講義名 工業経済論Ⅱ ≪大学院≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 金6
単位数 2

担当教員
氏名
草原 光明

学習目標(到達目標)  ①工業経済論の課題と研究方法が理解できるようになる。学部生のときは、学び方の中心を教科書が与えてくれる知識をひたすら暗記することに置いていたと思われますが、大学院では、その科学部門の理論体系を修得することに学びの中心が移ります。そのことによって問題の発見と、問題の分析、そして問題解決の条件および解決の方向を見極める力が身につきます。
 ②工業経済論は現実的でしかも実践的な性格の強い経済学分野です。したがって最新の研究成果がどのようなものか、またどの点で困難に遭遇しているのかということを常に意識していくという姿勢が身につきます。したがって解決すべき課題発見の力ができてきます。
授業概要(教育目的)  学習目標に接近するために、工業をめぐる諸課題を経済主体たる企業、工業という産業、すべての産業の中での位置づけたる産業構造の視点に立ってみていきます。 
 この課題と接近方法に示唆を与えてくれる諸学説を検討します。ひとつはA.マーシャルの「内部経済論」および「外部経済論」です。これを検討します。次いで、K.マルクスの「資本蓄積論」です。両者を比較検討しながらその有効性を今日の視点で検討します。
授業計画表
 
項目内容
第1回

A.マーシャルの生産要因論


①土地の肥沃度
②土地の肥沃度と収益逓減の傾向、リカードウの見解との相違
第2回

A.マーシャルの生産要因論


③人口の増加
④人口の健康と力
第3回

A.マーシャルの生産要因論


⑤産業上の組織
⑥分業と機械
第4回

A.マーシャルの生産要因論


⑦特定地域への特定産業の集積
第5回

A.マーシャルの生産要因論


⑧大規模生産
第6回

A.マーシャルの生産要因論


⑨企業経営
第7回

Aマーシャルの生産要因論


⑩収益逓増の傾向と収益逓減の傾向との相関の
第8回

A.マーシャルの生産要因論の今日的位置


⑪「マーシャルのジレンマ」の検討
第9回

A.マーシャルの生産要因論


⑫マーシャルの「富」の概念、補助資本、貯蓄、蓄積の源泉、公共的蓄積、協同組合の諸機能
第10回

K.マルクスの「資本蓄積論」


単純再生産論
第11回

K.マルクスの「資本蓄積論」


剰余価値の資本への転化論
第12回

K.マルクスの「資本蓄積論」


資本主義的蓄積の一般的法則論
第13回

K.マルクスの「資本蓄積論」


重要な概念(相対的過剰人口、産業予備軍、資本の有機的構成の高度化)の検討
第14回


A.マーシャルの見解とK.マルクスの見解との比較検討



市場の深化と資本主義の発展との関連で両者の見解の有効性を検討
第15回

まとめ


新しい課題は何か?
授業形式  学生の学位論文のテーマを考慮に入れながら工業経済論との接点を探りつつ文献の講読と検討を並行して進めます。
 学生の発表をもとにして検討します。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 50% 0% 50% 0% 100%
テキスト A.マーシャル「経済学原理」東洋経済新報社
  *文献の入手が困難な場合はコピーする。
K.マルクス 「資本論 第1部」第7編
  *日本語訳が数種類手に入る。
参考文献 授業中にその都度紹介します。

学会で話題となった論文を含む。
オフィスアワー(授業相談) 大学院生の状況を勘案して授業の都度相談して日時を決めます。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 学部で履修したはずの「経済学の歴史」を再度読み直してくることが出席の前提となります。