講義名 マーケティング論 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金1
単位数 4

担当教員
氏名
古川 裕康

学習目標(到達目標) 1. 身近な企業の事例をマーケティングの視点から説明することができる。
2. ものづくりとマーケティングの間に存在する課題を説明することができる。
3. マーケティングとブランドの関係性を説明することができる。
4. 消費者の購買プロセスや購買モチベーションについて体系的に説明することができる。
5.マーケティングの観点から,企業の抱える問題に対して自分なりの解決策を提示することができる。
授業概要(教育目的) 本講義は,マーケティングの重要性,マーケティングの具体的な内容,ブランド構築の重要性について解説する。特に,非合理的な判断をする消費者の存在について考察するとともに,様々な消費者行動とそれに対応したマーケティングの進化についても解説する。ケーススタディを通して実際に企業が抱えるマーケティングの課題に触れながら,自分なりの解決策が提示できるようになることを目的とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回マーケティングとは何かマーケティングとは何か,ニーズ,ベネフィットとは何か,マーケティングが必要とされている理由について解説する。
第2回マーケティングの歴史マーケティングの考え方がどう進化してきたかについて解説し,社会の変化とマーケティングの関係を明らかにする。
第3回STPフレームワークSegmentation, Targeting, Positioningやそれに関連する4Pや3C,そして4Aの考え方について解説する。
第4回製品政策1ニーズ志向の製品開発とシーズ志向の製品開発について解説し,相克するジレンマについて明らかにする。
第5回製品政策2Product Life Cycleの考え方と製品政策の関係性について解説し,製品開発と製品改良の位置づけについて示す。
第6回【ケース】顧客が望まない品質改善を行なうべきか品質改善は次の製品開発の種となり投資と捉えられることもある。それを踏まえて品質改善の考え方を議論する。
第7回価格政策1基準参照価格について解説し,実売価格と消費者の知覚している価格の違いについて明らかにする。
第8回価格政策2ヴェブレン効果について解説し,敢えて高い価格を志向する消費者の存在について解説する。
第9回広告政策1スノッブ効果,バンドワゴン効果について解説し,消費者の知覚便益によって商品の価値が異なることを示す。
第10回広告政策2広告の歴史からポストマスメディア時代について解説する。そのうえで一回性&真正性広告の役割について示す。
第11回流通チャネル政策1ドミナント戦略について解説し,一見不合理に見える集中出店をなぜ企業が実施するのかについて明らかにする。
第12回流通チャネル政策2流通革命の背景について解説し,その前後で製造業や小売業にどのような影響があったのかについて明らかにする。
第13回【ケース】成熟産業での差別化策成熟しきったPC産業のケースをもとにPLCや4P,3C,4Aの観点から差別化を図るための施策について議論する。
第14回マーケティング・ミックスマーケティング・ミックスはどのように展開されるのか。企業のミッションやコア・バリュー,ドメインといった視点から解説する。
第15回マーケティングの策定プロセスこれまで解説してきた各概念が,どのように関連し合い,最終的なマーケティング策定プロセスに影響をもたらすのかについて議論する。
第16回マーケティングとブランド第15回目までの内容を振り返るとともに,マーケティングとブランドの関係性について解説する。
第17回ブランドブランドを創り出す要素について明らかにし,ブランド・アイデンティティ,ブランド・コンセプトについて解説する。
第18回消費者行動1消費者は合理的な判断ばかりではなく,感情的な判断も伴いながら商品を購買するという現象を解説する。
第19回消費者行動2Shethの消費価値モデルを解説し,消費者の購買モチベーションについて複数明らかにする。
第20回マーケティング・リサーチマーケティング・リサーチの種類について明らかにし,調査設計からマーケティングへの適用までの流れについて解説する。
第21回SNSを用いたブランド・イメージ調査Twitterのリアルタイムワード分析ソフト(スマホアプリ)を利用して,ブランド・イメージの簡易調査を体験してもらう。
第22回バラエティーシーキングモデル変化を好む消費者の存在について明らかにしているバラエティシーキングやノベルティシーキングについて解説する。
第23回マスカスタマイゼーション多様化するニーズに企業はどのように対応してマーケティングを実施してきたのかについて解説する。
第24回リレーションシップ・マーケティングなぜ優良顧客と良い関係性を構築するのか,関係性構築におけるマーケティングの役割は何かについて解説する。
第25回コーズ・リレーテッドマーケティング企業の利益と社会の利益を共存させるマーケティングについて解説し,社会の要請との関係性を明らかにする。
第26回サービス・マーケティングサービスの特性について明らかにし,製造業とサービス業においてマーケティングの考え方が異なることを解説する。
第27回【ケース】顧客満足の向上策顧客からの不満が出やすい「行列」をケースとしながら,顧客満足度を向上させるための施策を議論する。
第28回経験価値マーケティングサービス・マーケティングを発展させる概念について解説し,消費者への感情的な消費体験の提供とその効果について解説する。
第29回インターナル・マーケティングマーケティングの対象は消費者だけでは無いことを明らかにし,従業員に対するマーケティング活動とその効果について解説する。
第30回マーケティング論これまで解説してきた各概念が,どのように関連し合い,最終的なマーケティング構築に繋がるのかについて議論する。
授業形式 授業形態は基本的に講義形態とする。そのなかで数回のケーススタディを実施する。学生はただ聞いているだけではなく,マーケティングの理論や企業の抱える諸問題に対して「自分ならどうするのか」について常に考えながら参加すること。また授業資料のPDFファイルを配布するので,各自印刷して持参すること。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
50% 0% 40% 10% 0% 100%
テキスト 大石芳裕編著『マーケティング零』白桃書房,2500円.
参考文献 Levitt T.・有賀裕子訳『T.レビット マーケティング論』ダイヤモンド社,4800円.
Kotler, P. and Keller, K.L.『コトラー&ケラーのマーケティング・マネジメント 第12版』丸善出版,8500円.
オフィスアワー(授業相談) 金曜日12時15分から12時50分。
その他必要に応じて対応するので,事前にアポイントをとり指示された時間帯・場所に来ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 講義で扱ったブランドや店舗について,実際に自分の目でみて肌で感じること。また関連する事例を日経ビジネスや各種新聞等で調べて頭の中に入れておくこと。