講義名 科学史 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 水3
単位数 4

担当教員
氏名
坂野 徹

学習目標(到達目標) 本講義では、以下の項目を達成することを目標としている。
1.西欧を中心とした科学史の流れを説明できる。
2.科学という営みが、研究者を取り巻く社会・政治の状況と密接に関わるものであることを認識できるようになる。
3.科学の歴史を学ぶことを通じて、経済学や経営学といった自らが学ぶ学問を新たな視点から捉え返すことができる。
4.現代の科学が抱える諸問題について自分なりの意見を提示できる。
授業概要(教育目的) 本講義は、古代から現代に至る西欧世界を中心とした自然科学の歴史的展開を、同時代の社会や政治の状況と関連づけながら展望する。前期は、古代ギリシアの時代から17世紀における西欧近代科学の誕生までの時期を扱い、後期は、近代科学誕生からそれ以降の西欧を中心とした科学技術の展開をたどる。
授業終了時には、自然科学を自らの生活と密接に関わる存在と感じられるようになることを目標とする。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンスそもそも科学とは何か,科学の歴史をどう捉えるのか歴史の見方を学習する。
【準備学習】2時間
思いつく「科学者」の人名,「科学」と「技術」の違いについて,答えられるように,現時点での知識を整理しておく。
【事後学習】2時間
授業で紹介された『科学者」について調べておく。
第2回古代の科学1科学の起源といわれる古代ギリシアにおける自然哲学の内容について学習する。
【事前学習】2時間
古代ギリシア・ローマ社会についてイメージをふくらませるため,高校の世界史の教科書を再読しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第3回古代の科学2古代ギリシアの哲学者アリストテレスの自然学について学習する。
【事前学習】2時間
この時代についてイメージをふくらませるため、マンガ『ヒストリエ』(岩明均)に目を通しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第4回古代の科学3古代アレクサンドリア期の科学・技術について学習する。
【事前学習】2時間
同じく,マンガ『プリニウス』(ヤマザキマリ・とりみき)に目を通しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第5回中世アラビアの科学1中世アラビア科学について学ぶため,ドキュメンタリー作品を鑑賞する。
【事前学習】2時間
中世のアラビア社会についてイメージをふくらませるため,高校の世界史の教科書を再読しておく。
【事後学習】2時間
授業で鑑賞した映像に登場する主要人物についてネットなどで調べておく。
第6回中世アラビアの科学2中世アラビア科学の内容について学習する。
【事前学習】2時間
前回,鑑賞したビデオに登場した人物について,ネットなどで調べておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第7回12世紀ルネサンスと西欧中世の科学中世西欧社会の雰囲気を知るため,映画を鑑賞した上で,アラビア世界から西欧世界への大翻訳運動について学習する。
【事前学習】2時間
可能であれば,DVDで『薔薇の名前』(1986)をあらかじめ鑑賞しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第8回西欧中世の科学の展開西欧中世の科学の展開について学習する。
【事前学習】2時間
授業で一部紹介した映画の残りをネットなどで鑑賞しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第9回ルネサンス期の科学ルネサンスの科学史上の意味について学習する。
【事前学習】2時間
ルネサンス期とは何なのか,高校の世界史の教科書を再読しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第10回近代科学の誕生1コペルニクス革命に始まる近代科学の誕生について学習する。
【事前学習】2時間
近代科学の誕生について,高校の世界史の教科書でどう扱われているか確認しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第11回近代科学の誕生2コペルニクス革命からケプラーに至る近代天文学の誕生について学習するとともに,ケプラーに関するドキュメンタリー映像を鑑賞する。
【事前学習】2時間
地動説と天動説の違いについて説明できるように,現時点での知識を整理しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第12回近代科学の誕生3ガリレイに関するドキュメンタリー映像を鑑賞する。
【事前学習】2時間
ガリレオ・ガリレイとはどういう人物なのか,ネットなどで調べておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第13回近代科学の誕生4ガリレイと近代力学の誕生について学習する。
【事前学習】2時間
前回みたドキュメンタリー映像をふまえて,ガリレオ・ガリレイと地動説の関係について説明できるようにしておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第14回近代科学の誕生5ルネ・デカルトと近代的自然観の成立について学習する。
【事前学習】2時間
デカルトとはどういう人物なのか,ネットなどで調べておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第15回前期のまとめ前期の授業に関する疑問点を解消する。
【事前学習】2時間
前期の授業ノートを読み直し、疑問点をピックアップしておく。
【事後学習】2時間
授業ノートで不明な部分を、テキストで再確認しておく。
第16回近代科学の誕生5科学革命の総まとめをした人物であるニュートンについて学習する。
【事前学習】2時間
ニュートンとはどういう人物なのか,ネットなどで調べておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第17回近代科学の誕生617世紀科学革命の意義とその特徴について学習する。
【事前学習】2時間
これまでの授業を踏まえて,近代科学とそれ以外の科学の違いについて,答えられるよう自分の回答を用意しておく。
【事後学習】2時間
再度テキストで科学革命の部分を勉強しておく。
第18回啓蒙主義と科学科学史上における啓蒙主義の意義について学習する。
【事前学習】2時間
「啓蒙」「啓蒙主義(思想)」とは何か答えられるように,高校の世界史の教科書で確認しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第19回科学者とは誰か1フランス革命に伴って生まれたエコル・ポリテクニークという学校について学習する。
【事前学習】2時間
「科学者」の定義について答えられるよう,現時点での知識を整理しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第20回科学者とは誰か2ドイツ近代大学の誕生について学習する。
【事前学習】2時間
高校と大学の違いは何か,という問いに答えられるように,自分の回答を用意しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第21回科学者とは誰か3科学の専門職業化について学習する。
【事前学習】2時間
前期から授業で扱ってきた様々な研究者たちと現代の「科学者」の違いは何処にあると思うか,自分の回答を用意しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第22回産業革命と科学イギリス産業革命と科学の関係について学習する。
【事前学習】2時間
イギリス産業革命について,高校の世界史や経済史の教科書などで予習しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第23回化学革命学問として化学の成立過程について学習する。原始論と物質の化学の形成。
【事前学習】2時間
授業の中で触れてきた物質理論に関する説明について,授業ノートで復習しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第24回生物学の誕生学問としての生物学(Biology)の誕生について学習する。
【事前学習】2時間
「生物」と「非生物」の違いは何か,という問いに答えられるよう,自分の回答を用意しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第25回進化論の誕生1ダーウィンの生涯を扱ったドキュメンタリー映像を鑑賞する。
【事前学習】2時間
「進化」とは何か,という問いに答えられるよう,自分の回答を用意しておく。
【事後学習】2時間
映像に出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第26回進化論の誕生2ダーウィンの科学史上の意義について学習する。
【事前学習】2時間
ダーウィンの業績について,ネットなどで調べておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第27回産業化社会と科学アメリカを中心とする科学の産業化について学習する。
【事前学習】2時間
これまでの授業を踏まえて,「科学」と「技術」の関係について自分なりの回答を用意しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第28回科学技術と戦争1第1次世界大戦と毒ガス兵器の誕生に関するドキュメンタリー映像を鑑賞する。
【事前学習】2時間
戦争と科学の関係を示す事例を答えられるように,自分の回答を用意しておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第29回科学技術と戦争2第1次世界大戦・第2次世界大戦と科学技術の関係について学習する。
【事前学習】2時間
原爆と原子力発電の関係について,ネットなどで調べておく。
【事後学習】2時間
授業で出てきた人物とその業績についてテキストで再確認しておく。
第30回後期のまとめ前期・後期の疑問点を解消する。
【事前学習】2時間
授業ノートを再読し、疑問点をピックアップしておく。
【事後学習】2時間
授業ノートで不明な部分を、テキストで再確認しておく。
授業形式 ビデオやパソコン画像を適宜使用しながらの講義形式。数回に1度、授業時レポート(レスポンスペーペー)提出。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
80% 10% 0% 10% 0% 100%
評価の特記事項 基本的には前期・後期の定期試験の点数を評価するが,平常点(レスポンスペーパー)も加味する。
テキスト 前期:橋本毅彦『〈科学の発想〉をたずねて』左右社。
後期:古川安『科学の社会史』ちくま学芸文庫。
参考文献 授業時に適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談) 水曜日16:00〜18:00 事前にアポイントを取ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 理科や数学に関する知識不足を心配することは全くないが,高校レベルの世界史の知識を前提にすることは肝に銘じておくこと。また,1年間かけて科学の歴史を流れで講義していくので,授業を休むと内容が理解しにくくなる可能性がある。休んだ場合には,他の受講者からノートを借りたり,講師に参考図書を聞くなりして,補足する必要があることにも注意されたい。
思想や哲学,歴史に興味のある学生を望む。卒業がかかっている等の理由で甘くすることは一切無いので,そのつもりで選択すること。