講義名 都市問題論 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 月5
単位数 4

担当教員
氏名
浅田 義久

学習目標(到達目標) 本講義では,都市問題,特に日本の都市で起きている問題を経済学で分析する能力を取得する。都市問題を経済学的に理解し,その問題点や対策も理解できるようになる。
授業概要(教育目的) 都市経済学は,ミクロ経済学の応用分野で,授業計画に記したように,都市・住宅問題から交通経済,公共サービスまで広範な分野となります。また,近年は動学化の研究が進み,都市の成長理論も扱う分野になっていますので,都市が何故成長するかも検討します。
これらを,理論的に分析するだけではなく,実際のデータを基に都市問題がどのように起こっており,解決のためにはどのような施策が必要かを身近な例を取って学んでいきます
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンス
都市問題論では何を扱うか
【事前学習】事前にシラバスを読んで何が日本の都市問題となっているかを理解する 2時間
【事後学習】1回目小テストの確認 2時間
第2回ミクロ経済学の復習1
消費者行動について,住宅の需要関数を導出することで復習する。
【事前学習】2回目講義レジュメの需要関数に関する事前学習 2時間
【事後学習】ミクロ経済学Ⅰの総確認すること 2時間
第3回ミクロ経済学の復習2
生産者行動について,住宅の供給関数を導出することで復習する。
【事前学習】3回目講義レジュメの供給関数に関する事前学習 2時間
【事後学習】3回目小テストで供給関数を再確認する 2時間
第4回ミクロ経済学の復習3住宅の需要曲線と供給曲線から市場均衡を復習しする。
【事前学習】 4回目講義レジュメでの市場均衡を事前学習すること 2時間
【事後学習】2~4回目の小テストでミクロ経済学の再確認 2時間
第5回ミクロ経済学の復習42~4回の講義での市場均衡から市場家賃,市場住宅生産量,余剰の考え方を学ぶ。
【事前学習】ミクロ経済Ⅰで学んだ,余剰分析を再確認すること 2時間
【事後学習】2~4回目のミクロ経済学のそう復習をおこなう 2時間
第6回日本の都市問題日本の都市・住宅で何が問題なのかを様々なデータをもとに検討し,本講義での分析対象の問題点を明らかにする。
【事前学習】日本の都市問題をデータ等で理解しておく 2時間
【事後学習】現状の都市問題をより新しいデータで確認する 2時間
第7回住宅政策の経済学的分析1
ミクロ経済学の分析手法を用いて,家賃規制,公共住宅の供給に関する検討を行う。
【事前学習】ミクロ経済学で学んだ規制による余剰分析を復習 2時間
【事後学習】7回目講義での余剰分析の復習 2時間
第8回住宅政策の経済学的分析2ミクロ経済学の分析手法,特に無差別曲線と予算制約線を用いて,家賃補助と所得補助の比較検討を行う。
【事前学習】ミクロ経済学での無差別曲線,予算制約線を復習 2時間
【事後学習】無差別曲線と予算制約線での市場均衡を復習 2時間 
第9回住宅政策の経済学的分析3中古市場の脆弱性を情報の非対称性を用いて検討する。特に,アドバースセレクションがどのように起こっているかを解説する。
【事前学習】情報の非対称性についてレジュメで予習する 2時間
【事後学習】情報の非対称性に関する復習1 2時間
第10回住宅政策の経済学的分析4借家市場の脆弱性を情報の非対称性を用いて検討する。特に,モラルハザードがどのように起こっているかを解説する。
【事前学習】情報の非対称を借家市場にどのように利用するかを予習 2時間
【事後学習】情報の非対称性に関する復習2 2時間 
第11回地代と地価の関係フローの地代と,ストックの地価の関係をユーザーコストの概念を基に解説する。
【事前学習】マクロ経済学から利子の決定,フロートストックの関係を復習 2時間
【事後学習】地代,地価の関係を理解する 2時間
第12回土地政策の経済学的分析1
土地や住宅に対する税をユーザーコストを用いて効率性の観点から検討する。
【事前学習】地代,地価とユーザーコストの関係を理解する 2時間
【事後学習】税によるユーザーコストの決定を理解する 2時間
第13回土地政策の経済学的分析2
12回講義から続き,土地に対する税の中立性と非転嫁命題について解説する。
【事前学習】ミクロ経済学で学んだ税の非転嫁命題を復習 2時間
【事後学習】 土地と家屋に対する課税の違いを理解する 2時間
第14回土地政策の経済学的分析3
土地と金融資産に対する譲渡所得税と相続税による資源配分への歪みと公平性について解説する。
【事前学習】金融資産と実物資産の選択について予習 2時間
【事後学習】ミクロ経済を用いた土地政策の分析手法を復習しておく 2時間
第15回経済学的分析の中間試験
上記の分析手法を基に,日本の住宅政策を評価していく。
【事前学習】前期全ての範囲を復習しておく 2時間
【事後学習】中間試験の復習 2時間
第16回経済学的分析から見た日本の土地・住宅政策
前期で学んだ分析手法を基に,日本の土地政策を評価していく。
【事前学習】後期に向けて都市住宅政策を復習しておくこと 2時間
【事後学習】都市住宅政策に対する分析手法を復習 2時間
第17回都市の交通問題日本の交通問題として,都市での交通混雑問題と地方圏での公共交通サービスの赤字問題に焦点を当て,問題を認識する。
【事前学習】ミクロ経済学で学んだ供給関数,費用関数の復習 2時間
【事後学習】交通問題の余剰分析を習得 2時間
第18回交通混雑緩和策


都市での交通混雑の原因とその対策を経済学的に分析する。対策として規制的対策と価格政策の比較を行い,同時に環境への影響も検討する。
【事前学習】ミクロ経済学Ⅱで学んだ外部性について復習 2時間
【事後学習】外部不経済があるときの最適化施策を復習 2時間
第19回地方公共交通サービスの赤字問題地方公共交通サービスの赤字問題を,交通サービスの需要と供給関数を基に分析し,その対策を検討する。
【事前学習】ミクロ経済学Ⅱで学んだ公共財供給について復習 2時間
【事後学習】規模の経済がある場合の最適化政策を復習 2時間
第20回地域公共サービス供給問題1
保育や介護,教育サービスなど地方公共サービスの問題点を市場規制,特に参入規制の観点から経済学的に検討する。
【事前学習】ミクロ経済学Ⅱで学んだ公共財供給について交通以外の分野で復習 2時間
【事後学習】地方公共サービスの市場規制を復習 2時間
第21回地域公共サービス供給問題2
地域公共サービスの問題点を財政面から検討を行う。
【事前学習】日本の地域公共サービスのいくつかについて事前に調べる 2時間
【事後学習】財政問題を理解する 2時間
第22回地域公共サービス供給問題3

地方公共サービスへの住民の対応としての「足による投票」行動と,その結果としての都市の成長について解説する。
【事前学習】公共経済学でで学んだ公共財供給の手法について復習する 2時間
【事後学習】公共財供給の問題点を理解する 2時間
第23回都市空間利用1住民・企業が土地に対してオファーする付け値地代の概念を,住民の効用最大化行動,企業の利益最大化行動から解説する。
【事前学習】付け根地代を導出する予算制約線と効用関数についてミクロ経済Ⅰで復習する 2時間
【事後学習】付け値地代を導出ことができるようにする 2時間
第24回都市空間利用223回講義の付け値地代によって都市空間利用と地代形成を導出する。
【事前学習】都市の空間利用について東京圏を中心に事前に調べる 2時間
【事後学習】地代形成と空間利用の関係を理解する 2時間
第25回都市空間利用3
23回講義の付け値地代に外部性を導入すると都市空間利用がどのように変化するかを検討する。
【事前学習】外部性が各自の効用に対してどのように影響を与えるかミクロ経済学Ⅱで復習 2時間
【事後学習】外部性があるときの付け値地代を導出する 2時間
第26回都市の成長理論1
都市はなぜ成長するかを集積の利益を導入した空間経済の基礎を学ぶ。
【事前学習】外部性の一つである集積の経済について簡単に調べる 2時間
【事後学習】外部性があるときの問題点と解決策をまとめる 2時間
第27回都市の成長理論2最適都市規模を経済学ではどのように考え,現状の都市規模が過大か過小かを検討する。
【事前学習】日本と諸外国の都市規模を比較する 2時間
【事後学習】最適都市規模の達成への問題点を理解する 2時間
第28回日本の地域・都市政策126~27回の成長理論から見て,戦後日本が採ってきた都市政策を評価する。
【事前学習】日本の都市政策を調べる 2時間
【事後学習】日本の都市政策を経済学的に分析する 2時間
第29回日本の地域・都市政策226~27回の成長理論から見て,戦後日本が採ってきた地域政策を評価する。
【事前学習】日本の地域政策を調べる 2時間
【事後学習】日本の地域政策を経済学的に分析する 2時間
第30回まとめ日本の都市問題とその対策について総合的にまとめる。
【事前学習】全体のまとめなので,これまでのレジュメ,問題について総復習すること 2時間
【事後学習】都市問題の総括をおこなう 2時間
授業形式 講義形式,毎回小試験
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
0% 0% 80% 20% 0% 100%
評価の特記事項 毎回小試験を行い,その平均正解率を評価とする。
テキスト 各回レジュメをWEB上(下記授業用URL)で配布。
参考文献 山崎福寿・浅田義久『都市経済学』日本評論社
オフィスアワー(授業相談) 下記のサイトに記載してありますので,事前にアポイントを取ること。
https://sites.google.com/a/nihon-u.ac.jp/asada/
事前学習の内容など,学生へのメッセージ 毎回の積み重ねが重要で,欠席すると小テストを0点と見なしますので注意してください。私語や遅刻も小テスト0点とします。
また,レジュメを見て事前に予習し,毎回の試験結果を復習してください。
履修条件としてミクロ経済学Ⅰをほぼ完全に理解し,ミクロ経済学Ⅱを同時履修する学生が望ましい。ミクロ経済学を理解していない学生は履修しないこと。
毎回試験をしますので,8割以上出席できない学生は履修しないこと。
授業用URL https://sites.google.com/a/nihon-u.ac.jp/asada/home/kougi/city