講義名 フランス語Ⅱ ≪◇学部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 水5・金3
単位数 2

担当教員
氏名
安田 靜

学習目標(到達目標) 1年次のフランス語(I・II)では,フランス語習得の基礎となる文法的知識および簡単な日常的表現の習得(仏検4級相当)が目標です。
フランス語Iに続き,フランス語IIでは,フランスの文化・経済,社会,生活習慣などについても授業を通してさらなる知見を得て,異文化の様々な事象に大いに関心を広げてゆくことができます。
なお,フランス語IIは1年次の場合後期科目(週2コマ・半期で単位認定),再履修の場合は通年科目(週1コマ・通年で単位認定)となります。
授業概要(教育目的) フランス語Iで習得したフランス語特有の発音に気をつけながら,主語+述語を備えた文章を読み・書き,また発話できるようになることを目的とします。動詞の時制も,現在だけではなく,過去及び未来についても使えるようになりましょう。英語にはなかったフランス語特有のモード(法),すなわち条件法と接続法については,原則として2年次のフランス語IIIで取り扱うこととしますが,場合によっては1年次であらかじめ取り扱うこともあります。
授業計画表
 
項目内容
第1回夏休みの課題提出,前期内容の復習後期の授業は教科書の順番にはこだわらずに,重要と思われる文法事項については特に時間をかけて説明を加え,それ以外の応用・発展的な文法事項についてはさっと触れるにとどめて,2年生以降のフランス語IIIの学習につなげていきます。また,授業は必ずしもシラバスの順序通りではなく,習熟度に合わせて変更することがあります。
【事前学習】1時間
夏休み課題をしっかり消化しておくこと。
【事後学習】1時間
授業時に指示します。
第2回命令法直説法現在の正しい活用を覚えたら,応用編として命令法のイレギュラーな活用の形も覚えましょう。
【事前学習】1時間
êtreとavoirの命令法を全て書き出し,読み方を調べておきましょう。
【事後学習】1時間
主な動詞の命令法の発音練習と書き取りをしましょう。
第3回直説法複合過去について:導入直説法複合過去という時制について概略を説明します。
(自動詞と他動詞の見分け方,過去分詞の作り方,複合過去形の意味など)
【事前学習】1時間
日本語の自動詞と他動詞の区別をおさらいし,英語の「目的語」について,調べておくこと。
【事後学習】1時間
主な動詞の過去分詞の形と発音を調べましょう。
第4回直説法複合過去の仏作文複合過去形を正しくつくるには,まずは動詞が自動詞か他動詞かをきちんと見極めたうえで,助動詞(êtreまたはavoir)を使い分けることが必要です。
また,助動詞にêtreを用いる「往来発着」の自動詞の場合には性数一致が起こることにも要注意です。
【事前学習】1時間
前期に修得したêtreとavoirという2つの動詞の綴りと発音をしっかり復習しておきましょう。
【事後学習】1時間
往来発着の自動詞4つについて,活用一覧を作りましょう。
第5回複合過去形の場合の副詞の位置
複合過去形の否定文
複合過去形の場合の副詞の位置や,否定文の作り方について学びます。
【事前学習】1時間
現在形の否定文の作り方をおさらいしておきましょう。
【事後学習】1時間
複合過去形の否定文を実際に書き出しておきましょう。
第6回複合過去形の小テスト

非人称構文のまとめ
まとめの聞き取りテストをします。
複合過去形の性数一致では,形容詞の場合とは異なり,女性形になっても音の変化が起きないことの方が多いので,正しい綴りで書けるよう注意が必要です。
【事前学習】1時間
複合過去に関する小テストの準備をしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
非人称構文の実例をまとめておくこと。また,小テストで正解できなかったところを重点的に見直しておきましょう。
第7回直接目的語と間接目的語について目的語をとる動詞について学びます。
まずは自動詞と他動詞にきちんと分類できることが最初の一歩です。
動詞が直接支配している目的語が直接目的語,àという前置詞を介在させないと支配できない目的語は間接目的語,という名前で呼ばれます。
【事前学習】1時間
téléphoner, appeler, donnerなど指示された単語の意味や使い方を調べておくこと。
【事後学習】1時間
授業であげた例文をもとに,様々な人称や目的語で実際に運用してみましょう
第8回直接目的(補)語人称代名詞を使った文と
間接目的(補)語人称代名詞を使った文
直接目的(補)語人称代名詞,または間接目的(補)語人称代名詞のいずれかひとつが含まれる文章について学びます。
【事前学習】1時間
指定された日本語文をフランス語訳してきて下さい。
【事後学習】1時間
授業での解説をもとに,正しい用法・仏文訳を確認しましょう。
第9回直接目的(補)語人称代名詞と間接目的(補)語人称代名詞の両方を使った文2つの補語人称代名詞が含まれる文章について学びます。
【事前学習】1時間
テクストの説明をよく読み,例文の単語をしっかり調べておいてください。
【事後学習】1時間
語順に注意して,練習問題を解いてみましょう。
第10回補語人称代名詞と強勢形形が似ているので間違えやすいのですが,違いを正確に把握しましょう。
【事前学習】1時間
moi, toiなどの読み方にふりがなを振っておきましょう。
【事後学習】1時間
練習問題を解きながら,使い方の違いを理解しましょう。
第11回直接目的語と過去分詞の一致補語人称代名詞のうち,直接目的語に限り複合時制の文章の中で過去分詞との性数一致が起こります。このほかにも,関係代名詞を含む文や倒置疑問文などにおいても,同様の性数一致が起こります。
【事前学習】1時間
テクストの例文の分析と和訳をしておくこと。
【事後学習】1時間
間違ったところをおさらいしておきましょう。
第12回直接・間接目的(補)語人称代名詞の小テストとおさらい今回は聞き取りテストではなく,文章題(和文仏訳)の形で出題します。
自動詞と他動詞の違いに注意しながら,目的語が1つの場合と2つの場合,いずれの場合にも語順に気をつけて正しく対応できるようにしておきましょう。
【事前学習】1時間
小テストの準備をしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
テストで正解できなかったところを重点的に復習しておきましょう。
第13回代名動詞の直説法現在形意味と用法について概説します。
代名動詞は英語にはないもので,フランス語特有の使い方にくせがあります。しっかり覚えましょう。
【事前学習】1時間
テクストの下調べの他,se laverの読み方・使い方も調べておきましょう。
【事後学習】1時間
顔や手を洗う,起き上がる等の普段よく使う動詞を身につけましょう。
第14回代名動詞の構文(現在時制)代名動詞に含まれる再帰代名詞が直接目的か間接目的かを見極めるのはなかなか難しいものです。様々な例文を通して見分け方を身につけていきもましょう。
【事前学習】1時間
直接目的語と間接目的語について復習しておいてください。
【事後学習】1時間
実際に練習問題を解いてみましょう。
第15回代名動詞の直説法複合過去形代名動詞の複合過去形を作る際には,常に助動詞êtreを用います。
【事前学習】1時間
助動詞として使われるêtreの現在形を復習しておきましょう。
【事後学習】1時間
se laverなどの頻度の高い代名動詞を複合過去の形にしてみましょう。
第16回代名動詞における過去分詞の一致代名動詞が複合過去形になった場合の性数一致の問題をクリアするには,再帰代名詞が直接目的か間接目的かを正しく見極めておく必要があります。
【事前学習】1時間
往来発着の自動詞における一致について復習しておくこと。また,例文についてもしっかり調べておきましょう。
【事後学習】1時間
練習問題で実際に活用を確認しましょう。
第17回比較級と最上級優等比較,同等比較よりも,劣等比較の構文が一番つかみにくいようです。英語のless than という構文を思い出すと,理解しやすくなるでしょう。
【事前学習】1時間
形容詞の性数一致をしっかり復習しておくこと。
【事後学習】1時間
英仏語に特有の劣等比較を特に重点的におさらいしておきましょう。
第18回中性代名詞 le, y, en3つの中性代名詞について学びます。
【事前学習】1時間
テクストの説明と例文および練習問題の下調べをしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
3つの中性代名詞のうち,どれを選んで使うべきか,練習問題を実際に解いて理解しましょう。
第19回直説法半過去形半過去形の作り方,用法などについて学びます。プレゼンテーションでも必須の表現です。
【事前学習】1時間
テクストの説明と例文の下調べをしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
練習問題を解いて,実例から複合過去との違いを学びましょう。
第20回直説法大過去形半過去に加え,大過去形の作り方,用法などについても学びます。
【事前学習】1時間
テクストの説明と例文の下調べをしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
練習問題を解いて,実際の用法を学びましょう。
第21回直説法単純未来形,前未来形単純未来形と前未来形の作り方,用法などについて学びます。単純未来の時制はプレゼンテーションでも必ず使うことが条件です。
【事前学習】1時間
テクストの説明と例文の下調べをしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
練習問題を解いて,実際の用法を学びましょう。
第22回条件法現在形と条件法過去形条件法現在形と条件法過去形の作り方,用法について学びます。
【事前学習】1時間
テクストの説明と例文の下調べをしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
練習問題を解いて,実際の用法を学びましょう。
第23回時制の一致時制の一致について,日常会話でよく出てくるパターンを理解しておく必要があります。
【事前学習】1時間
プリントを配布します。指定箇所の練習問題を準備しておくこと。
【事後学習】1時間
練習問題を解いて,実際の用法を学びましょう。
第24回反実仮想の構文(現実に反する仮定)「もし~だったら,・・・なのに。」という反実仮想(現実に反する仮定)の表現について学びます。
【事前学習】1時間
半過去と条件法現在の形を復習しておきましょう。
【事後学習】1時間
時制とモードを正しく使い分けられるようにしておきましょう。(条件節には条件法ではなく半過去が用いられることに要注意です。)
第25回強調構文
現在分詞とジェロンディフ
強調構文もジェロンディフも日常会話の中でよく使われる表現です。
【事前学習】1時間
授業時に配布するプリントの下調べをしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
練習問題を解いて,実際の用法を学びましょう。
第26回接続法接続法の意味,用法のあらましと,日常よく使われる接続法のきまり表現を学びます。
【事前学習】1時間
テクストの説明と例文の下調べをしっかり行っておくこと。
【事後学習】1時間
練習問題を解いて,実際の用法を学びましょう。
第27回フランス語プレゼンテーションの対策講座後期学習内容をもとに,自己紹介プレゼンテーションを準備するための解説を行います。
【事前学習】1時間
まずは日本語で自己紹介の内容を準備し,必要となる単語と文法内容を下調べしましょう。
【事後学習】2時間
授業時の説明をもとに,プレゼンテーションを準備します。Wordで作成し,必ずプリントアウトしたものを提出していただきます。
第28回フランス語でプレゼンテーション(配点:10点満点)後期の授業で習った様々な時制(現在,過去,未来)を用いて,前期よりも詳しく自己紹介ができるようになりましょう。文法,発音の両方から評価します。
【事前学習】1時間
音のつながる箇所,つながらない箇所に注意して,スムーズに読めるようしっかり発音練習をしておくこと。
【事後学習】1時間
プレゼンテーションで用いた文法事項はそのまま,期末テストの重点項目となります。しっかり覚えましょう。
第29回半年の学習内容を総復習半年間の学習内容全体を復習します。
【事前学習】1時間
後期の聞き取り問題を,すべての人称に変えて練習してみましょう。
【事後学習】1時間
音声教材を使いながら,発音練習もしっかり行いましょう。
第30回確認試験と解説半年間の総ざらい。
100点満点のうち,40点分は小テストと同じ形式のフランス語聞き取り問題です。
【事前学習】2時間
聞き取り問題を中心に,半年分の総復習をしておきましょう。
【事後学習】1時間
難しかったところをおさらいし,実際に発話・運用できるようにしてみましょう。
授業形式 基本は講義形式ですが,発音練習,対話練習などの実践練習を含みます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
60% 0% 30% 0% 10% 100%
評価の特記事項 筆記試験(100点満点→60%の60点で計算)+小テスト(30点満点)+プレゼンテーション(10点満点)=100点,合計60点以上で合格。なお,4分の1以上欠席した場合は筆記試験の受験を認めません。
テキスト テクスト:澤田直ほか,『アミカルマン<プリュス>』,駿河台出版社,2300円+税.
辞書:『プチ・ロワイヤル仏和辞典』,CD付第4版,旺文社,4,320円<税込>.
参考文献 授業時に随時紹介します。
オフィスアワー(授業相談) 可能な限り水曜または金曜の授業終了時にアポイントを取って下さい。もしくは金曜の12:20-12:30の間に,本館2階講師室で所在(授業後教室に残っていることや会議で不在のことがあります)を確認後,面接予定のアポイントを取り,指示された時間に本館2階講師室に来ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  例えば複合過去時制を運用するには,être, avoirの現在形の活用や,形容詞の性数変化の約束事などが必要です。前期の文法内容が後期の授業には不可欠なのです。夏休みを上手に使って,前期の学習内容が定着するよう心がけましょう。1年間の苦労の暁には,春休みの個人旅行で「フランスでフランス語が通じた!」という方がたくさん出てくるはずです。
 年2回,6月と11月に仏語検定試験が実施されています。(申し込みは約2ヶ月前から。詳細は「仏検」検索の上参照のこと)今秋または来年6月にぜひ挑戦してみてください。
 なお,実際の授業進行は教科書及びシラバスの順序とは異なることがあります。