講義名 中級ミクロ経済学Ⅰ ≪◇学部≫
講義開講時期 前期
曜日・時限 金3
単位数 2

担当教員
氏名
有馬 守康

学習目標(到達目標) 本講義では初歩的なミクロ経済学を習得していることを前提に,伝統的な消費者選択および生産者行動の理論を発展させ,より理論的で厳密な手法による詳細な体系を理解することができる。この科目を学ぶことにより,学生の皆さんが,経済主体の意思決定および市場均衡の理論のうち,完全競争均衡の性質や基本的な厚生経済学までを説明できるようになる。併せて,より進んだミクロ経済学に不可欠な偏微分と全微分を含む初歩的な微分,およびラグランジュ乗数法を用いて詳細で正確なミクロ経済理論の習得とモデル分析を用いた理論の現実問題を説明できるようになる。
授業概要(教育目的) 中級ミクロ経済学Ⅰでは,下記のテキストの第1章「消費者行動」,第2章「生産者行動」,第3章「市場均衡」の範囲を半期15回の講義を通じて学ぶ。ミクロ経済学Ⅰで学んだ図や言葉による表現を,数式によって置き換えることで,直感的理解から厳密な論理性をスムーズに身につけて行く。なお,本講義では少なくとも高校レベルの微分の理解を前提として講義を組み立てるので,あらかじめ復習または学習しておくことが望ましい。
授業計画表
 
項目内容
第1回授業ガイダンス授業計画,授業方針の説明。中級ミクロ経済学Ⅰで学ぶ内容と対象を説明。

【事前学習】2時間
教科書を準備し,あらかじめざっと全体を眺め,自分の知識水準に照らしながら,ついていく力と覚悟があるか再確認すること。

【事後学習】2時間
講義を振り返り,改めて自分の意欲と覚悟を確認し,履修の判断をすること。
第2回生産要素市場労働市場を中心とした生産要素市場に関する分析方法を解説する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,配布プリントの問題を考えて来ること。

【事後学習】2時間
講義の内容を改めて自分の中で消化し,分らないところがないよう,勉強すること。
第3回微分と生産者行動①1変数の微分を復習しつつ,企業の利潤最大化問題をプリントを解いて理解を深める。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,高校数学の微分の復習をすること。

【事後学習】2時間
プリントの問題を解き(直し),授業中にできなかった箇所を次週までに解くようにしておくこと。
第4回微分と生産者行動②前回の問題の答え合わせとともに,生産者行動理論を総括する。

【事前学習】2時間
前回の問題のプリントのロジックを解きながら理解すること。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第5回微分と生産者行動③積・商の微分および合成関数の微分を,生産者理論と絡めて解説する。

【事前学習】2時間
該当プリントを概観し,高校の数学の該当箇所を振り返り学んでおく。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第6回消費者行動①選好,嗜好と効用について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.19~38まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第7回消費者行動②効用最大化と最適消費計画について必要な数学とともに説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.39~47まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第8回消費者行動③所得変化と需要について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.47~53まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第9回消費者行動④価格変化と需要曲線について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.53~69まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第10回消費者行動⑤双対性アプローチについて説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,配布プリントの問題を考えて来ること。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第11回市場均衡①厚生経済学について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,事前に配布するプリントに目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第12回市場均衡②一般均衡分析:ワルラス均衡について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.150~158まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第13回市場均衡③一般均衡分析:パレート効率性について説明する。

【事前学習】2時間
前回の復習を行うとともに,教科書の該当箇所P.159~174まで目を通しておくこと。

【事後学習】2時間
講義で学んだ内容を復習し,次回に向けて分からないところがないように備える。
第14回全体の復習半期の要点のまとめと,翌週の試験準備を行う。

【事前学習】2時間
それまでのプリント等を見返し,分らないところをチェックし授業に臨む。

【事後学習】2時間
翌週の試験のために,知識と論理の定着を心掛ける。
第15回確認試験および解説確認試験を行うとともに,その後に解説を行う。
授業形式 講義形式と発表形式を併用します。
評価方法
定期試験 レポート 小テスト 授業への
参画度
その他 合計
60% 20% 0% 20% 0% 100%
評価の特記事項 少人数が予想されますので,極力双方向的講義を目指しています。講義での積極的な発言等の貢献には加点致します。
テキスト 奥野正寛編著『ミクロ経済学』東京大学出版会,3500円+税
参考文献 奥野正寛編『ミクロ経済学演習』東京大学出版会,
神取道宏『ミクロ経済学の力』日本評論社,
西村和雄『ミクロ経済学』東洋経済新報社,
奥野正寛・鈴村興太郎『ミクロ経済学Ⅰ・Ⅱ』岩波書店,
尾山大輔・安田洋祐編『経済学で出る数学』日本評論社など
オフィスアワー(授業相談) 金曜日6時限8号館5階研究室にて。それ以外の時間に関しては事前にアポイントを取って下さい。
事前学習の内容など,学生へのメッセージ ミクロ経済学は抽象的で難しい科目と思われがちですが,『様々な制約下での最適化行動』を分析する学問ですので,実は身近で我々の日常の行動を論理的に説明しているに過ぎません。理論を現実に当てはめながら理解すればこれほど明快で役に立つ学問も他にはないでしょう。
ミクロ経済学は積み重ねの学問で,以前に学んだ内容を理解していないと先へ進めません。特に中級では数学的論理性が今まで以上に求められます。その分しっかり毎週予習復習をし,分からないところは私や友人等に聞いて着実に理解していけば,先へ進むほど面白さが分かってきます。
経済学的思考を身につけ,今後の人生で夢を叶えるための知恵を身につけて下さい。