講義名 中小企業論 ≪◇学部≫
講義開講時期 通年
曜日・時限 木1
単位数 4

担当教員
氏名
児玉 直美

学習目標(到達目標) 日本企業のうち99.7%を占める中小企業やアントレプレナーについて理解する。具体的には、
①中小企業、アントレプレナーの定義、機能、現状、特徴を理解し、説明できるようになる。
②イノベーションの果たす役割を理解する。
③中小企業やアントレプレナーへの資金調達を理解する。
④企業の誕生、成長、消滅、それぞれの課程で直面する問題点について理解する。
授業概要(教育目的) 前期は、中小企業、アントレプレナーの定義、機能、現状、特徴、資金調達、イノベーションの果たす役割などについて講義をする。後期は、起業活動(アントレプレナーシップ)とはどのようなことかを理解し、事業計画の構成内容を理解したり、事業計画書を作成したりできる基礎的な能力を身につける。授業終了時には中小企業やアントレプレナーをより身近な存在として感じられるようになることを目標とする。元国家公務員(経済産業省)の教員が、中小企業金融、中小企業施策や創業企業に対する支援策なども解説する。
授業計画表
 
項目内容
第1回イントロダクション授業計画、注意事項を説明する。                              日本の企業数、企業の誕生・消滅について概観する。
【事前学習】2時間
身近な中小企業、アントレプレナーについて発表できるように準備する。
【事後学習】2時間
日本の企業、そのうち新しい企業がいくつあるか調べる。
第2回中小企業、アントレプレナーとは誰か(1)中小企業、アントレプレナーの定義、機能、特徴について説明する。
【事前学習】2時間
中小企業白書などから中小企業の特徴を拾い出す。
【事後学習】2時間
中小企業と大企業の景況感の違いを調べる。
第3回中小企業、アントレプレナーとは誰か(2)
中小企業、アントレプレナーの定義、機能、特徴について説明する。
【事前学習】2時間
アントレプレナーとは何か調べてみる。
【事後学習】2時間
中小企業と大企業の違いを述べられるようになる。
第4回イノベーションとは何かイノベーションはなぜ普及しないかについて説明する。
【事前学習】2時間
流行っている製品・サービスを1つ選び、他の製品・サービスとの違いを調べる。
【事後学習】2時間
イノベーションが普及しない理由を述べられるようになる。
第5回イノベーションはなぜ普及しないのか創出されたイノベーションを普及させるには、何が問題となるのかについて説明する。
【事前学習】2時間
スマホが急速に普及した理由を調べる。
【事後学習】2時間
イノベーションを普及を妨げる問題点を説明できるようになる。
第6回企業の誕生から消滅まで企業の誕生、成長、消滅について説明する。
【事前学習】2時間
新しい企業の消滅率が高い理由を調べる。
【事後学習】2時間
企業の一生について述べられるようになる。
第7回中小企業への資金供給中小金融について説明する。
【事前学習】2時間
逆選択、モラルハザードとは何か調べる。
【事後学習】2時間
中小企業金融について説明できるようになる。
第8回アントレプレナーへの資金供給アントレプレナーにどのような形態で資金が供給されるかについて説明する。
【事前学習】2時間
期待値の計算方法を調べる。
【事後学習】2時間
資金回収シミュレーションを復習する。
第9回中小企業、アントレプレナーの社会的意義

小テスト①
リスクを引き受けたり、イノベーションを創出したりするアントレプレナーは、経済社会にどのような成果をもたらしているかを説明する。
【事前学習】2時間
融資、出資とは何か調べる。
【事後学習】2時間
融資による資金調達と出資による資金調達の違いを理解する。
第10回中小企業、アントレプレナーシップに対する評価
小テスト①解説

中小企業、アントレプレナーシップに対する評価について説明する。
【事前学習】2時間
「イノベーションのジレンマ 増補改訂版」,「『イノベータのジレンマ』の経済学的解明」を読む。
【事後学習】2時間
イノベーションのジレンマについて説明できるようになる。
第11回中小企業、アントレプレナーシップの現状と課題(1)

中小企業の現状と課題について説明する。
【事前学習】2時間
中小企業白書から中小企業政策について調べる。
【事後学習】2時間
二重構造論、中堅企業について説明できるようになる。
第12回融資と出資の違い
融資と出資の違いについて復習する。
【事前学習】2時間
第9回授業のレジメを復習する。
【事後学習】2時間
融資、出資の資金回収シミュレーションができるようになる。
第13回日本を代表するアントレプレナー日本を代表するアントレプレナーを紹介する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、その人生をまとめる。
【事後学習】2時間
アントレプレナーシップの現状について述べられるようになる。
第14回中小企業、アントレプレナーシップの現状と課題
アントレプレナーシップの現状と課題について説明する。
【事前学習】2時間
Global Entrepreneurship Monitorについて調べる。
【事後学習】2時間
アントレプレナーシップの現状と課題を説明できるようになる。
第15回まとめ、レポート課題出題これまでの講義内容を補いながらまとめる。
【事前学習】2時間
これまでのレジメを復習する。
【事後学習】5時間
レポートの作成。
第16回事業計画書の構成要素後期の授業の進め方、事業計画書の構成要素を説明する。
【事前学習】2時間
前期の内容を復習する。
【事後学習】2時間
事業計画書の構成要素について述べられるようになる。
第17回アントレプレナーシップの構成要素と特性アントレプレナーの定義、実態を説明する。
【事前学習】2時間
前回授業で配布したケーススタディを読む。
【事後学習】2時間
授業で配布した演習をする。
第18回事業機会の誕生と認識事業機会の誕生と認識について説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、どのように事業機会を見つけたか調べる。
【事後学習】2時間
事業機会の誕生と認識について説明できるようになる。
第19回トリガーイベントと諸要因トリガーイベントと諸要因について説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、創業のきっかけを調べる。
【事後学習】2時間
トリガーイベントと諸要因について述べられるようになる。
第20回事業機会の評価事業機会の評価を説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、どのように同業他社との競争に対処したか調べる。
【事後学習】2時間
ガソリンスタンドの業界分析をする。
第21回ビジネスモデルの構築ビジネスモデルの構築について説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、そのビジネスモデルは何か考える。
【事後学習】2時間
ビジネスモデルの構築について述べられるようになる。
第22回競争優位の構造競争優位の構造を説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、その競争優位の源泉を調べる。
【事後学習】2時間
競争優位の構造を説明できるようになる。
第23回資金調達と資金繰り
小テスト
アントレプレナーへの融資について説明する。
【事前学習】2時間
第7,8回授業レジメを復習する。
【事後学習】2時間
アントレプレナーへの融資について説明できるようになる。
第24回資金調達と資金繰り
アントレプレナーへの投資について説明する。
【事前学習】2時間
第7,8回授業レジメを復習する。
【事後学習】2時間
アントレプレナーへの投資について説明できるようになる。
第25回人材と信用の調達
人材と信用の調達について説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、どのように創業チームを作ったか調べる。
【事後学習】2時間
人材と信用の調達について述べられるようになる。
第26回創業期のマーケティング創業期のマーケティングについて説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、創業期のマーケティングについて調べる。
【事後学習】2時間
創業期のマーケティングの留意点を説明できるようになる。
第27回競争戦略と成長戦略
競争戦略と成長戦略について説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、その競争戦略を調べる。
【事後学習】2時間
競争戦略と成長戦略について説明できるようになる。
第28回成長期の課題とその克服成長期の課題とその克服について説明する。
【事前学習】2時間
起業家を1人選び、成長期に直面した課題を調べる。
【事後学習】2時間
成長期の課題とその克服について述べられるようになる。
第29回事業戦略から全社戦略へ事業戦略と全社戦略の違いについて説明する。
【事前学習】2時間
事業戦略について復習する。
【事後学習】2時間
事業戦略と全社戦略の違いについて説明できるようになる。
第30回まとめ、授業内試験最初の30分間でこれまでの授業のまとめを行い、その後、60分間試験を行う。
【事前学習】2時間
これまでの復習をする。
【事後学習】2時間
起業家を1人選び、事業戦略、全社戦略を調べる。
授業形式 授業形式
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
60% 20% 20% 0% 0% 100%
評価の特記事項 平常点 40%は、小テスト2回、レポート1回で評価します。
期末試験 60% レジメの持ち込みのみ認めます。              簡単な数学を使った計算問題も出します。
テキスト バイグレイブ&ザカラキス(2008)『アントレプレナーシップ』(高橋徳行ほか訳、日経BP社、2009年),定価5,091円+税
参考文献 安田武彦・高橋徳行ほか著「ライフサイクルから見た中小企業」,同友館,定価2,800円+税
国民生活金融公庫編『新規開業白書』各年版,中小企業リサーチセンター,2,315円+税(2018年版)
樋口美雄ほか編『新規開業企業の成長と撤退』,勁草書房,2,900円+税
藪下史郎ほか編著「中小企業金融入門(第2版)」,東洋経済新報社,2,800円+税
オフィスアワー(授業相談) 火曜日5限。質問、相談がある場合には、メールで事前にアポイントを取ってください。