シラバス－表示



講義名	統計学Ⅱ　≪◇学部≫

講義開講時期	後期

曜日･時限	火３

単位数	2

担当教員

氏名

大澤　秀雄

学習目標(到達目標)

経済・経営および社会分析で重要性を増しつつある多変量解析のうち, 本講義では次の事項ができるようになることを目指す。
1. 目的変量の動向を予測・説明する重回帰分析を用いた分析ができる。
2. 多変量データから新たな指標をうみ出す主成分分析を解釈することができる。
3. 質的多変量データの特性から目的となる量的変量を予測・説明する分析法を理解し，応用することができる。
4. 質的多変量データの特性から個体間の類型を表現する分析法を理解し，応用することができる。
5. 以上の分析手法を適宜に用い，種々の経済・経営の多変量データを分析できる足掛かりとすることができる。

授業概要(教育目的)

「統計学 I」を学んだ学生が経済・経営分析で近年さらに重要性を増している多変量解析の基本的な考え方，処理法，分析法を学び，確実な統計分析力を身につけることを目的とする。その目標達成のために Excel で利用できる統計ツールを用いる。
　本講義においては多変量のデータから何が分析できるのか，どのように解釈をできるかを中心に学び，学生それぞれのゼミにおけるテーマに関連付けて実質的な分析能力を磨くこともねらいとする。

授業計画表

回	項目	内容
第1回	統計知識の確認(相関と回帰・分散共分散行列)	本講義を受講するための必要な統計理論の事項を確認し，多変量データの分散共分散行列を作成しよう。 [事前学習] 2 時間相関・回帰分析の内容を十分に復習しておくこと [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第2回	重回帰分析(1)-- 重回帰モデルの有効性	単回帰では十分説明し得ない現象が多変量で説明精度が上がる例から重回帰への必要性を学ぼう。 [事前学習] 2 時間与えられたデータの単回帰モデルを考察しておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第3回	重回帰分析(2) -- 重回帰の統計量	3変量以上を説明変量とする重回帰モデルを学ぼう。 [事前学習] 2 時間演習データの2重回帰モデルを考察しておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第4回	重回帰分析(3) -- 重回帰の統計量	重回帰モデルに起こり得る望ましくない現象を見出し，最適なモデル作成の手順を学ぼう。 [事前学習] 2 時間演習データの重回帰モデルを考察しておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第5回	重回帰分析(4) -- 演習	重回帰分析のデータ処理の演習をしよう。 [事前学習] 2 時間 4 回目までの内容を十分に理解しておくこと。 [事後学習] 2 時間指定されたデータ分析のレポートをまとめること。
第6回	主成分分析(1) -- 情報の再構築	多変量データのもつ情報を再構築し，新たな指標を構成し評価する分析法を学ぼう。 [事前学習] 2 時間演習データの統計計算表を作成しておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第7回	主成分分析(2) -- 主成分の解釈	主成分分析で構成される複数の主成分から情報性の高い指標を選択して解釈を与えることを学ぼう。 [事前学習] 2 時間演習データの統計計算表を作成しておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第8回	数量化理論(1) -- 質的データによる回帰	多変量の質的データにより目的となる量的変量の動向を予測・説明する数量化理論 I 類を学ぼう。 [事前学習] 2 時間演習データの統計計算表を作成しておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第9回	数量化理論(2) -- 数量化 I 類モデルの評価	多変量の質的データの組合せによる目的変量の動向を探ろう。 [事前学習] 2 時間 8回目の結果で最適と最悪の組合せは何かを考えておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第10回	主成分分析，数量化理論演習	主成分分析，数量化 I 類の演習により理解を深めよう。 [事前学習] 2 時間 6～9 回目までの内容を十分に理解しておくこと。 [事後学習] 2 時間指定されたデータ分析のレポートをまとめること。
第11回	他の多変量分析法(1) -- 判別分析・クラスター分析	重回帰・主成分分析以外の量的多変量データに対する分析法を学ぼう。 [事前学習] 2 時間演習データの統計計算表を作成しておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第12回	他の多変量分析法(2) -- 数量化 II 類・III 類	数量化 I 類以外の数量化理論を学ぼう。 [事前学習] 2 時間演習データの統計計算表を作成しておくこと。 [事後学習] 2 時間 Excel で指定される表の処理を行うこと。
第13回	多変量分析・数量化理論によるデータ分析演習	多変量分析・数量化理論のデータ処理演習をしよう。　 [事前学習] 2 時間 5, 10 回目のデータ分析演習を十分に理解しておくこと。 [事後学習] 2 時間指定されたデータ分析のレポートをまとめること。
第14回	総合演習(1)およびその解説	13回までの理解度の確認試験(70分)および解説(20分) [事前学習] 2 時間 13 回までのデータ分析演習を主として十分に理解しておくこと。 [事後学習] 2 時間解説を参考に 13 回目までの内容を再確認すること。
第15回	総合演習(2)およびその解説	社会データの分析により理解度の確認試験(70分)および解説(20分) [事前学習] 2 時間 14 回目の分析を更に深くできるよう考察しておこう。 [事後学習] 2 時間解説を参考に講義全体の内容を再確認すること。

授業形式

基本的に講義形式とPCによる演習で進める。この段階の分析では, 高度な計算処理が求められ, 短時間で分析のためのフォームを作りあげるのは困難である。そこで, 基本的な統計分析ツールを利用する。講義においては統計学 I と同様, 実際にデータ処理を行い毎時限ごとにレポート提出をさせる予定である。講義内容は状況に応じて変更もありうる。

評価方法

定期試験	レポート	小テスト	授業への参画度	その他	合計
60%	20%	0%	20%	0%	100%

評価の特記事項

講義で出されるレポート,講義中に作成する Excel のファイルはすべて提出すること。無断で欠席することがないように。

オフィスアワー(授業相談)

火曜日15時から17時まで,木曜日13時から16時まで 8号館2F受付で守衛の方を通して連絡を取ること。

事前学習の内容など，学生へのメッセージ

「統計学 I」で習得した内容を前提として講義する。従って,受講するためには「統計学 I」を履修済みであることを前提としなければならない。
また, Excel の統計ツールを使って統計処理を行うので,空き時間などを利用してその操作にも十分に慣れてもらう必要があり,片手間では習得することは困難であることを心得ていただきたい。
内容的にも毎時間積み上げていく。欠席した場合はその時間の講義内容を自学自習してもらうことが必要であるので,必ず連絡を取ることを求める。
他に習得した分析法で任意にレポート提出したものも評価する。