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学習目標(到達目標) |
経済・経営および社会分析で重要性を増しつつある多変量解析の理論的背景を学び, 実際に分析で使うために本講義では次の事項を目標とする。
1. 目的変量の動向を予測・説明する重回帰分析の理論を理解したうえで分析ができる。
2. 多変量データから新たな指標をうみ出す主成分分析の理論を理解したうえで分析ができる。
3. 質的多変量データの特性から目的となる量的変量を予測・説明する分析法を理解し,応用することができる。
4. 以上の分析手法を適宜に用い,種々の経済・経営の多変量データを分析できる足掛かりとすることができる。 |
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授業概要(教育目的) |
「統計学 I」を学んだ学生が経済・経営分析で近年さらに重要性を増している多変量解析の理論を理解したうえで.分析ができる基本的な考え方,処理法,分析法を学び,確実な統計分析力を身につけることを目的とする。
本講義においては数理的理論に基づく多変量分析を理解し,データ分析を実践する実質的な分析能力を磨くこともねらいとする。 |
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授業計画表 |
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回 | 項目 | 内容 |
第1回 | 統計知識の確認(相関と回帰・分散共分散行列)
| 本講義を受講するための必要な数理および統計理論の事項を確認する。
[準備学習] 微分積分・行列理論の基礎を抑えておくこと。また相関・回帰分析の内容を十分に復習しておくこと。 | 第2回 | 重回帰分析の理論(1) | 重回帰分析の基礎的理論を学ぶ。
[講義項目] 重回帰モデル/モデルの有効性
[準備学習] 指定された内容を理解して臨むこと。 | 第3回 | 重回帰分析の理論(2) | 2回目に続き重回帰モデルにおける分析上での問題点を学ぶ。
[講義項目] 重回帰モデル/重回帰の統計量/多重共線性
[準備学習] 2回目の講義内容の十分な理解と今回の指定内容を予め理解して臨むこと。 | 第4回 | 重回帰分析データの分析処理(1) | 2,3 回の講義内容に基づき重回帰分析による処理を行う。
[講義項目] 2,3 回の内容を十分に理解しておくこと
[準備学習] 演習データの重回帰モデルを考察しておくこと。 | 第5回 | 重回帰分析データの分析処理(2) | 重回帰分析のデータ処理演習を行い, レポートにまとめる。
[準備学習] 与えられたデータについて処理結果をまとめられるように準備しておくこと。。 | 第6回 | 主成分分析の理論(1) | 多変量データのもつ情報を再構築し,新たな指標を構成し評価する主成分分析の理論を学ぶ。
[講義項目] 主成分分析の考え方/情報量
[準備学習] 主成分分析とはどういうものかイメージヲ作っておくこと。 | 第7回 | 主成分分析の理論(2) | 主成分分析で構成される複数の主成分から情報性の高い指標を選択して解釈を与える理論的背景を学ぶ。
[講義項目] 固有値/寄与率/因子負荷量
[準備学習] 線形代数の基礎を理解しておくこと。 | 第8回 | 主成分データの分析演習(1) | 主成分分析のデータ処理演習を行う。
[準備学習] 与えられたデータについて処理結果をまとめられるように準備しておくこと。 | 第9回 | 主成分データの分析演習(2) | 重回帰分析のデータ処理演習を行い, レポートにまとめる。
[準備学習] 与えられたデータについて処理結果をまとめられるように準備しておくこと。。 | 第10回 | 数量化理論(1) | 多変量の質的データにより目的となる量的変量の動向を予測・説明する数量化理論 I 類の理論について学ぶ。
[講義項目] 数量化I 類
[準備学習] 数量化とはどのような分析かをイメージを持っておくこと。 | 第11回 | 数量化理論(2)
| 多変量の質的データによる個体間の類型化を探る数量化理論 III類の理論を学ぶ。
[講義項目] 数量化 III 類
[準備学習] 前回の分析手法を説明できるようにしておくこと。 | 第12回 | 数量化理論によるデータ分析演習 | 数量化理論のデータ処理演習を行う。
[準備学習] 与えられたデータについて処理結果をまとめられるように準備しておくこと。 | 第13回 | 判別分析の理論
| 統計的距離の概念を学び,分析に応用することを学ぶ。
[講義項目] マハラノビスの距離,判別分析
[準備学習] 「判別分析とは」説明できるようにしておくこと。 | 第14回 | 総合演習およびその解説 | 多変量分析・数量化理論のデータ処理演習を行う。
[準備学習] 与えられたデータについて処理結果をまとめられるように準備しておくこと。 | 第15回 | 課題分析の発表 | 提出レポートの発表を各自行う。 |
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授業形式 |
基本的に講義形式とPCによる演習で進める。この段階の分析では, 高度な計算処理が求められ, 短時間で分析のためのフォームを作りあげるのは困難である。そこで, 基本的な統計分析ツールを利用する。講義においては統計学 I と同様, 実際にデータ処理を行い毎時限ごとにレポート提出をさせる予定である。講義内容は状況に応じて変更もありうる。 |
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評価方法 |
定期試験
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レポート
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小テスト
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授業への
参画度
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その他
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合計
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60% |
20% |
0% |
20% |
0% |
100% |
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評価の特記事項 |
講義で出されるレポート,講義中に作成する Excel のファイルはすべて提出すること。総合演習は試験も兼ねる。 |
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オフィスアワー(授業相談) |
火曜日13時から16時まで, 8号館受付で守衛の方を通じて連絡を取ること。 |
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事前学習の内容など,学生へのメッセージ |
「統計学 I 」で習得した内容を前提として講義する。従って,受講するためには「統計学 I 」を履修済みであることを前提としなければならない。
また, Excel の統計ツールを使って統計処理を行うので,空き時間などを利用してその操作にも十分に慣れてもらう必要があり,片手間では習得することは困難であることを心得ていただきたい。
内容的にも毎時間積み上げていく。欠席した場合はその時間の講義内容を自学自習してもらうことが必要であるので,必ず連絡を取ることを求める。
各項目について必ずレポート提出をすること。 |