講義名 空間経済学Ⅰ ≪大学院≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 月5
単位数 2

担当教員
氏名
呉 逸良

学習目標(到達目標) 本講義は,空間経済学の最も基本的なモデルの学習を通じて以下のことを達成するのを目標とする。
① 経済活動の空間分布の特徴とその内生的な要因を理解すること
② 理論分析の基本的な考え方と手法を理解すること
③ 数理モデルによる理論分析の手法を理解すること
④ 現実問題に対し,理論的な思考力を養うこと
授業概要(教育目的) 経済活動の空間的な分布の不均一性の原因は何か。その内生的な要因を見出すために,既存理論の解説を理解し,現実問題に対する理論的な思考力の養成を教育目的とする。授業内容はそのための基礎知識の学習および空間経済学の基本モデルの学習である。また「空間経済学Ⅱ」の基礎づけとなる。
授業計画表
 
項目内容
第1回序論(1)距離,輸送コストと空間
モノ・カネ・ヒトの空間移動
都市化と産業集積現象
経済統合
第2回序論(2)空間構造の自己組織的形成
Zipfの法則
地域格差現象と経済発展
市場経済および国境の意義
第3回序論(3)空間経済学の発展:藤田(2010)参照(『現代経済学の潮流2010』東洋経済新報社,第1章所収)
空間経済学的な考え方
第4回空間不可能性定理空間不可能性定理とその意味:Starrett (1978)参照
第5回伝統的国際貿易理論(1)リカードの比較優位理論
ヘクシャー・オリーンモデル
第6回伝統的国際貿易理論(2)伝統的国際貿易理論の問題点
レオンチェフのパラドクスと産業内貿易
第7回産業内貿易と新貿易理論(1)ミクロ経済学の基礎知識
独占的競争モデル:Dixit & Stiglitz(1977)参照
第8回産業内貿易と新貿易理論(2)新貿易理論:Helpman & Krugman(1985)参照
貿易自由度と自国市場効果(home market effect)
第9回地理学の再発見(1)フォン・チューネンのモデル
単一中心モデル
第10回地理学の再発見(2)都市経済学における都市規模の理論
中心地理論とクリスタラー・レッシュの六角形体系
第11回単一中心経済の持続性市場ポテンシャル分析:Fujita & Krugman(1995)参照
第12回収穫逓増と産業集積マーシャルの外部性
連関と因果循環関係
集積力分散力について
分岐について
第13回核-周辺モデル(1)CES型効用関数を用いるモデル(a):Krugman(1991a)参照
第14回核-周辺モデル(2)CES型効用関数を用いるモデル(b):Krugman(1991a)参照
第15回まとめまとめと今後課題
授業形式 講義形式:学生による内容報告を基本とするが,教員はその補足や訂正および内容理解するための事例を加え,数学計算を手助けする。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 80% 0% 15% 5% 100%
評価の特記事項 授業中やレポートの中で示した独創的な考え方を高く評価する。
テキスト 最初の授業で受講生と相談してから選定する。
参考文献 藤田昌久他『空間経済学―都市・地域・国際貿易の新しい分析』東洋経済新報社,2000。
佐藤泰裕他『空間経済学』有斐閣,2011。
曽道智・高塚 創『(サピエンティア)空間経済学』東洋経済新報社,2016。
佐藤泰裕『都市・地域経済学への招待状 』有斐閣,2014。
中村良平,田渕隆俊『都市と地域の経済学』有斐閣,1996。
伊藤元重,大山道広『国際貿易』岩波書店,1999。
オフィスアワー(授業相談) 研究室:3号館7Fの373室,1Fの受付で連絡を取った上で気軽に来てください。
e-mail: go.itsuryou@nihon-u.ac.jp
メールで連絡する場合,迷惑メール対策として,件名に科目名,学生番号とお名前を記載してください。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ミクロ経済学,貿易論,立地論に関する基礎的な知識が必要で,多少数式やEXCELを使って講義する。常に問題意識を持って受講して欲しい。
授業用URL http://www.eco.nihon-u.ac.jp/~go/