講義名 経済史Ⅱ ≪◇学部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 水4
単位数 2

担当教員
氏名
上村 能弘

学習目標(到達目標) 1.1870年代以降,世界資本主義経済の主導産業となった重工業の歴史的特徴を説明することができる。
2.1870年代以降の世界商品市場の展開を説明することができる。
3.1870年代以降の世界金融市場の展開を説明することができる。
4.上記を綜合し,1870年代以降の世界資本主義経済の構造変動の歴史的本質を説明することができる。
授業概要(教育目的)  「経済史」は,経済学の基幹科目のひとつである。1年次配当の本授業においては比較的幅広いテーマを扱うこととなるが,この授業が受講生諸君の次年度以降の本格的な経済学研究の出発点となるよう特に留意したい。
 観念的な理解に陥らないように,可能な限り具体的な史料によりながら講義を進めるつもりである。講義の進捗にあわせて,参考図書や補足的な史料についても紹介するので,下記のテキストとあわせ,これらを図書館等で大いに利用されたい。
授業計画表
 
項目内容
第1回授業ガイダンス履修上の注意,テキスト参考文献の紹介など。
第2回製鋼業における技術革新と<鋼の時代>の到来ベッセマー転炉製鋼法と,シーメンズ=マルタン平炉製鋼法,トマス=ギルクリスト製鋼法の概要を説明し,1870年代以降の主導産業の交替と,その経済史的意義について考察する。
【準備学習】2時間
テキストの131~143ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第3回重工業を中心とした産業構造の再編成1870年代以降にあらわれた国際的な協調に基づく競争関係や,独占の進行について説明する。
【準備学習】2時間
テキストの143~150ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第4回鉄道建設のいっそうの進展と景気循環1870年代以降の鉄道建設の進捗状況を,アジア,オセアニア,中南米,アフリカの事例を取り上げながら説明するとともに,それらが世界的景気循環に与えた影響について考察する。
【準備学習】2時間
テキストの150~162ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第5回<海運革命>と世界的電信網の整備蒸気船の“本格的な”普及と,海底電信ケーブルの敷設の進捗状況を説明し,<海運革命>が世界通商の仕組みに対して与えた影響について考察する。
【準備学習】2時間
テキストの162~167ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第6回農業の構造変動〔Ⅰ〕新たな小麦供給地域の登場と,南半球からの冷凍食肉の供給を取り上げながら,1870年代以降の農業の構造変動の歴史的意義を考察する。
【準備学習】2時間
テキストの167~176ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第7回農業の構造変動〔Ⅱ〕非鉄金属産業と鉱山業の世界的展開と,アジアの米作農業との関連を取り上げて,1870年代以降の農業の構造変動の歴史的意義を考察する。
【準備学習】2時間
テキストの177~184ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第8回世界的な通商の多角化1870年代以降に見られるようになった世界通商の新たなパターンを概説する。
【準備学習】2時間
テキストの184~201ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第9回世界短期金融市場の構造変動1870年代以降の荷為替信用制度の確立を中心に,世界短期金融市場の構造変動について説明する。
【準備学習】2時間
テキストの201~203ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第10回世界長期金融市場の構造変動マーチャント・バンカーに主導されながら行われた世界長期金融市場の再編成を説明する。
【準備学習】2時間
テキストの204~208ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第11回帝国主義と資本輸出〔Ⅰ〕中近東に対するウェスタン・インパクトと金融的支配について,イランの事例を通じて考察する。
【準備学習】2時間
テキストの208~218ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第12回帝国主義と資本輸出〔Ⅱ〕中近東に対するウェスタン・インパクトと金融的支配について,エジプトの事例を通じて考察する。
【準備学習】2時間
テキストの208~218ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第13回帝国主義と資本輸出〔Ⅲ〕日清戦争と日本の“近代化”の関係について説明する。
【準備学習】2時間
テキストの208~218ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第14回<大不況>独占的・金融的資本主義の確立を背景とした<大不況>の経済史的意義を考察する。
【準備学習】2時間
テキストの219~226ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
第15回まとめまとめ
【準備学習】2時間
テキストの227~239ページを読んで,要点をメモしておくこと。
【事後学習】2時間
授業内容をよく復習し,授業中に出てきたキーワードを説明できるようにしておくこと。
授業形式 講義形式。適宜,質疑応答を行う予定。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
50% 50% 0% 0% 0% 100%
評価の特記事項  「レポート」については,11月上旬ごろに実施する予定。また,後期末に実施する「定期試験」は,論述形式を予定。
テキスト  入江節次郎『世界経済史の方法と展開――経済史の新しいパラダイム(1820-1914年)』藤原書店,2002年,4,410円.ISBN:4-89434-273-1.
参考文献  講義の進捗にあわせ,適宜紹介する。
オフィスアワー(授業相談)  毎週水曜日14:00-14:30,本館2階講師室にて対応。事前にアポイントをとり,指示された時間帯に本館2階講師室に来ること。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ  第1回目の「授業ガイダンス」の時間に,履修方法や事前学習の方法・内容について説明を行うので,履修希望者は必ず出席されたい(毎年,特に履修方法を間違え,結果的に単位を取得できなくなる学生がいるので,十分注意されたい)。
 また,上記「授業計画表」で示した各回の授業は,その都度,独立したテーマを扱うわけではなく,ひとつながりとなったものである。病気等のやむを得ない事情で授業を欠席した場合には,次回以降の授業内容が理解できなくなる可能性があるので,補習方法等についても講義担当者に相談されたい。