講義名 社会学 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 金2
単位数 4

担当教員
氏名
小笠原 祐子

学習目標(到達目標) 本講義では,以下の能力を身につけることを目指します。
1.型にはまった知識ではなく,社会学的なものの見方や考え方ができるようになる。
2.現代社会の特徴と問題点を把握し,現代人として生きる課題が何であるかを理解できる。
3.重要な各領域社会学のポイントを説明できる。
4.社会学の基礎理論を学び,現代社会の分析に関係づけることができる。
5.さまざまな調査方法を比較し,それぞれの長所と短所を説明できる。
授業概要(教育目的) 誰しもみな自分が生活する社会についてある程度の知識を持っていますが,本講義では,自分自身や社会に関する知識には一定の限界があることへの気づきを促します。そして,主要な領域社会学をカバーする中で,それらの限界がどのようなものであるかを考え,現代社会を見る“目”を鍛えることを目標とします。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション講義の内容,講義の形式,評価方法,履修上の注意点について説明する。
社会学の研究事例を紹介する。
【事前学習】2時間
社会学とはどのような学問かをイメージしてくること。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,社会学の学問的特徴を整理すること。
第2回社会学とはどういう学問か(1)C・ライト・ミルズの「社会学的想像力」の概念を検討する。
【事前学習】2時間
本屋さんまたはネットで社会学の本を探し,内容を簡単に把握してくること。
【事後学習】2時間
社会学の学問的特徴と関連付けて「社会学的想像力」とは何かを説明できるようにしておくこと。
第3回社会学とはどういう学問か(2)社会学の4つの異なる問いとは何かを明らかにし,その問いに則した社会学的研究の目標を学ぶ。社会学は果たして「科学」と呼べるのか,呼べるとすれば社会学はどのような学問を目指すべきなのかを検討する。
【事前学習】2時間
社会学は「科学」であるのかどうか,またその理由を考えてくること。
【事後学習】2時間
社会学の4つの異なる問いの例を考えてみること。
第4回文化と社会(1)社会科学的文化の概念と人文学的文化の概念を比較し,文化の多様性と文化の普遍性を明らかにする。
【事前学習】2時間
文化とは何か,自分なりの定義を考えてくること。
【事後学習】2時間
社会科学的文化の概念と人文学的文化の概念の相違を整理すること。
第5回文化と社会(2)社会化の概念を紹介し,社会化が私たちの生活に光と影の両側面を持つことを学ぶ。
【事前学習】2時間
社会化とは何か,社会学辞典等で調べてくること。
【事後学習】2時間
社会化のメリットとデメリットを整理すること。
第6回社会化とライフコース(1)児童期から青年期にかけてのライフコースの現代的特徴について解説する。
【事前学習】2時間
現代人の前半生のライフコースにはどのような段階があるか,考えてくること。
【事後学習】2時間
児童期から青年期にかけてのライフコースがどのような歴史的変遷を遂げたか整理すること。
第7回社会化とライフコース(2)成人期,中高年期,死と世代の継承にかけてのライフコースの現代的特徴について解説する。
【事前学習】2時間
現代人の後半生のライフコースにはどのような段階があるか,考えてくること。
【事後学習】2時間
成人期から死にいたるライフコースがどのような歴史的変遷を遂げたか整理すること。
第8回同調と逸脱(1)賞罰を4つの類型に分けて考察する。
【事前学習】2時間
賞罰とは何か,辞典等で調べてくること。
【事後学習】2時間
賞罰の4類型を例をあげて説明できるようにしておくこと。
第9回同調と逸脱(2)逸脱の生物学的理論と心理学的理論の特徴を明らかにする。
【事前学習】2時間
逸脱とは何か,自分なりの定義を考えてくること。
【事後学習】2時間
逸脱の生物学的理論と心理学的理論の相違を説明できるようにしておくこと。
第10回同調と逸脱(3)社会学の逸脱理論を説明し,前回取り上げた逸脱の生物学的理論と心理学的理論と比較することを通して社会学的理論の特徴を把握する。
【事前学習】2時間
社会学の逸脱理論の特徴は何かを考えてくること。
【事後学習】2時間
社会学の逸脱理論が生物学的理論や心理学的理論とどのように異なるか説明できるようにしておくこと。
第11回エスニシティと人種(1)複合社会におけるマイノリティ・グループ,エスニック・グループ,人種の各概念を整理する。
【事前学習】2時間
マイノリティ・グループ,エスニック・グループ,人種とは何か,辞典等で調べてくること。
【事後学習】2時間
マイノリティ・グループ,エスニック・グループ,人種という3つの概念の違いを説明できるようにしておくこと。
第12回エスニシティと人種(2)エスニシティによる対立と差別と偏見に関する社会学の代表的研究を説明する。
【事前学習】2時間
ヨーロッパにおけるムスリム移民問題について調べてくること。
【事後学習】2時間
日本における移民問題について調べてみること。
第13回ジェンダーとセクシュアリティ(1)ジェンダーとセックス,生物学的性,ジェンダー・アイデンティティ,性的指向の検討を通して,性の多様性について学ぶ。
【事前学習】2時間
ジェンダーとセックスはどう違うのか,辞典等で調べてくること。
【事後学習】2時間
性の多様性について説明できるようにしておくこと。
第14回ジェンダーとセクシュアリティ(2)さまざまな事例の紹介を通して,ジェンダーの社会化の実態をとらえる。
【事前学習】2時間
ジェンダーの社会化の例を考えてくること。
【事後学習】2時間
ジェンダーの社会化とは何か,複数の例をあげて説明できるようにしておくこと。
第15回グループディスカッション前期に学んだ内容を確認し,グループディスカッションを行う。
【事前学習】2時間
グループディスカッションで話す内容を考えてくる。
【事後学習】2時間
授業時に指示する。
第16回社会階層社会階層の4類型を検討し,現代社会における階層の特徴を把握する。さらに,社会移動の研究の射程を明らかにする。
【事前学習】2時間
社会階層,社会移動とは何か,社会学辞典で調べてくること。
【事後学習】2時間
現代社会における階層を他の社会階層との比較の上で説明できるようにしておくこと。
第17回格差社会(1)現代社会の労働市場の特徴を検討し,格差と労働の関係について考える。
【事前学習】2時間
働き方改革について調べてくること。
【事後学習】2時間
格差と労働の関係について説明できるようにしておくこと。
第18回格差社会(2)主としてピエール・ブルデューの業績を取り上げ,格差と文化の関係について考える。
【事前学習】2時間
ピエール・ブルデューについて調べてくること。
【事後学習】2時間
ピエール・ブルデューが提唱した社会学概念を説明できるようにしておくこと。
第19回格差社会(3)主としてポール・ウィリスの業績を取り上げ,格差と教育の関係について考える。
【事前学習】2時間
ポール・ウィリスについて調べてくること。
【事後学習】2時間
ポール・ウィリスが提唱した社会学概念を説明できるようにしておくこと。
第20回権力論(1)主としてミシェル・フーコーの業績を取り上げ,権力の変遷について学ぶ。
【事前学習】2時間
ミシェル・フーコーについて調べてくること。
【事後学習】2時間
ミシェル・フーコーが提唱した鍵概念を説明できるようにしておくこと。
第21回権力論(2)現代社会における権力の特徴を管理型権力の中に見出し,現代社会の空間管理社会としての側面を考察する。
【事前学習】2時間
空間管理とは何か,辞典等で調べてくること。
【事後学習】2時間
空間管理社会について説明できるようにしておくこと。
第22回社会学の理論的基礎(1)社会学の基礎理論を確立したマックス・ウェーバーの貢献を説明し,ウェーバーが提唱した方法論的個人主義の社会学について学ぶ。
【事前学習】2時間
マックス・ウェーバーについて調べてくること。
【事後学習】2時間
方法論的個人主義をウェーバーの社会学を例に説明できるようにしておくこと。
第23回社会学の理論的基礎(2)社会学の基礎理論を確立したエミール・デュルケームの貢献を説明し,デュルケームが提唱した方法論的集合主義の社会学について学ぶ。
【事前学習】2時間
エミール・デュルケームについて調べてくること。
【事後学習】2時間
方法論的集合主義をデュルケームの社会学を例に説明できるようにしておくこと。
第24回社会学の理論的基礎(3)社会学の基礎理論確立に果たしたカール・マルクスの貢献を説明し,社会学への影響について学ぶ。
【事前学習】2時間
カール・マルクスについて調べてくること。
【事後学習】2時間
マルクスの業績がなぜ社会学にとって重要であるか説明できるようにしておくこと。
第25回社会学の理論的基礎(4)マックス・ウェーバー,エミール・デュルケーム,カール・マルクスの基礎理論を比較検討し,それぞれの要点をまとめる。
【事前学習】2時間
それぞれの業績の相違について考えてくること。
【事後学習】2時間
それぞれの業績を比較の上で説明できるようにしておくこと。
第26回社会学の理論的基礎(5)構造主義およびポスト構造主義を取り上げ,社会学理論の発展を跡づける。
【事前学習】2時間
構造主義とは何か,辞典等で調べてくること。
【事後学習】2時間
構造主義,ポスト構造主義を説明できるようにしておくこと。
第27回調査研究方法(1)社会学調査の全体の流れを説明し,仮設の設定の仕方について学ぶ。
【事前学習】2時間
調査してみたい研究テーマを考えてくること。
【事後学習】2時間
研究テーマに沿った仮説を考えてみること。
第28回調査研究方法(2)データの収集方法にはどのようなものがあり,それぞれの特徴および長所と短所は何かを説明する。
【事前学習】2時間
自分の仮説を証明するために最適なデータ収集方法は何か考えてくること。
【事後学習】2時間
リサーチ・プロポーザルを作成してみること。
第29回グループディスカッション後期に学んだ内容を確認し,グループディスカッションを行う。
【事前学習】2時間
グループディスカッションで話す内容を考えてくる。
【事後学習】2時間
確認試験に備える。
第30回確認試験と解説授業を通して学んだことの確認試験(60分)および解説(30分)を行う。
授業形式 基本的には講義型式で行いますが,質疑応答はむろんのこと,できるだけ意見交換の時間も設けます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
60% 40% 0% 0% 0% 100%
評価の特記事項 特になし。
テキスト 使用しません。
参考文献 アンソニー・ギデンズ著,松尾精文他訳『社会学 第五版』而立書房,2009年,3888円.
オフィスアワー(授業相談) 授業時に指示します。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 教員が板書した内容をただ機械的にノートに書き写すのではなく,話の内容を咀嚼して“マイノート”を作るよう,能動的に授業に臨んでください。また授業内容を確認したり,理解を深めるために,ギデンズの参考文献(図書館の指定図書)を随時参照してください。