講義名 経済分析入門 ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 火5
単位数 2

担当教員
氏名
齋藤 安彦

学習目標(到達目標) 本講義の目標は,経済分析に必要なデータ分析の基礎的な手法を身につけることです。そのために,具体的には以下のことができるようになることを目指します。
1. 統計分析に必要な基本的概念を理解する
2.表計算ソフト(Excel)等を使って、実際の経済データの基本的な分析ができる
3.分析結果にもとづき分析レポートが作成できる
授業概要(教育目的) 本講義は,経済分析に必要なデータ分析の基礎を実習形式で学ぶことを通じて,データ分析の楽しさを知ってもらうことを目的としています。経済の動きを客観的に理解するためには,統計データを使って分析することが不可欠です。しかし,「統計」とか「分析」などと聞くと難しそうだと思い,経済分析の楽しさが分かる前に学習を断念してしまう学生がいるのではないでしょうか。そこで受講者のみなさんには,難しい理論は抜きにして,実習形式でデータ分析を体験してもらい,統計分析の楽しさ,面白さを知ってもらいたいと思います。
授業計画表
 
項目内容
第1回講義概要・CAL教室の使い方の説明講義の目的,内容,進め方,成績評価方法等を理解する。学内のPCの使い方を学ぶ。
【事前学習】2時間
Windows PC の基本操作,日本語入力をマスターしておく。
【事後学習】2時間
Windows PC の基本操作,日本語入力,タッチタイピングについて,わからなかったところを復習しておく。タッチタイピングができない者は,毎日少しずつ練習する。
第2回Excelの基本操作実習Excel を使った四則演算,セル参照,関数,表示形式の設定方法などデータ分析に必要な基本的操作方法を学ぶ。
【事前学習】2時間
テキスト第1章(pp.1-10)をよく読み,テキストの指示通りに操作して,わからないところを確認しておく。
【事後学習】2時間
第1章の課題に取り組み,期限までに提出する。
第3回データ特性の表し方(基本統計量)一般的な経済データを使って基本統計量の考え方と計算方法を学ぶ。平均,分散など基本的な統計量の概念とExcelによる計算方法を学ぶ。
【事前学習】2時間
テキスト第2章(pp.11-20)をよく読み,テキストの指示通りに操作して,わからないところを確認しておく。
【事後学習】2時間
基本統計量の意味が理解できるようにする。練習問題2.2-2.7を一人でできるように復習する。
第2章の課題に取り組み、期限までに提出する。
第4回時系列データの分析時系列データを使い,データの変化を分析する方法を学ぶ。時系列データのグラフ化,増加率,前年同期比,寄与度などを計算し,分析結果を記述する方法を学ぶ。
【事前学習】2時間
テキスト第3章(pp.23-34)をよく読み,テキストの指示通りに操作して,わからないところを確認しておく。
【事後学習】2時間
練習問題3.1-3.4を一人でできるように復習する。
第3章の課題に取り組み,期限までに提出する。
第5回多変数データの分析変数間の関係について分析する手法を学ぶ。相関係数の計算方法,散布図の作成方法など。
【事前学習】2時間
テキスト第4章(pp.39-44)をよく読み,テキストの指示通りに操作して,わからないところを確認しておく。
【事後学習】2時間
練習問題4.1-4.3を一人でできるように復習する。
第4章の課題に取り組み,期限までに提出する。
第6回回帰分析1:単回帰分析1経済分析で頻繁に使われる回帰分析という手法の基礎を学ぶ。まず回帰分析の方法をExcelを用いて学ぶ。
【事前学習】2時間
テキスト第5章(pp.49-55)をよく読み,回帰分析とはどのような分析手法なのかについて学習し,わからないところを確認しておく。
【事後学習】2時間
練習問題5.1を一人でできるように復習する。
第7回回帰分析2:単回帰分析2統計データを用いてExcelで単回帰分析の実習を行う。
【事前学習】2時間
テキスト第5章(pp.49-55)をよく読み,テキストの指示通りに操作して,わからないところを確認しておく。
【事後学習】2時間
第5章の課題に取り組み,期限までに提出する。
第8回回帰分析3:重回帰分析1
統計データを用いてExcelで重回帰分析の実習を行う。単回帰分析との違いを学ぶ。
【事前学習】2時間
テキスト第6章(pp.57-59)をよく読み,テキストの指示通りに操作して,わからないところを確認しておく。
【事後学習】2時間
練習問題6.1-6.2を一人でできるように復習する。
第9回回帰分析4:重回帰分析2
統計データを用いてExcelで重回帰分析の実習を行う。重回帰分析における注意点および結果を説明するレポートの作成方法を学ぶ。
【事前学習】2時間
テキスト第6章(pp.60-67)をよく読み,テキストの指示通りに操作して,わからないところを確認しておく。
【事後学習】2時間
練習問題6.3-6.4を一人でできるように復習する。
第6章の課題に取り組み,期限までに提出する。
第10回統計ソフトEviewsによる回帰分析実際の経済分析に使用されることが多い統計ソフトEviewsの操作方法を学ぶ。これまで使用したデータを加工してEviewに読み込ませ,重回帰分析を行なう。さらに,Eviewの様々な機能を学ぶ。
【事前学習】2時間
単回帰分析、重回帰分析について,テキストの内容をもう一度復習しておく。
【事後学習】2時間
事業時に配布したレジュメを読み,EViews を一人で操作できるようにする。
第11回社会調査の基礎経済分析では、目的にあったデータを独自に収集し、分析することがある。研究機関や企業などは調査を実施し、調査に基づいて政策の策定、商品開発、マーケティング戦略の立案などを行う。このような個人または社会集団に関するデータの収集方法を学ぶ。
【事前学習】2時間
テキスト第7章(pp.69-83)を読み、疑問点を確認。
【事後学習】2時間
授業内容を復習し、理解できていない点を確認する。
第12回アンケート調査の収集と分析
社会調査のデータを収集後、どのように整理し、集計、分析を行うか、基礎的な方法論を学ぶ。
【事前学習】2時間
テキスト第8章(pp.85-97)を読み、理解に努める。
【事後学習】2時間
テキストp.97をもとにした課題を実施する。
第13回社会調査:横断調査の例百歳高齢者を対象として社会調査を例に社会調査に関する理解を深める。特に社会調査から得られる変数間の相関の概念を理解する。
【事前学習】2時間
事前に配布される調査の調査票を読み、理解する。
【事後学習】2時間
授業中に用いた資料を用いて簡単な集計を行う。
第14回社会調査:縦断調査の例日本大学「健康と生活に関する調査」を縦断調査の例として、社会調査から得られる因果関係の概念を理解し、これまで得られた知見を学ぶ。
【事前学習】2時間
第一回調査の調査票を読み、理解する。
【事後学習】2時間
授業中に用いた資料を用いて簡単な統計分析を行う。
第15回まとめ授業内で取り組んだ経済分析手法を理解できたかを確認する。
【事前学習】2時間
テキストの1〜7章までの総復習をする。
【事後学習】2時間
本講義で学んだ分析手法を使い,いろいろな経済データを分析して分析手法を身につけよう。
授業形式 本講義は,コンピュータ教室でコンピュータを使いながら実習形式で進めていきます。受講生には、テーマごとに課題の提出を求めます。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
40% 0% 15% 45% 0% 100%
評価の特記事項 本講義は実習形式で行うので,相対評価はせず,絶対評価とします。授業への参画度、課題の提出状況,小テストの点数などを総合的に評価します。
テキスト 村上・井尻・大澤『経済分析入門』梓出版社、2017年
テキストの誤植についてはWebページを参照してください。
テキスト用のデータをWebページからダウンロードできます。
参考文献 田中勝人(2009)『経済統計第3版』岩波書店
中村隆英ほか(1992)『経済統計入門』東京大学出版会
縄田和満『Excel による統計入門』朝倉書店
滝川 好夫ほか(2006)『EViewsで計量経済学入門』日本評論社
オフィスアワー(授業相談) オフィスアワーの時間に関しては,最初の授業で学生と相談して決めます。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ PCを使って実習するので,ある程度PCを使えること(マウス操作、日本語入力、ファイルの保存)を前提としています。PCの操作が苦手な学生は講義内容以外にも予習・復習が必要なので,その点を覚悟してください。Excelの基本的な操作に関して事前に学習しておくことが望ましいでしょう。
本講義でデータ分析に興味をもった学生には,次学期以降に基礎統計,統計学Ⅰ・Ⅱ、計量経済学等を履修することを勧めます。
授業用URL http://murasemi.com/eco-analysis/