講義名 社会科・公民科教育法Ⅰ ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 水5
単位数 2

担当教員
氏名
宇野 彰人

学習目標(到達目標) (1)社会科の目標・内容構成を理解するとともに、その指導と評価を具体的に計  画できる。
(2)現代社会における社会科教育の意義や役割を理解して学習課題の設定と教材  開発ができる。
(3)生徒理解を基に主体的な生徒の学びを構想し工夫できる。
授業概要(教育目的) 民主主義を築き発展させる社会科の究極的な目標である「公民的資質」とは何かを追究しながら、社会科の教員としての実践的な指導力を修得させることをめざす。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス授業の進め方、評価の説明。社会科学習の生命線である「資料活用」について収集・分析・活用の観点から明らかにする。
〔準備学習〕
受講者一人一人が最近のニュースの中から関心を持った事柄について資料(地図、統計、写真)を持参して説明できるようにすること。
第2回社会科の特質と意義:
「18歳選挙権」の考察を通して
(1)事実認識
改正公職選挙法などの法令及び諸外国の実態等を調べ、改正の背景を考察する。(法の支配)
〔準備学習〕
アジアや欧米諸国の選挙権(年齢)について予め調べておくこと。
第3回社会科の特質と意義:
「18歳選挙権」の考察を通して
(2)問題把握
改正後の実際の投票率を調べ、低投票率の実態と背景とともに、議会制民主主義について考察する。(議会制民主主義)
〔準備学習〕
最近の国政選挙や地方選挙の20歳未満の投票率を予め調べておくこと。
第4回社会科の特質と意義:
「18歳選挙権」の考察を通して
(3)問題解決の方策①
投票率を向上させる方策について協議し、関心を高め、参画していく教育の重要性を明らかにする。(主権者教育)
〔準備学習〕
政治や選挙活動への関心意欲を高める方策について予め考えておくこと。
第5回社会科の特質と意義:
「18歳選挙権」の考察を通して
(4)問題解決の方策⓶
中学校社会科の目標や内容と実際の授業例から主権者教育の在り方を考察する。(中学校社会科学習)
〔準備学習〕
公民的分野の教科書及び学習指導要領に予め目を通しておくこと。
第6回社会科の特質と意義:
「18歳選挙権」の考察を通して
(5)問題解決の方策③
都議選を見据えて、東京都の課題や各会派の主張等を調べ、分析し、政治参加、投票行動の在り方を考察するとともに、生徒への指導の工夫と留意点を明らかにする。
(投票行動のシミュレーション)
〔準備学習〕
都議会各会派の主義主張を予め調べておくこと。
第7回社会科の成立とシチズンシップ改めて社会科の成立の経緯とその理念や背景及び変遷を明らかにする。
〔準備学習〕
「公民的資質」とは何か、予め調べておくこと。
第8回学習指導要領と教育課程現行の学習指導要領の内容と留意点を調べるとともに、新学習指導要領の改定点等を明らかにする。
〔準備学習〕
新学習指導要領中学校社会科に予め目を通しておくこと。
第9回小中高の系統性と横断的・総合的な学習小中高の社会科学習の積み重ねと、他教科や道徳、特別活動、総合的な学習の時間との関連を調べ、社会科学習の意義と在り方を考察する。
〔準備学習〕
道徳、特別活動、総合的な学習の時間の学習内容と社会科との関連を予め調べておくこと。
第10回中学校社会科の指導計画の作成と指導のポイント
(1)課題設定と資料
現代社会における課題の中から学習課題を設定し、系統性と横断的・総合的な学習を意図した指導計画を構想する
〔準備学習〕
取組みたい課題と授業のおおまかな構想を予め考えておくこと。
第11回中学校社会科の指導計画の作成と指導のポイント
(2)学習の方法
協同学習などの生徒の主体的な学びを促す指導方法を、実際の指導事例から考察する。
〔準備学習〕
「アクティブ・ラーニング」とは何か予め調べておくこと。
第12回中学校社会科の指導計画の作成と指導のポイント
(3)評価活動
通知表・指導要録への記入に至るまでの評価について明らかにするとともに、観点別学習状況の評価について考察する。
〔準備学習〕
社会科の4つの評価の観点を予め調べ、覚えておくこと。
第13回中学校社会科の指導計画の作成と指導のポイント
(4)評価方法とフィードバック
様々な評価方法について明らかにするとともに、評価規準の作成や学習効果を高める評価の在り方を考察する。
〔準備学習〕
評価方法のうちの一つを説明できるようにしておくこと。
第14回理解度の確認これまでの要点のまとめ(小論文提出)
〔準備学習〕
小論文作成の準備をしておくこと
第15回まとめ社会科のまとめ
授業形式 スマホやパソコンを効果的に使用して、情報収集・分析・検討・協議を行い、エビデンスに基づく授業を進める。また、グループワーク等の協同学習を行い、受講者自身が生徒の主体的な学びを促す学習を体験し、その指導ができるようにする。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
40% 30% 0% 30% 0% 100%
評価の特記事項 講義態度は、準備学習の状況及びグループワーク等への主体的な参画度を含む。
テキスト 文部科学省『中学校学習指導要領解説 社会編』日本文教出版、175円。
その他必要な教材・資料は授業時に配布または提示する。
参考文献 ジャック・アタリ著『アタリ文明論講義ー未来は予測できるか』ちくま文庫、1000円。
広井良典著『定常型社会ー新しい「豊かさ」の構想』岩波新書、700円。
波多野誼余夫著『自己学習力を育てる』東京大学出版会、1751円。
佐藤学著『教育の方法』左右社、1524円。
オフィスアワー(授業相談) 授業終了後教室にて、20分間。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 社会科の指導ができなければ社会科教師にはなれません。でもそれだけでは学校現場で必要とされません。教養そして体力と情操を高めましょう。
なお、Ecolinkに必要に応じて教材・資料等をアップロードするので、各自印刷して持参すること。