講義名 産業経営特殊講義Ⅰ(起業論) ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 金3
単位数 2

担当教員
氏名
山田 仁志

学習目標(到達目標) 起業についての基本的な仕組み、内容を学び、実践できるようにする。具体的には、以下の能力の獲得を目指す。
・日本における起業環境、欧米諸国との違いを理解し、説明できる。
・起業から安定成長にいたるまでに直面する経営上の課題を理解し、説明できる。
・新しいアイディアの発想法、問題解決の方法などを学習し、実践できる。
授業概要(教育目的)  現代の知識経済時代における日本経済の成長戦略には、起業家活動=アントレプレナーシップが重要な役割を果たすと考えられる。新たな市場や産業を生み出すうえで、必要不可欠な存在である。また、地方においては、従来の企業誘致による産業振興策に限界が見えるなか、地域における新規開業企業の増加・創業支援が重要な課題となっている。
 このような問題意識のもと、本講義では、「起業・創業・新規開業」に関する基礎知識とそれに伴う経営学の諸理論の習得を目的としている。さらには、新規事業の開発についての演習やビジネスプラン(事業計画書)作成の演習などを行う予定である。
授業計画表
 
項目内容
第1回講義のねらいオリエンテーションを実施して、受講にあたっての注意事項、到達目標、講義内容および授業の進め方についての説明を行う。また、テキストおよび参考図書についても説明する。
【事前学習】1時間
シラバスをよく読んでおく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第2回起業活動と経済活動:起業の重要性起業活動の水準を測る方法にはどのようなものがあるか。国同士の起業活動の比較をするときに留意すべき点とは何か。起業活動と社会経済の間にはどのような関係があるのか。また、起業活動や中小企業の経済社会における役割を考える。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第3回起業活動と経営戦略アントレプレナーショップや起業活動という言葉はよく耳にするが、具体的にはどのような活動を指しており、いかなる活動から成り立っているのか。起業活動と一般の経営活動の共通点と相違点はどこにあるのか。起業活動をプロセスごとに分解して考えることによって、起業活動全体に対する理解を深める。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第4回起業家の資質:起業家と起業家チームの組成企業の誕生をとらえるときの2つの視点、つまり企業経済学的な視点と労働経済学的な視点とはどのようなものであり、両者の違いはどこにあるのか。起業家像を描こうとする試みは後者の労働経済学的視点によるものである。起業家の特徴は、比較の対象によって異なり、また調査対象によっても異なる。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第5回事業機会の評価と認識事業機会とは何か。魅力的な事業機会とはどのような条件を満たすものなのか。事業機会を評価する際に、どのようなリスク要因に注意すればよいのか。事業機会はいかにして認識されるのか。起業家が認識した事業機会が受け入れられない理由とは何か。事業機会には、客観的な側面と主観的な側面が存在する。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第6回ビジネスモデルの構築創業後まもない企業は、事業機会の新規性だけで勝負しているのか。既存企業と同じ市場に同じような製品・サービスを提供する起業家は経営にどのような工夫を行っているのか。ビジネスモデルの枠組みを通して、企業経営の競争優位の構造を学ぶ。新しい企業を作ることは新しいビジネスモデルを創造することであることを理解する。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第7回創業期のマーケティング新しい組織が新しい製品・サービスを販売する時にどのような問題が発生し、いかなる経営的対応が可能なのか。4P、AIDAモデル、そしてプッシュ戦略やプル戦略などを概観し、創業期の企業に重要なテーマを理解する。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第8回中間の振り返りこれまでの学習内容の振り返りとして、学習成果の確認(レポートまたは発表)を行う。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第9回人材の確保と活用動機づけ、集団としての行動原理、そしてリーダーシップの基本的な考えを概観しながら、起業家が人材の確保と活用において直面する問題やその解決策を学ぶ。特に、起業家が強い組織を作るために必要な条件としての人材の活用について理解を深める。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第10回資金調達:ベンチャーファイナンスとベンチャーキャピタル金融取引に固有の特徴とはどのようなものなのか。その特徴は、これから創業しようとする企業や創業後まもない企業が資金調達をする際にいかなる影響を与えるのか。金融取引の基本的な性格を知ることによって、資金調達に関して起業家が直面する問題とその対応方法を学ぶ。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第11回競争戦略・成長戦略起業家が創業当初に追求した事業機会の有効性が認識された後、競争相手が登場したり、その事業機会で成長したりするときに発生する問題とその対応について学ぶ。事業戦略の基本である垂直統合、コストリーダーシップ、そして差別化の概念とは何か。持続可能な成長率とはどのような考え方なのかを理解する。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第12回事業戦略から全社戦略へある事業分野で確立した競争優位を異なった事業分野の競争優位につなげるための論理とは何か。規模の経済、学習効果、そして範囲の経済は実際の経営の中でどのように生かされるのか。事業機会の有効性の証明、当初事業分野における競争優位の確立に続く起業家にとっての第3の挑戦とは何かを理解する。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第13回起業から企業へ起業活動を構成する個々の活動はお互いにどのように関連しているのか。起業活動における起業家の役割はどのようなものか。なぜ志やリーダーシップが重要なのか。起業した後、経営基盤を確立するまでの間、起業家に求められることはどのようなことか。以上のような問を考え、理解を深める。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第14回まとめこれまで学習した内容を振り返り、起業活動とは何か、起業活動の特徴はどのようなものか、起業活動と既存の企業活動の違いはどのようなものかをまとめる。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。必要な準備を行う。
第15回振り返りこれまで学習してきた内容が理解できているかどうか確認する。また、さらに理解を深めるために、今後どのような学習をすればよいかを考える。
【事前学習】1時間
前回指示した内容について、各自調べておく。
【事後学習】1時間
授業内容の復習する。
授業形式 講義形式による授業に加え、グループワークなどを行う。資料等の補助教材を活用し、学生への質問や意見を求め、学生がわかりやすく理解できるよう双方向の授業を行っていく。また、授業内容の理解度を把握するため、ワークシートの作成と提出、発表なども行う予定である。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
40% 20% 0% 40% 0% 100%
評価の特記事項 以上の評価方法を基本に、総合的に判断する。
テキスト 資料を配布する。
参考文献 忽那憲治ほか著『アントレプレナーシップ入門』有斐閣ストゥディア,2013年.
長谷川博和著『ベンチャーマネジメント「事業創造」入門』日本経済新聞社,2010年.
オフィスアワー(授業相談) 授業の前後10分間は、本館2階講師室にいます。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ・グループワークや発表など、自ら進んで学習する学生の受講を希望します。