回 | 項目 | 内容 |
第1回 | ガイダンス | 学習目標,授業の進め方,成績評価の仕方について説明します。また,参考文献案内をする予定です。
【事前学習】1時間
事前にシラバスを熟読しておくこと。履修上確認しておきたい点をチェックしておくこと。
【事後学習】1時間
講義内で紹介した文献を各自手に取り,内容を確認すること。 |
第2回 | 政治の概念 | 政治の特徴を,法律や経済など他の社会領域と比較した上で,明らかにします。また,様々な「政治」観を紹介し,それらが現実政治においてどれだけ妥当性を持ちうるのかを検討する予定です。
【事前学習】1時間
任意の新聞の社説のうち,政治に関係するのもがどれにあたるのかを検討しておくこと。シュミット『政治的なものの概念』を読んでくること。
【事後学習】1時間
講義内で扱った重要語句を文献等で調べ確認しておくこと。 |
第3回 | 政治権力(1) | 政治権力の概念には,どのようなものがあるのかを説明します。特に,権力論の中でも,実体説と関係説とに焦点をあてて説明する予定です。
【事前学習】1時間
「権力」という言葉が辞書ではどう記載されているか確認しておくこと。新聞記事ではどのような用いられ方をしてるのか確認しておくこと。
【事後学習】1時間
講義内の例以外の権力現象としてどのようなものがありうるのか各自検討すること。 |
第4回 | 政治権力(2) | 政治権力の特異性を検討します。特に,政治権力と社会的権力との違いを考察し,そうした比較を通して,公権力としての政治権力の意味内容を明らかにする予定です。
【事前学習】1時間
家族や学校における権力関係と政治権力との共通点と相違点を考えておくこと。前回の権力論との関係を考えておくこと。
【事後学習】1時間
前回の講義内容と今回の内容を関連付けて,ノートに整理しておくこと。 |
第5回 | 支配と正統性
| 支配と正統性の問題を扱いますが,その中でも代表的な議論としてヴェーバーの3類型ーー伝統的支配,カリスマ的支配,合法的支配ーーを取り上げます。また,社会の多様性と正統性がどのように関連しているかを説明する予定です。
【事前学習】1時間
歴史的事例や新聞記事の中から,伝統的支配,カリスマ的支配,合法的支配のそれぞれにあてはまる具体例を調べておくこと。ヴェーバー『権力と支配』を読んでくること。
【事後学習】1時間
ヴェーバーの正統性の議論以外の論拠を調べること。 |
第6回 | リーダーとリーダーシップ
| エリート論とリーダー論の枠組みの共通点・相違点を検討した上で,さまざまなリーダー論を取り上げます。特に,リーダーの資質論の特徴とその問題点を検討するとともに,リーダーを支えるフォロワーの役割に注目し,その機能を明らかにする予定です。
【事前学習】1時間
日本の歴代首相のリーダーシップ発揮の成功例・失敗例を調べておくこと。マキャヴェッリ『君主論』を読んでくること。
【事後学習】1時間
リーダーシップ論そのものの問題点を再確認しておくこと。 |
第7回 | 政治の誕生とその展開 | 前回までの政治学の中心的概念を踏まえたうえで,それらが歴史的にはどう扱われてきたのか,「ポリスからキリスト教世界へ」という流れで明らかにします。特に,プラトン,アリストテレス,トマス・アクィナスを取り上げる予定です。
【事前学習】1時間
上記思想家の経歴・主要著作・主要著作の概要を調べておくこと。
【事後学習】1時間
上記思想家の政治の考え方の現代的意義を検討すること。 |
第8回 | 近代と政治 | 政治学の変遷を,(1)ルネサンスと宗教改革および(2)社会契約論の系譜という流れで説明します。前者ではマキャヴェッリとルターを扱い,後者ではホッブズ,ロック,ルソーを扱います。
【事前学習】1時間
トレルチ『ルネサンスと宗教改革』,ロック『統治論』を読んでくること。
【事後学習】1時間
マキャヴェッリ『君主論』,ルソー『社会契約論』を読み,講義内容をフォローしておくこと。 |
第9回 | デモクラシーの生成とその展開(1) | デモクラシーとは何かということを,まず古代ギリシャのデモクラシーを考察することで,その本源的観点から明らかにします。さらに古典的デモクラシーと,近代議会政治およびデモクラシーとの関連を考察します。
【事前学習】1時間
ポリスにおいてどのように政治が運営されていたか調べておくこと。
【事後学習】1時間
斎藤忍随『プラトン』を読み,講義内容をフォローしておくこと。 |
第10回 | デモクラシーの生成とその展開(2) | 大衆社会の登場の背景,そこからうまれた大衆デモクラシーの特徴を検討します。その上で,そうした大衆デモクラシーの諸課題をファシズムや政治的無関心との関連から明らかにします。
【事前学習】1時間
ヴァイマール体制の崩壊過程の概要を事前に調べておくこと。フロム『自由からの逃走』を読んでくること。
【事後学習】1時間
森政稔『迷走する民主主義』を読み,講義内容をフォローしておくこと。 |
第11回 | 投票行動と政治意識 | 投票行動の諸前提として,外的環境の要因がどれだけの影響を持ちうるのかを説明します。それを踏まえて上で,政党帰属意識の影響や,有権者の実像を明らかにします。
【事前学習】1時間
ここ10年の衆参の投票率およびその年代別投票率を調べておくこと。
【事後学習】1時間
直近の国政選挙における若年層の投票率と投票先を調べ,講義内容と関連づけて検討すること。
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第12回 | 国際社会(1) | 国際社会の枠組みとその変容を,以下の流れで扱います。まず、近代ウエストファリア体制と勢力均衡論を検討し,それに対しするものとしてWWIと国際連盟樹立とがどのよう位置づけ可能なのか説明します。加えて,WWIIと冷戦とが国際社会に新たにどのような要素をもたらしたのかを明らかにします。
【事前学習】1時間
E・H・カー『危機の二十年』を読んでくること。
【事後学習】1時間
前掲書の中で講義内容と関連する部分を再読しておくこと。
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第13回 | 国際社会(2) | 開発途上国の国家形成を,前回の議論と関連付けて説明します。この回では,途上国独立前の植民地支配の手法を検討し,それらが途上国の独立にどのような影響を与えたのかを説明します。その上で植民地支配の記憶が,独立後の途上国の呪縛となっていることを明らかにします。
【事前学習】1時間
前回の講義内容の中で,植民地や途上国はどのような位置に置かれていたのかを確認しておくこと。
【事後学習】1時間
現代の紛争地域を調べ,講義内容との関連を検討すること。 |
第14回 | 理解度の確認 | これまでの要点のまとめ:前期の重要ポイント振り返るとともに、質疑の時間を設け、個別の論点について解説します。
【事前学習】1時間
ノートなどを見直し,理解が不十分な点を確認しておくこと。
【事後学習】1時間
講義内容を踏まえ,再度ノートを整理しておくこと。 |
第15回 | 試験及び解説授業:中間のまとめ | まとめ:試験を実施し、その後に試験についての解説を行います。
【事前学習】1時間
前期の各論点を自分の言葉で説明できるようにしておくこと。
【事後学習】1時間
解説を踏まえた上で,自分なりに試験の解答を再度作成しておくこと。 |
第16回 | 政党(1) | 政党の定義・類型をはじめに示し,その後に政党制(一党制,二党制など)を説明します。さらに,日本における政党性の特徴を明らかにするとともに,現代の政党一般の課題を明らかにします。
【事前学習】1時間
衆議院・参議院のホームページを閲覧し,現時点での日本の政党の勢力分布を把握しておくこと。
【事後学習】1時間
講義で取り上げた政党の定義以外に,どのようなものがあるのか調べておくこと。 |
第17回 | 政党(2) | 日本における政党をその課題の面から検討し,英米の二党制が本当に日本の政党制のモデルとなりうるのかを検討します。また,近年議論になっているインターネットと政党との関係を明らかにします。
【事前学習】1時間
日本の各政党のホームページを確認しておくこと。
【事後学習】1時間
高安健将『議院内閣制―変貌する英国モデル』を読み,講義のフォローをしておくこと。 |
第18回 | 官僚制 | はじめに官僚制の特徴をあきらかにし,その上で官僚制の逆機能を説明して問題点を検討します。加えて,政治家と官僚の対立・協力・癒着の関係を考察し,政官関係の内実を説明します。
【事前学習】1時間
城山三郎『官僚たちの夏』を読んでくること。
【事後学習】1時間
官僚制と企業組織との異同を検討すること。 |
第19回 | 利益集団 | 利益集団と政党との違いをまずはおさえたうえで,圧力団体の機能・類型・課題を検討します。また,コーポラティズムを説明する中で,政治過程の中での利益集団の役割を明らかにする予定です。
【事前学習】1時間
日本経団連,連合,農協がどのような政治的活動をしているのかを調べておくこと。
【事後学習】1時間
日本経団連の歴代の会長が,政治についてどのような発言をしていたのか調べ,講義内容との関連を検討すること。 |
第20回 | 政府の役割とその規模 | 「大きな政府」論と「小さな政府」論と比較した上で,「節度ある政府」の在り方を考察するとともに,内外の環境の変化に対応した政府の役割を再考する予定です。
【事前学習】1時間
「大きな政府」と「小さな政府」それぞれのメリットとデメリットを調べておくこと。
【事後学習】1時間
日本は現在「大きな政府」もしくは「小さな政府」なのか,論拠となるデータを調べること。 |
第21回 | 地域社会の政治 | 自治体がいまどのような問題をかかえているかを,地方分権の実情を探ることから検討する。特に2000年以降の地方分権推進と市町村合併から,地方自治が以下に変容したのかを説明します。
【事前学習】1時間
居住都道府県内の市町村合併のケースを調べ,合併後の正負の効果を確認しておくこと。
『事後学習】1時間
大江正章『地域に希望あり――まち・人・仕事を創る』を読み,講義のフォローをしておくこと。 |
第22回 | 政治とマスメディア(1) | マス・メディアが投票行動にいかに影響するのかについて,その理論的枠組みを明らかにします。具体的には,即効薬理論,コミュニケーションの2段階の流れ,議題設定機能を扱う予定です。
【事前学習】1時間
即効薬理論,コミュニケーションの2段階の流れ,議題設定機能ーー以上の概要を調べておくこと。
【事後学習】1時間
リップマン『世論』を読み,講義との関連性を検討すること。
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第23回 | 政治とマスメディア(2) | 日本の選挙報道の在り方を検討します。特に,否定的報道が,政治的シニシズムとどのように関係するのかを明らかにします。
【事前学習】1時間
各新聞社のホームページで直近の衆・参選挙の評価の違いを確認しておくこと。
【事後学習】1時間
ソーシャル・メディアと政治との関連を検討しておくこと。 |
第24回 | 民族とナショナリズム | 国民と国家の関係性を検討する中で,近代化とエスニシティが齟齬をきたす面を把握するとともに,それへの阿インチテーゼとしてのアイデンティティの政治の意義を明らかにします。
【事前学習】1時間
E・H・カー『ナショナリズムの発展』を読んでくること。
【事後学習】1時間
ナショナリズムとポピュリズムとの関連を自分なりに検討しておくこと。 |
第25回 | 自由主義 | 自由と自由主義はどう関係するのか明らかにし,自由主義には二つの系譜があることを明らかにします。その上で,現代の自由主義が市場原理主義とグローバリズムとにどう関連しているのかを説明します。
【事前学習】1時間
ミル『自由論』,もしくはジョン・グレイ『自由主義』を読んでくること。
【事後学習】1時間
現代自由主義の課題を身近な例から検討すること(例:リーマン・ショック)。
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第26回 | 保守主義 | 保守主義の起源をまず説明し,その次に20世紀における変容の実態を明らかにします。そして今世紀のアメリカ保守主義の問題を取り上げる中で(例:ブッシュとネオコン),現代保守主義の課題を考察します。
【事前学習】1時間
バーク『フランス革命の省察』,佐々木毅『現代アメリカの保守主義』を読んでくること。
【事後学習】1時間
宇野重規『保守主義とは何か-反フランス革命から現代日本まで』を読み,講義のフォローをしておくこと。 |
第27回 | 社会主義 | マルクスとその革命理論を政治学の観点から考察します。また,現代において西欧・中南米で左派政権の台頭などから,格差社会への処方箋としての意義など,社会主義の現代的意義を明らかにします。
【事前学習】1時間
マルクス『共産党宣言』を読んでくること。
【事後学習】1時間
現存の社会主義「体制」と「政権」を調べ,現状を確認しておくこと。 |
第28回 | グローバリゼーション | グローバリゼーションの特徴を政治学的観点から位置づけるとともに,反グローバリズムの動きや,グローバリゼーションとデモクラシーとの関係を明らかにします。
【事前学習】1時間
伊豫谷登士翁『グローバリゼーションとは何か:液状化する世界を読み解く』を読んでくること。
【事後学習】1時間
TPPの問題を講義内容と関連付けて検討しておくこと。 |
第29回 | 理解度の確認 | 16回以降の要点のまとめ:後期の重要ポイント振り返るとともに,質疑の時間を設け,個別の論点について解説します。
【事前学習】1時間
ノートなどを見直し,理解が不十分な点を確認しておくこと。
【事後学習】1時間
講義内容を踏まえ,再度ノートを整理しておくこと。 |
第30回 | 確認試験と解説 | まとめ:試験を実施し,その後に試験についての解説を行います。
【事前学習】1時間
後期の各論点を自分の言葉で説明できるようにしておくこと。
【事後学習】1時間
解説を踏まえた上で,自分なりに試験の解答を再度作成しておくこと。 |