講義名 日本史概説 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金4
単位数 4

担当教員
氏名
武廣 亮平

学習目標(到達目標) 日本の歴史を単なる「一国史」または「自国史の発展」としてではなく、東アジア諸国やヨーロッパ世界との関係を通して形成・発展・展開した歴史であるという多角的な視点から理解できるようになる。
授業概要(教育目的) 日本における歴史の展開を、対外関係の変遷とその影響という形で学ぶ。前期は前近代社会における中国王朝や朝鮮半島諸国との関係や、文化面での交流を中心に取り上げ、後期は近現代日本の対外意識や国際社会での立場などに重点を置き講義を行う。各時代の政治・経済・文化などの概観とともに、関連史料の講読も行う。
授業計画表
 
項目内容
第1回授業ガイダンスと年間計画日本の対外関係史概観
〔準備学習〕
次回講義の関連事項を調べる(以下毎回の講義終了後にこの準備学習の指示を行う)
第2回「中華世界」の成立と倭国(前2~3世紀)中国における統一王朝の成立と倭国、朝鮮半島との関係
日本列島における政治社会の成立
〔準備学習〕
弥生文化、漢代までの中国の歴史
第3回ヤマト政権の成立・展開と東アジア(3~7世紀)ヤマト政権の展開と朝鮮三国、中国王朝との関係
〔準備学習〕
ヤマト政権の支配制度、古墳文化、大陸文化の導入
第4回律令国家の成立・展開と隋唐帝国(7~8世紀)日本における中央集権国家(律令国家)の成立・展開と中国(隋唐)・朝鮮半島との関係
〔準備学習〕
大化の改新、壬申の乱、律令法とその内容、遣隋使と遣唐使
第5回東アジア世界の再編と「国風文化」の時代(9~11世紀)唐の弱体化と東アジア世界の再編、律令国家の変質
〔準備学習〕
平安京と摂関政治、「国風文化」
第6回武家政権の成立と対外関係(12~13世紀)平氏政権から鎌倉幕府の成立、日宋貿易と新たな大陸文化の導入
〔準備学習〕
鎌倉幕府の支配機構、新たな仏教勢力
第7回モンゴルの覇権と「元寇」(13~14世紀)モンゴル帝国の世界史的評価と東アジア世界との関係、特に「元寇(蒙古襲来)」の再評価
〔準備学習〕
モンゴル帝国の盛衰、13世紀の世界
第8回東シナ海のネットワークと「倭寇」(14~15世紀)明の貿易政策と東シナ海のネットワークを「倭寇」と「海禁」というキーワードから考える
〔準備学習〕
南北朝の動乱と室町幕府、日明貿易
第9回ヨーロッパ勢力の到達と「天下人」の時代(16~17世紀)鉄砲・キリスト教の伝来、東南アジア世界との交流、豊臣秀吉の朝鮮侵略(唐入り)
〔準備学習〕
織田信長と豊臣秀吉の統一事業
第10回江戸幕府の成立から「鎖国」まで(17世紀)17世紀初頭の外交政策とその転換、いわゆる「鎖国」と呼ばれる外交体制の成立まで
〔準備学習〕
江戸幕府の成立と支配機構
第11回江戸時代の対外関係(17~19世紀)「鎖国」と呼ばれる外交政策の実態と日本型「華夷秩序」
〔準備学習〕
幕藩政治の展開と三大改革
第12回ロシアの南下と列強の接近(18~19世紀)18世紀以降におけるロシアの南下政策と欧米列強からのアプローチ
〔準備学習〕
幕藩体制の動揺と政治改革
第13回「蝦夷地」と「琉球」の歴史前近代における蝦夷地(北海道とその周辺地域)と、琉球(沖縄本島とその周辺地域)の歴史を概観する
〔準備学習〕
琉球王朝、アイヌと和人の関係
第14回理解度の確認要点のまとめ
第15回中間のまとめまとめ
第16回「開国」から倒幕までペリー来航から通商条約締結までの経緯とその国際的背景
[準備学習]
日本における条約改正の動き、欧化政策
第17回近代国家の成立と19世紀後半の対外関係明治維新と新政府による対外政策の展開
[準備学習]
江戸時代の日清・日朝関係(復習)、維新政府の近代化政策
第18回「万国公法」と「脱亜論」新政府の「近代化」政策の本質を当時の国際法(万国公法)から探る
〔準備学習〕
近代日本が導入した西洋の思想、文明開化、条約改正交渉
第19回日清戦争日清戦争の理念と実態、戦争の展開と講和
[準備学習]
朝鮮国内の動向、清朝末期の内政と外交
第20回日英同盟と日露戦争日露の権益をめぐる衝突とイギリスの世界戦略との関係
戦争の経過と結果
[準備学習]
幕末の日露関係(復習)
第21回韓国併合と日本の植民地政策併合までの過程と近代日本国家の植民地支配の特徴
[準備学習]
ヨーロッパ列強の植民地政策
第22回第一次世界大戦と国際協調体制下の日本大戦後の国際協調体制の特質と日本の動向、世界恐慌と日本
[準備学習]
第一次世界大戦の原因と戦況、ヴェルサイユ講和条約
第23回満州国から日中戦争へ中国への侵攻と国際社会からの離脱、政党政治の崩壊
[準備学習]
辛亥革命・国民党と共産党
第24回三国軍事同盟と東亜新秩序米英に対抗する新たな「秩序」の形成とその際限なき暴走
[準備学習]
1930~40年代のヨーロッパ概観
第25回太平洋戦争と敗戦開戦からポツダム宣言の受諾までを追いながら、「なぜ戦争を始めてしまったのか」を考える
[準備学習]
太平洋地域の地理的把握
第26回冷戦とアメリカ占領下の日本冷戦の構造とアメリカの占領政策の展開
[準備学習]
東西陣営の対立構造とその理念
第27回講和条約と日米同盟サンフランシスコ講和条約と日米安保条約の意義、その問題点
[準備学習]
戦後改革期から復興期の日本の政治と社会
第28回「領土」問題を考える中国、韓国との領土問題の本質を考える
[準備学習]
領土問題をめぐる新聞・ニュースなどの論点整理
第29回理解度の確認要点のまとめ
第30回まとめまとめ
授業形式 講義形式で行い、適宜小テストなどを実施して授業の理解度や学習意欲などを確認する。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 講義態度
(出席)
その他 合計
50% 30% 0% 20% 0% 100%
評価の特記事項 教職科目であるので出席はもちろんのこと、積極的に授業に取り組む姿勢が望まれる。
テキスト 中学校もしくは高等学校の資料集を使用する予定である。詳細は最初の授業時に伝達する。
参考文献 必要に応じて適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 月曜日午後(3時限)(研究室)
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 次回講義範囲を事前に確認し、授業計画表に指示した関連事項を調べておくこと。