講義名 日本経済入門 ≪◇学部≫
講義開講時期 後期
曜日・時限 金3
単位数 2

担当教員
氏名
佐久間 隆

学習目標(到達目標) この講義では、日本経済について基礎の範囲内ではありますが幅広い知識を修得します。
これにより次の2点を目指します。

1.身近な経済問題から国レベルの経済政策にいたるまで様々な経済現象に関して行われる経済学的な説明についてポイントが何かをとらえることができる。

2.二年生から学ぶ経済学の諸科目について、どのようなことを学習するのか、ざっくりとしたイメージをもち、きちんとした見通しのうえに立って自分の関心に応じた学習プランづくりができる。
授業概要(教育目的) 日本経済を理解するためには、経済理論とともに、具体の経済問題、経済政策、経済制度や統計データなどについて学ぶ必要があります。経済現象の背後には市場経済のメカニズムと制度的な枠組みが複雑に絡みあって動いているからです。
この授業では、経済理論については学習途上であり経済用語にも不慣れな初学者のため、噛み砕いた解説を心がけます。しかし、複雑な問題を避けるのではありません。日本経済を題材として実証的な経済分析へと導く入門でもあるので、政府で経済政策の立案にかかわった経験を生かしながら、今話題になっている経済問題をできるかぎり取り上げます。みなさんの日本経済への探究心をかき立てることが目標です。
授業計画表
 
項目内容
第1回ガイダンスと導入
初回のみプリントを配ります。以後は、EcoLinkからダウンロードしてください。
シラバスに基づいて授業の進め方、評価の方法などについて説明します。
「国」経済とは何か、それをどういう視点に立って分析するのか、ここから始めます。
[事前学習]予め学部ホームページ掲載のシラバスに目を通しておくこと。:2時間
[事後学習]シラバス、レジュメとノートを読み返すこと:2時間
第2回日本の経済発展
日本の超長期的経済成長と開発経済学の視点からの特徴を押えた上で、貨幣経済、市場経済が広まった江戸時代後期から日本経済がおおよそどのような経過で発展してきたかを振り返ります。
[事前学習]テキストのⅠ章(⑨を除く。)およびEcoLinkにアップするレジュメ(Word文書)と参考資料(パワポ)を予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第3回日本経済の基礎的条件
日本の国土、人口を他の国々と比較し、それらが日本経済にとって持つ意味を考えます。
[事前学習]テキストのⅡ章(⑤、⑩を除く。)とレジュメ、参考資料を予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第4回日本の制度部門と経済循環
付加価値の概念、家計、企業、金融機関、政府、海外の部門分けを理解の上、GDP統計に基づいて日本の経済循環を体系的にとらえ、その特徴を探ります。
[事前学習]テキストのⅠ章⑨、Ⅱ章⑩とレジュメ、参考資料を予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第5回日本の「食」と第一次産業
環境・資源とのかかわりの深い食生活とその基礎である農業、林業、水産業、畜産業および鉱業について考えます。見学レポートの作成と提出方法について説明します。
[事前学習]テキストのⅢ章とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]①レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
②施設の見学と見学レポートの作成:5時間
第6回日本の第二次、第三次産業
経済発展にともなって日本の産業構成がどのように変化してきたかをたどります。
[事前学習]テキストのⅣ章①~④、⑩とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第7回日本の企業経営日本の企業経営の全般的特徴および経営環境の変化にともなう近年の動きをみます。
[事前学習]テキストのⅣ章⑦~⑨とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第8回日本の雇用・労働
日本の雇用慣行や就業形態がたどってきた歴史的経過、非正規雇用の増加、労働力人口の減少など労働市場における近年の変化をみます。
[事前学習]テキストのⅤ章とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第9回日本の景気循環
戦後の日本において、景気の良い時期と悪い時期がどのように移り変わってきたかをデータに基づいてみていきます。
[事前学習]テキストにはまとまった記述はないが、Ⅰ章⑥、⑧に関連する記述があるので、読み返すこと。レジュメと参考資料を予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第10回日本の金融市場と金融当局の役割
資金循環表などを用いて、主な金融資産と関係する金融機関、部門間での資金の流れを概観するとともに、金融政策運営と金融機関監督の体制をみます。
[事前学習]テキストのⅥ章とレジュメ、参考資料を予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第11回日本の行政組織と財政
国と地方公共団体の役割分担、主な国の行政機関について学び、資金の流れからみた公的部門の財政の現状を理解します。
[事前学習]テキストのⅦ章(⑨を除く。)とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第12回日本の地域経済
人口や産業の集積がどのように日本の国土に分布しているかを学び、地方分権への対応、人口の減少など地域が抱える課題について検討します。
[事前学習]テキストのⅡ章⑤、Ⅶ章⑨とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第13回日本の対外経済関係
国際収支表を手掛かりに、貿易、投資などにおける主要国との関係、貿易の品目構成、通貨、貿易に関し世界経済に占める日本の位置と国際経済秩序とのかかわりについて学びます。
[事前学習]テキストのⅧ章とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。2時間
第14回日本の暮らしと豊かさ 日本における物質的生活水準、教育・文化、福祉などの生活の質について経済発展の成果の観点から検討を加えます。
[事前学習]テキストのⅨ章とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
第15回理解度の確認と日本経済の今とこれから試験により全体の理解度を確認し、試験修了後に解説します(履修者数が多い場合、特定試験期間に試験を行いますが、その場合、解説は行いません。)。
日本経済が直面する課題と対応について考察し、この授業で学んだことを確認してから、今後の学修の方向性について示します。
[事前学習]テキストのⅩ章とレジュメを予め読んでおくこと。:2時間
[事後学習]レジュメとノートを読み返し、ノートの足りない部分をテキストを参照して補うこと。:2時間
授業形式 講義形式で行います。必要に応じて、教科書と参考書、その他の資料を使います。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
60% 30% 0% 10% 0% 100%
評価の特記事項 出席はEcoLinkで取ります。工場などの施設を見学してレポートを提出してもらいます。見学先選びの情報源やお奨めリストをEcoLinkにアップします。試験は持込不可です。
テキスト 宮崎勇、本庄真、田谷禎三著『日本経済図説(第4版)』岩波新書1447(岩波書店) 定価800円+税.
参考文献 日本経済の課題について理解を深めたい人には次の新書を奨めます。
・福田慎一著 「21世紀の長期停滞論」  平凡社新書
・小峰隆夫著 「人口負荷社会」     日経プレミアムシリーズ
・土居丈郎著 「財政からみた日本経済」 光文社新書
・橘木俊詔著 「家計からみた日本経済」 岩波新書
オフィスアワー(授業相談) 金曜日の15:00~16:00、研究室で質問や相談などを受け付けます。事前にメールでアポイントをとるか、授業の際に直接申し出てください。3名までなら連れ立っての来訪OKです。研究室の場所とメールアドレスはガイダンス時に伝えます。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ・コンピュータ利用の手引きでEcoLinkでの出席登録、授業資料のダウンロード、レポートの提出方法を修得すること。授業計画表とテキストの対応関係を確認すること。
・高校で日本史を選択しなかった学生には、友人に高校の教科書を借りるなどして江戸後期から現代までの日本の歴史を軽くさらっておくことを推奨します。
・提出レポートの形式は原則としてWord文書です。文書にはデジタル画像を張り付けることを求めます。