済価値の変遷を解説し、経験価値の重要性を広告コミュニケーションと共に検討する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、テキスト65~68頁をよく読んでおくこと。
第12回広告会社と広告ビジネス広告主と広告会社の組織構造を明らかにし、どのようなネットワークの働きによって広告が創造されていくかを解説する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、配布資料に目を通しておくこと。
第13回広告の効果測定広告による効果を広告主はどのように測定すればよいのか、また、広告投下後の調査結果をどのように蓄積・分析して成果を積み上げていくかを解説する。

【準備学習】
前もって配布資料を確認しておくこと。また、前期終了が近いので今までのノートを再確認すること。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ
第15回中間まとめまとめ
第16回後期授業の進め方 広告とは?ブランドとは?前期の重要項目を踏まえ、なぜ広告コミュニケーションにおいてブランド概念が重要なのかを説明する。

【準備学習】
テキストの序章の部分を再読し、広告コミュニケーションとブランド概念の関係性を把握しておくこと。
第17回ブランドの基本的概念と役割ブランドの定義、及びその歴史的背景を踏まえた上で、資産価値、競争優位の源泉、製品差別化の手段としてのブランド概念を解説する。

【準備学習】
テキスト1~13頁をよく読んでくること。
第18回ブランドを軸とした広告戦略の展開ブランド・エクイティの有効性を明らかにし、広告コミュニケーションからとらえたブランド・エクイティとマネジメントの重要性を説明する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、テキスト15~20頁をよく読んでくること。
第19回ブランド拡張と広告コミュニケーション企業にとってブランドを資産として捉え、ブランドを拡張する事の意義と目的を事例を交えて解説する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、配布資料に目を通した上で、テキスト24~27頁をよく読んでおくこと。
第20回経験価値とブランド概念前期も学習した経験価値を再考し、広告戦略において経験価値がどのように活用されているかを総称ブランドの観点から解説する。

【準備学習】
テキスト69~73頁を熟読し、73頁の図が意味する内容を把握しておくこと。
第21回消費者行動と広告消費行動と購買行動の違いを明確にした上で、消費者行動における広告の役割を問題認識の観点から説明する。また、ブランド選択についても言及する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、テキスト99~107頁をよく読んでくること。
第22回サービス産業における広告戦略サービス産業における広告戦略をストア・ブランドの観点から解説する。また、フード・ビジネスの事例も紹介する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、テキスト108~114頁をよく読んでくること。
第23回ロングセラー・ブランドに対する広告の役割ロングセラー・ブランドの定義を明確に示し、当該ブランドが定番商品になるために広告がどのように関わって来たかを解説する。

【準備学習】
配布資料によく目を通してくること。
第24回ブランド・イメージと広告コミュニケーション消費者にとって嗜好品等は「こだわり」といった要素がブランド選択の大きな要因になる。嗜好品等のブランド・イメージを広告により、どのように構築するかを解説する。

【準備学習】
テキスト57~61頁をよく読んでくること。
第25回時間の概念と広告コミュニケーション消費者の拘束時間・必需時間・自由時間、或いは週、月、年、季節等の時間の概念に広告コミュニケーションがどのように関わってくるかを解説する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、配布資料に目を通してくること。
第26回キャラクター・ビジネスと広告企業、商品、店舗、地域等のイメージにキャラクターが用いられる背景や歴史を解説し、広告戦略とキャラクター・ビジネスの関連性を説明する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、配布資料に目を通しておくこと。
第27回市場と広告市場、セカンド・マーケット。特殊市場等のそれぞれの特徴を詳細に解説し、広告戦略の現状と今度の課題を説明する。

【準備学習】
前回の授業のノートを確認し、配布資料に目を通しておくこと。
第28回広告の文化・社会的要素広告を研究領域とする場合、生活全体や文化といった広い視点でも理解を目指し、消費者を生活者として捉える事の重要性を説明する。

【準備学習】
後期の終りが近いので、今までのノートをよく読み返しておくこと。
第29回理解度の確認16回以降の要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 講義形式で授業を進める。前期はテキストに沿いながら広告の基本機能を解説し、後期は必要に応じて資料を配布して企業の広告戦略をブランドの概念とともに解説する。また、各授業の後半で、その日の主要なテーマに関するリアクション・ペーパー(小論文)の提出を求める。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
40% 30% 0% 30% 0% 100%
評価の特記事項 定期試験、授業の取り組み、小論文により総合的に評価する。
テキスト 雨宮 史卓著『ブランド・コミュニケーションと広告』八千代出版
参考文献 必要に応じて資料・データを当日配布する。
オフィスアワー(授業相談) 授業の質問や相談等は、授業後でも構わないがメールでも受け付ける。
amemiya.fumitkaka@nihon-u.ac.jp
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 定期試験は、手書きノートを持ち込みで行うので、テキストの他に毎回ノートを持参し、ノートを取ることの重要性を認識してください。

その日の授業の主要なテーマに対するリアクションペーパー(小論文)の提出は、書く事によって頭に入り、理解しやすくなります。また、文章力の強化にも繋がります。