講義名 比較宗教文化論 ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 月1
単位数 2

担当教員
氏名
イーリャ ムスリン

学習目標(到達目標) 宗教学に関する基礎的な知識や宗教関連の問題を様々な視点から考える能力を身に付けることができる。
授業概要(教育目的) 本コースでは具体的な宗教の事例を紹介しながら学者と思想家が宗教をどう見てきたかを分析します。心理学、社会学、文化人類学といった諸分野の宗教に関する議論について学び、様々な宗教へのアプローチを比較しながら、宗教とは何か、何故人間に必要なのか、宗教はどのように成立し、社会や文化においてどのような役割を果たし、どのような位置を占めるのか、などを考えていきます。
授業計画表
 
項目内容
第1回第1回 
1)コース紹介。
2)古代ヨーロッパ思想における宗教論
本コースの内容や目標、採点の基準や授業中のマナーなどについてお話しします。
また、宗教の存在理由を考え、宗教を説明しようとした古代ギリシャの思想家による諸説を例に、宗教への主なアプローチを紹介します。
第2回第2回 
近代宗教学の成立
近代宗教学の成立過程やその分野の主な原理について学びます。
第3回第3回
宗教と知性 I ― H. スペンサーと B. タイラー
19世紀後半と20世紀初頭において活躍したイギリス人哲学者と文化人類学者の宗教論を学びながら、宗教の起源や性質、社会的機能などについて学びます。
第4回第4回 
宗教と知性 II ― J. G. フレーザー
イギリスの主知主義者による人類思想の発達論について勉強しながら、宗教信仰の特徴や宗教と呪術の背景にある思考パターンなどについて考えます。
第5回第5回
宗教と感情 ― R. R. マレットとB. マリノヴスキの宗教論
宗教成立過程や宗教実践において情緒を重視する見方を学びながら、宗教と心というテーマを考えていきます。
第6回第6回 
行動としての宗教 ― 儀礼や供儀に関する諸説
イギリスの研究者ロバートソン=スミスの宗教の社会における役割や供儀についての考え方と、オランダ人学者ワン=ヘネップの通過儀礼に関する研究をもとに、宗教的行動や儀礼の社会的な役割について考えます。
第7回第7回 
宗教と社会 ― E. デュルケムを中心に
フランスの社会学者デュルケムの宗教論を中心に、宗教の定義や宗教と社会の関係について考えていきます。
第8回第8回 
宗教と個人 ― W. ジェームズとクラーク学派の宗教心理学
宗教心理学の成立と初期宗教心理学における研究テーマについて学びながら、宗教が個人の心理的発達や人格とどう関わるかを考えていきます。
第9回第9回 
精神分析における宗教 ― S. フロイトの宗教論
フロイトの宗教論を中心に、宗教の起源や心理的機能、宗教と精神健康などの問題を考えます。
第10回第10回 
フロイト宗教論への批判
C. G. ユングの宗教論などを参考にしながら、フロイトによる宗教の捉え方を再考します。
第11回第11回 
1)宗教的な考え方、認識に関する論争。
2)レポートの書き方に関する指導。
L. レヴィ=ブリュール、C. レヴィ=ストロースとE. E. エヴァンズ=プリチャードによる
議論を参考にしながら、宗教的な考え方と世俗的な考え方の相違について考えます。
レポートの望ましい書き方やレポート評価基準について具体的に教えます。
第12回第12回 
宗教と意味
文化人類学者C. ギアツによる宗教の捉え方と心理学者V.フランクルの宗教論を学びながら、宗教と意味の問題を考えます。
第13回第13回 
経済と宗教 I ― M. ヴェバーの思想
ドイツの社会学者ヴェバーによる宗教の捉え方を参考に、宗教的な倫理観や価値観が経済活動や政治・経済体制に与える影響を考えます。
第14回第14回 
宗教と経済 II ― 宗教の合理的選択理論
宗教の合理的選択理論を例に、宗教的信仰と実践を経済的合理性や経済活動を基盤にした経済学的モデルで説明することが可能であるかどうかを考えます。
第15回第15回 
授業総括
最後の授業では学んできた宗教の捉え方を振り返りながら、本コースの主題である宗教とは何か、その心理的・社会的機能や意味は何なのかという問題を再確認します。
授業形式 講師による講義。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 70% 0% 30% 0% 100%
テキスト 授業ごとに資料を配布。
参考文献 授業ごとに指示する。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 授業ごとに指定する。