講義名 労働法 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 木4
単位数 4

担当教員
氏名
朴 孝淑

学習目標(到達目標) 本講義では、まず、労働関係の終了、派遣切りや偽装請負等、労働の現場で直面するであろう様々な問題を切り口に、個別的労働関係法について学ぶ。そして、現在では個別的関係がメインと捉えられがちであるが、労働者の集団(労働組合)と使用者との関係を規律する「集団的労使関係法」を学ぶことで、交渉力の不均衡を補うための仕組みが今なお重要な意味を持つことについて考える機会を得る。
授業概要(教育目的) 本講義は、現代日本における労働法の基礎的な知識を習得し、労働問題の法的な背景の理解を得ること、日x本の雇用社会への法政策的な視点を得ることをねらいとする。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション&労働契約の終了(1):合意解約・辞職
雇用関係(労働契約)が終了する事由としては、大きく3つのタイプ(解雇、辞職、合意解約)のものがある。授業では、労働者がその一方的な意思表示によって労働契約を解約する「辞職」と、両当事者の合意によって労働契約が解約される「合意解約」について学ぶ。
【準備学習】テキスト第11章(該当部分)を予め読んでおくこと。
第2回労働契約の終了(2):懲戒・解雇(整理解雇授業では、雇用関係が終了する事由の一つとして、使用者がその一方的な意思表示によって労働契約を解約する「解雇」について学ぶ。また、使用者が経営不振などの経営上の理由により人員削減の手段として行われる解雇(整理解雇)についても検討する。
【準備学習】テキスト第11章(該当部分)および第1回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第3回労働契約の終了(3):退職・定年
現在の日本の法政策は、定年制の存在を前提としつつ、それを超えて高齢者の継続雇用を促していく方向で展開されている。授業では、高年齢者雇用安定法を中心に、日本の高齢社会における多様な雇用政策について学ぶ。
【準備学習】テキスト第11章(該当部分)および第2回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第4回非典型雇用(1):有期労働契約

雇われて働く人々の中には、アルバイト、パート、派遣社員など、一般に、「非正規労働者」と呼ばれ、いわゆる正社員とは区別されて取り扱われている人々が存在する。授業では、これらの非正規労働者のうち、主に有期契約労働者をめぐる立法の内容および諸労働法的問題について学ぶ。
【準備学習】テキスト第12章(該当部分)および第3回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第5回非典型雇用(2):パートタイム労働
雇われて働く人々の中には、アルバイト、パート、派遣社員など、一般に、「非正規労働者」と呼ばれ、いわゆる正社員とは区別されて取り扱われている人々が存在する。授業では、これらの非正規労働者のうち、主にパートタイム労働者をめぐる様々な労働法的問題について学ぶ。
【準備学習】テキスト第12章(該当部分)および第4回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第6回非典型雇用(3):労働者派遣
雇われて働く人々の中には、アルバイト、パート、派遣社員など、一般に、「非正規労働者」と呼ばれ、いわゆる正社員とは区別されて取り扱われている人々が存在する。授業では、これらの非正規労働者のうち、主に派遣労働者をめぐる様々な労働法的問題について学ぶ。
【準備学習】テキスト第12章(該当部分)および第5回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第7回労働組合・不当労働行為第7回の授業からは、集団的労働関係法について学ぶ。今回の授業では、労使関係の基本的な枠組みを中心に検討する。具体的には日本の労働組合・労使関係の実態、労働組合の要件、労働組合の組織と運営に関する内容である。
【準備学習】テキスト第13章(該当部分)および第6回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第8回労働組合・不当労働行為労働組合法は、使用者の一定の行為を「不当労働行為」として禁止しているが、具体的にはどのような行為が禁止されているのであろうか。不当労働行為が行われた場合、労働者あるいは労働組合は、どのような救済を受けられるのであろうか。
【準備学習】テキスト第13章(該当部分)および第7回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第9回団体交渉・労働協約・団体行動(1)労使関係法の基本目的は、労働条件が対等に決定される基盤を作るために団体交渉を中心とした労使自治を促すことにある。授業では、団体交渉を重点的に取り上げる。
【準備学習】テキスト第14章(該当部分)および第8回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第10回団体交渉・労働協約・団体行動(2)労使関係法の基本目的は、労働条件が対等に決定される基盤を作るために団体交渉を中心とした労使自治を促すことにある。授業では、労働協約を重点的に取り上げる。
【準備学習】テキスト第14章(該当部分)および第9回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第11回団体交渉・労働協約・団体行動(3)労使関係法の基本目的は、労働条件が対等に決定される基盤を作るために団体交渉を中心とした労使自治を促すことにある。授業では、団体交渉促進のためのルールを重点的に取り上げる。
【準備学習】テキスト第14章(該当部分)および第10回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第12回日本の労働紛争処理システム(1)雇用関係法のもとで、労働者の権利はどのようにして実現されるのであろうか。授業では、主に日本の労働紛争解決システム(行政による紛争解決システム、裁判所による紛争解決システム等)について学ぶ。
【準備学習】テキスト第1章-5(個別紛争の解決)および第11回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第13回日本の労働紛争処理システム(2)第12回の授業に引き続き、日本の労働紛争解決システム(行政による紛争解決システム、裁判所による紛争解決システム等)について学ぶ。
【準備学習】テキスト第1章-5(個別紛争の解決)および第12回授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第14回労働市場法:求職者と求人者との取引に関する法日本の労働市場(雇用)政策とその展開、また、労働市場法を労働法学はどのように捉えてきたのかを検討する。さらに、日本の長期雇用システムと雇用関係・労使関係・雇用政策について学ぶ。
【準備学習】第13回の授業で配布したプリントを予め読んでおくこと。
第15回理解度の確認これまでの要点のまとめ(定期試験)
授業形式 ・通常は講義形式で行うが、場合によってはグループワークを行います。
・シラバスの内容は予定であり、進行状況により変更する可能性がある。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 0% 30% 20% 0% 100%
評価の特記事項 ・出席日数が明らかに2/3より低い場合には、単位取得を認めない。
・試験は、持ち込み不可とする。
テキスト 小畑史子、緒方桂子、竹内(奥野)寿著『労働法〔第2版〕』有斐閣ストゥディア,1900円.(※テキストは最新版をご用意ください。)
参考文献 ・荒木尚志『労働法〔第3版〕』(有斐閣、2016年)
・その他、講義中に適宜指示します。
オフィスアワー(授業相談) 本授業終了後(教室にて30分間は対応しています。)、又は、授業内で配布した指定アドレスに連絡してください。回答は次回授業後とします。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ・労働法を全体として理解するために、労働関係法Ⅰとあわせて受講することが望ましい。
・指定の教科書および参考資料(レジュメ)を活用して、予習と復習を行ってください。
・遅刻・途中退去・私語・携帯電話の使用等、他の学生の受講の妨げになる行為を禁止する。