回 | 項目 | 内容 |
第1回 | 本講の立場と社会政策論の課題 | 経済学の4つの学派(ミクロ経済学、マクロ経済学、マルクス経済学、制度学派)の課題、方法について説明し、本講の方法、課題、内容について説明する。 【事後学習】 レジュメ、ノートを参考に講義内容を振り返り、この講義を通じて何を学んでいきたいか、考えること |
第2回 | ブラック企業と社会政策 Ⅰ ブラック企業とは? | ブラック企業の3つの類型について、事例を紹介しながら説明します。何がブラック企業を生み出すのか、考えていきます。 【事後学習】レジュメ、ノートを参考に講義内容を整理し、何故、ブラック企業が現れるのか、まとめること。 |
第3回 | ブラック企業と社会政策 Ⅱ ブラック企業発生の背景:資本制社会とは? | ブラック企業は何故生まれるのか、その背景を、資本制社会のしくみから説明します。その上で、ブラック企業の特徴を指摘します。【事後学習】資本制社会でブラック企業が発生するのは何故か、まとめること。 |
第4回 | ブラック企業と社会政策 Ⅲ 分析のための理論
労働力商品と社会ファンドの経済学的分析
| 社会ファンドは社会政策や社会保障制度を支えている財源、つまり社会保障基金のことです。労働力商品を経済学的に分析することで、社会ファンドの性格について説明します。【事後学習】今井論文「労働力商品の価値論的分析―労働力価値の析出と剰余価値の新しい概念」を読み、コメントしなさい。 |
第5回 | ブラック企業と社会政策 Ⅳ ブラック企業発生の原因:福祉資本主義の4つの類型と企業主義
| ブラック企業は、資本制社会のしくみを背景として生まれますが、資本制社会に共通の現象ではありません。ブッラク企業は、福祉資本主義の特定の類型から発生します。社会政策の目的の違い、制度の特徴から福祉資本主義の4つの類型について説明します。【事後学習】ブラック企業が発生しやすいのは、4つの類型のどれでしょうか?論理的に説明しなさい。 |
第6回 | グローバリゼーションと企業主義の福祉資本主義の変質
| ブラック企業を発生させる原因は、企業主義の福祉資本主義ですが、ブラック企業が現れたのは、最近のことです。ブラック企業がなぜ生まれたのか、グローバリゼーションの展開を中心に検討します。【事後学習】ブラック企業の発生の原因は何でしょうか? どうすればブラック企業を克服できるでしょうか?考えをまとめてください。 |
第7回 | まとめと小テスト
| 【事後学習】小テストで出題されなかった例題に答えなさい。 |
第8回 | ブラック企業をどう克服するか Ⅰ 労働時間制度 | ブラック企業を克服するためには、現行の労働時間制度の問題点を改善しなければなりません。現状の制度の特徴と問題点、改革の課題を説明します。【事後学習】日本の労働時間制度の問題点は何でしょか?長時間労働をなくすにはどうしたらよいか、また関連してどのような政策を行う必要があるか、まとめること。 |
第9回 | ブラック企業をどう克服するか Ⅱ 最低賃金制度 | ブラック企業を克服するためには、現行の最低賃金制度の問題点を改善しなければなりません。本来実現されるべき最低賃金の水準を示し、現状の制度の特徴と問題点を明らかにします。そして改革へ向けた課題を提示します。【事後学習】最低賃金の引き上げを行う場合、関連してどのような政策を行う必要があるか、説明しなさい。 |
第10回 | 企業主義の福祉資本主義をどう改革するか Ⅰ 年功賃金制度 | 企業主義の改革の為には年功賃金制度の改革が必要です。年功賃金制度の特徴と問題点、改革の課題を説明します。【事後学習】なぜ年功賃金が必要なのでしょうか?年功賃金を無くすためには、どのような条件が必要か、説明しなさい。 |
第11回 | 企業主義の福祉資本主義をどう改革するか Ⅱ 労働組合運動 | 企業主義の改革の為には労働組合運動の改革が必要です。日本の労働運動の特徴と問題点、改革の課題を説明します。【事後学習】日本の労働組合運動の問題点は何であり、どう改革したらよいのか、考察しなさい。 |
第12回 | 企業主義の福祉資本主義をどう改革するか Ⅲ市民運動 | 企業主義の克服の為には市民運動の発展が必要です。プランテーション主義の福祉資本主義を克服して自由主義の福祉資本主義を確立した米国の歴史から、市民権運動の意義を学びます。【事後学習】市民権運動から学ぶべきことは何でしょうか、論述しなさい。 |
第13回 | 社会民主主義の福祉資本主義の到達点 | スウェーデン型の福祉資本主義について説明し、資本制社会の特徴を修正していく社会政策の可能性について考えます。【事後学習】スウェーデン型の福祉国家の可能性と限界について、考察しなさい。 |
第14回 | 理解度の確認 | これまでの要点のまとめ |
第15回 | まとめ | まとめ |
第16回 | 年金問題と社会政策 Ⅰ 諸外国の年金制度と日本の年金制度 | 福祉資本主義の諸類型毎に年金制度がどのようになっているか、説明します。【事後学習】日本の年金制度の特徴を指摘し、コメントしなさい。 |
第17回 | 年金問題と社会政策 Ⅱ 日本の年金制度の特徴と問題点 | 日本の年金制度は、国民年金と厚生年金に大きく分かれ、給付水準に大きな格差があります。企業主義の福祉資本主義の制度の典型的な問題を示しています。【事後学習】日本の年金制度の問題点は何か、考察しなさい。 |
第18回 | 年金問題と社会政策 Ⅲ 高齢化問題と年金制度 | 少子高齢化の中で年金制度の持続可能性が問題となっています。経済成長や生産性の上昇などいくつかの問題を取り上げ、考えていきます。【事後学習】年金制度の持続の為に必要なことは何か、考察しなさい。 |
第19回 | 貧困問題と社会政策 Ⅰ ワーキングプア―問題 | 今日の貧困問題の特徴は、働く若者や女性など従来対策が必要なかった人たちが通常の市民生活を送ることができない状況に追い込まれていることです。ワーキングプアー問題について説明します。【事後学習】なぜ、ワーキングプア―が生まれるのでしょうか?労働力商品と社会ファンドについての理論的説明(第4回)を踏まえて、考察しなさい。 |
第20回 | 貧困問題と社会政策 Ⅱ 生活保護制度 | 日本の生活保護制度の特徴と問題点、課題について説明します。【事後学習】生活保護バッシングは何故行われるのでしょうか?企業主義の福祉資本主義の特徴に照らして考察しなさい。 |
第21回 | 現代資本制社会の変化を分析するための理論:サービス商品と社会サービスの性質、脱工業化社会のふたつの側面 Ⅰ ――サービス労働論争—— | 現代の資本制社会の新しい貧困について検討していく為には、経済のサービス化についての経済学的分析が必要です。サービス労働をめぐる経済学上の論争を紹介します。【事後学習】サービス労働価値非形成説と形成説のそれぞれの正しいと考えられる点を挙げ、あなたの考えをまとめて下さい。
|
第22回 | 現代の資本制社会の変化を分析するための理論:サービス商品と社会サービスの性質、脱工業化社会のふたつの側面 Ⅱ ――サービス商品の価値論的特徴——
| サービス商品についての経済学的説明を紹介します。【事後学習】今井論文「サービス商品の価値論的特徴について」を読み、コメントしなさい。 |
第23回 | 介護問題と社会政策 Ⅰ 米国ナーシングホームの悲劇 | 米国では施設介護を営利企業が担っています。そこでは、ナーシングホームの悲劇といわれる事態が生じています。介護を通じた営利活動の問題点について考えていきます。【事後学習】なぜ、悲劇がおこってしまうのでしょうか?考えてください。 |
第24回 | 介護問題と社会政策 Ⅱ ドイツの介護保障と日本の介護保険制度 | ドイツの介護保障制度と比較して、日本の介護保険制度の特徴を説明します。【事後学習】なぜ、ドイツの制度を参考にしたはずの日本の介護保険が似ても似つかない制度になったのでしょうか?前期の内容を復習して考えてください。 |
第25回 | 脱工業化社会と社会投資福祉国家論:北欧型の政府の役割と日本型・南欧型との比較 | 資本制社会の多様性を明らかにしてきた新制度学派の研究を紹介し、日本の資本制の特徴についてさらに考察します。【事後学習】日本型・南欧型の資本制社会の特徴を説明し、改革の課題について論じなさい。 |
第26回 | 保守主義の福祉資本主義の限界とドイツ型資本主義の変革 | 脱工業化による資本主制社会の変容は、とりわけ、階層化された福祉資本主義(保守主義及び企業主義)に改革を迫っています。特に、ドイツをはじめとする保守主義の福祉資本主義において、大きな変革が展開されています。その過程を紹介し、企業主義の改革について考察します。【事後学習】保守主義の福祉資本主義の改革から学ぶべきことは何でしょうか、考察しなさい。
|
第27回 | 企業主義の福祉資本主義:最近の動向と改革課題-働き方改革を中心に- | 企業主義の福祉資本主義は、経済活動の停滞と格差社会への変質により、根底からの改革が求められています。近年の働き方改革は、そのような状況に対応しようとする社会政策です。働き方改革の課題と限界について検討します。【事後学習】働き方改革が目指すべき課題は何でしょうか、実際の改革の問題点を指摘しつつ論じなさい。 |
第28回 | 自由主義の福祉資本主義の課題:オバマ改革とトランプ革命? | 社会投資福祉国家の充実は、自由主義の福祉資本主義にとって重要な課題です。しかし、政府の役割の拡大は、本来の保守主義や自由主義とは相いれず、自由主義の世界は、政治的に大きく分裂が生じています。民主党と共和党の対照的な動向がそれを現わしています。【事後学習】近年の米国における民主党と自由党の対立について、グローバルな視点からまた、社会政策的な観点から論じなさい。 |
第29回 | 理解度の確認 | 16回以降のまとめ |
第30回 | まとめ | まとめ |