講義名 マルクス経済学Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 木6
単位数 2

担当教員
氏名
角田 収

学習目標(到達目標) 『資本論』第2部第3篇から第3部第3篇を研究する(前後期合わせて、前期は第3部第1篇第4章まで)。MEGA(MARX/ENGELS GESAMTAUSGABE)版の『資本論』関係第Ⅱ部も主要部分が発行されているので,これを参考に利用して,その成果も十分汲み取りながら,進めていく。内容を理解していくに当たって,とくに注意を払うことは,従来の諸研究と解釈に注意を払いながらも,直接にマルクスそのものからその方法と理論を自分たち自身の頭で把握し直すということである。
授業概要(教育目的) 80年代末から90年代初めにかけての「存在した社会主義」の崩壊により,マルクスの理論が否定されたとする考えも少なくない。しかし,現代資本主義を理解する上でそれに対する批判的視点が必要不可欠であり,その視点に立つ最も重要な理論としてマルクスの経済理論があることを否定できる者はいないであろう。明らかになったことは,マルクスの理論についてのマルクス自身のテキストによる徹底的な研究とそれを自分の頭でとらえ直すことが足りなかったことであろう。このような見地から,『資本論』を参加者とともに精読し,マルクスの考え方,方法を捉えなおしていく。
授業計画表
 
項目内容
第1回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通第18章  緒論 第1節,第2節
第2回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通第19章   対象についての従来の諸叙述 第1節,第2節
第3回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通第19章   対象についての従来の諸叙述 第2節,第3節
第4回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通20章   単純再生産 第1節,第2節,第3節
第5回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通20章   単純再生産 第4節,第5節
第6回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通20章   単純再生産 第6節,第7節,第8節,第9節
第7回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通20章   単純再生産 第10節,第11節
第8回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通第21章   蓄積と拡大再生産 第1節
第9回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通第21章   蓄積と拡大再生産 第2節,第3節
第10回『資本論』第2部第3篇 社会的総資本の再生産と流通第21章   蓄積と拡大再生産 第4節
第11回『資本論』第2部第3篇全体の小括
第12回『資本論』第3部第1篇 剰余価値の利潤への転化,および剰余価値率の利潤率への転化第1章  費用価格と利潤
第13回『資本論』第3部第1篇 剰余価値の利潤への転化,および剰余価値率の利潤率への転化第2章   利潤率
第14回『資本論』第3部第1篇 剰余価値の利潤への転化,および剰余価値率の利潤率への転化第3章   利潤率の剰余価値率にたいする関係
第15回『資本論』第3部第1篇 剰余価値の利潤への転化,および剰余価値率の利潤率への転化第4章   利潤率にたいする回転の影響
授業形式 『資本論』を参加者とともに精読する。大学院の授業であるので,ゼミナール形式で,それぞれが疑問点や問題点を提起しあいながら,議論することによって,内容理解を深めて行くというやり方をとりたい。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 20% 0% 80% 0% 100%
テキスト マルクス『資本論』7,8,新日本出版社
参考文献 MEGA第Ⅱ部
オフィスアワー(授業相談) 水曜4時限、研究室にいるので、受付で確認の上訪ねて下さい。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 『資本論』は必ずしも読みやすい書とは言えないので,それを読み込んでいく意欲が不可欠である。また,第2部第3篇から読むことになるので、それ以前の部分,とりわけ第1部については読了していることが前提となる。