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学習目標(到達目標) |
昨今の税務会計をめぐる状況については、二つの観点からのローカル化の波を指摘することができる。一つは企業会計のグローカル化が課税所得計算に及ぼす影響であり、もう一つは法人税制それ自体のグローカル化である。共に「グローカル」でありながら、前者は会計基準の国際的統合化に歩を進める一方で、国内には中小企業向けルールも併存するという会計基準の複線化を、また、後者は国内税制の整備と国際課税の進展に伴い顕在化した税制のあり方を指している。
本講義では、このような「現代」の税務会計を学ぶために必要な知識を修得する。 |
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授業概要(教育目的) |
税務会計を義務づけられる企業は他の会計分野(金融商品取引法会計、会社法会計)に比べ、圧倒的に多く、社会的需要は高い。とりわけ企業実務に携わっている方々には必須の知識である。その一方で、税務会計は難しいという声もよく耳にする。大きな理由として、税務会計を学ぶには法人税法のみならず、簿記や会計学の知識も必要になることが挙げれられる。さらに、税務会計の学習を困難ならしめていることに、近年の税務会計領域の変容と拡大がある。
本講義では、税務会計の基礎から応用領域まで幅広く取り上げる。
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授業計画表 |
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回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 授業の進め方を説明し、授業を受けるために必要な会計、法人税法の知識を学ぶ。 | 第2回 | 税務会計を学ぶにあたって | 税務会計を学ぶ上で欠かせない基礎知識を修得し、その後の学習項目のマッピングをおこなう。 | 第3回 | ①税務会計とは
②税務会計の生成と発展
| 税務会計の意義、歴史的沿革について学ぶ。 | 第4回 | 課税所得の計算構造① | 確定決算主義、税務調整 | 第5回 | 課税所得の計算構造② | 益金の範囲、損金の範囲 | 第6回 | 益金の会計① | 収益計上の基準、リース取引、受取配当金、有価証券の譲渡損益 | 第7回 | 益金の会計② | 権利確定主義、管理支配基準 | 第8回 | 損金の会計① | 債務確定主義、売上原価、固定資産の減価償却、特別償却 | 第9回 | 損金の会計② | 資本的支出と修繕費、繰延資産の償却、給与等、交際費等、 | 第10回 | 損金の会計③ | 引当金、準備金、租税公課 | 第11回 | 課税所得・税額の計算、申告・納付 | 課税所得計算と欠損金、法人税額の計算、税額控除、申告内容の是正 | 第12回 | 国内税制の整備 | 連結納税、組織再編税制、 | 第13回 | 国際課税の進展 | 国際的二重課税の排除、租税回避への対応 | 第14回 | 税務事例研究① | 税務事例を取り上げて検討する。 | 第15回 | 税務事例研究② | 税務事例を取り上げて検討する。 |
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授業形式 |
テキストと配布資料を輪読しながら、講義をすすめる。 |
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評価方法 |
定期試験
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レポート
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小テスト
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授業への
参画度
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その他
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合計
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20% |
40% |
0% |
40% |
0% |
100% |
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テキスト |
成道秀雄監修、坂本雅士編著『現代税務会計論』(中央経済社、2018年) |
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事前学習の内容など,学生へのメッセージ |
初学者であることを前提にわかりやすく説明するので、積極的に受講してほしい。 |